”危機管理産業展で見る最先端装備”各官公庁出展装備品・小型車両・遠隔操縦装備
文・写真:海猫
今回は”危機管理産業展で見る最先端装備”という事で2017年と2018年に東京国際展示場で行われた危機管理産業展において展示された各装備品を紹介します。
個人装備品や大型装備品は関係官公庁施設の一般公開でも見られるのですが企業が出展する最新鋭の装備品を生で見られるこの催しはパンフレットもたくさん貰えて最先端装備に萌える私にとっては可能な限り足を運ぶイベントです。(ちなみにコミケはまだ一度も行った事は無いです。)
企業の展示品はたまに”コロンブスの卵”的な発想が見られインスピレーションを刺激されます。さしずめ”知的好奇心の楽園”ではないでしょうか。
今回は主に各官公庁出展装備品・小型車両・遠隔操縦装備等を紹介します。ちなみに"RISCON TOKYO - 危機管理産業展 2017"スレで報告した内容も再掲します。
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東京消防庁からは主に救出ロボットをはじめ、救助関連機材や遠隔操縦型機材等の展示、震災関係のPRが行われています。
自衛隊からは主にCBRN対策面のPRが主になります。
最近では退役自衛官の民間活用のPRも行われ始めています。
最先端車両では全地形対応車や多機能・コンパクトを目指した車両が多い一方で低コスト化も注目されており、迅速に、手軽に、安く運用できる装備が主になっています。
この車両は装輪/装軌をパートタイムで選択できるほか浮航能力を備えた全地形対応車です。
ヤマハからはオートバイの展示がありましたがオフロードオートバイによる情報収集は警察・消防・自衛隊・自治体等で幅広く行われています。
こちらは遠隔操縦型の車両で運転コンソールを廃し、小型化に努めています。
この遠隔操縦ロボットは特徴的なクローラーと内蔵された駆動システムで前進・後進が可能なほか、このまま横移動を実現した移動システムからなっています。
こちらは車輪を備えたヘビ型の遠隔操縦ロボットで先端に目立つ突起物が付いたヘビのロボットですがこの突起物は"ドラえもんの手"で自立式の"マジックハンド"らしいです。
この"マジックハンド"の肝は"ジャミング転移"という現象の応用で可塑性のある球状の物体を物に押し付けて球体の内圧を減らす事で物を吸うように持ち上げる吸盤の様な仕組みだそうです。
"ジャミング転移のマジックハンド"自体は2015年にアメリカの企業が実用化してラスベガスで展示しているようですがこれはさらに進化して突起を付ける事でスイッチ操作を可能にしているようです。
こちらは遠隔操作で要救助者のもとに行ってフロート代わりになったり自走式の水上ストレッチャーになるようです。
警備用の機材としてIHIから水中航走体が展示されていました。サイドスキャンソナーやレーザーレーダー等を搭載した水上・水中用無人機で港内を巡回警備するコンセプトらしいです。
空からの情報収集機材として最近ではドローンの展示が増えてきています。
軍用でも偵察用・攻撃用として正規軍からゲリラまで幅広く使われていますがここでは僻地や入り組んだ場所や低酸素・有毒環境等の局所的情報収集を目的とした災害対策用や警備用の物が主となります。
このハーネスは小型カメラ・慣性センサ・GPSが付いた災害救助犬用装備で電波が途絶した状態でも慣性センサ等で行動記録をつける事でより効率的な災害救助犬の運用計画を立てられる・これまでより少ない労力で捜索救助が出来るらしいです。
次回は危機管理産業展において展示された設置型装備品及び大型装備品を紹介します。
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コメント
自走式の水上ストレッチャーか〜
前回のコメント欄でUS-2の後続機云々があったけど、こういうのを使えば従来とは全く違った形の海難救助機とかも出来るかも?
災害救助犬用装備もいいな〜 各種技術を上手く使っている♪
弱い電気刺激のナニガシをつけて遠隔で指示を与えるとか、そういうことは出来ないのだろうか?
東日本大震災の時も電力をどこに優先して供給するかでかなり大変だったそうで。
従来は病院一択だったのがネットがインフラ化した今は基地局への電力供給も選択脇に入るようになり、優先順位の付け方が難しくなってます。
特に今後普及するであろう5Gについては周波数帯の問題から従来以上にカバー範囲が狭いため、設置するアンテナの数は莫大な量になるとのこと。
余談ですが、こういったインフラの整備維持・災害時の耐久性を考慮して「インフラ(電柱)の地中化」が進んできたわけですが。
日本では既に有効な建造物屋上や自販機といった物には粗方既存のアンテナが設置されてしまっており、新たに設置する5G用アンテナの設置方法として「地上の電柱」を活用する案が浮上していたりしますww
確かに既に全国に普及しきっていて新規の土地契約や設置場所の選定が必要なく、一定以上の高さが確保され更に電力供給網さえ構築不要という画期的な案なのですが、これを採用するとなると「電柱の地中化」とは一体・・うごごご
>>1
>弱い電気刺激~
その手の操作については結構昔から小動物である程度の成果が出てますね。
ただ頭蓋骨に穴空けて電極刺すタイプの物になるので色々と問題が。
>弱い電気刺激のナニガシをつけて遠隔で指示を与えるとか、
>そういうことは出来ないのだろうか?
※2さんが指摘されているような問題がありますし、悪名高い無駄吠え防止用電気ショック首輪を連想してしまい、愛犬家としても心情的に抵抗があります。
よく訓練された軍犬・警察犬はハンドラーと一心同体なので、脳に電極を突き刺さなくても無線機によるボイスコマンドで相当柔軟な作戦行動が可能ですよ。
以前にもこちらでも紹介されていたと思いますが、仏軍第1海兵歩兵落下傘連隊のワンコ訓練動画
https://www.youtube.com/watch?v=0_A1MV--koY
こういう運用を考えると、ジャーマン・シェパード・ドッグより小柄なベルジアン・シェパード・ドッグが昨今重用されつつあるのも納得ですね。
実は今横田基地に居るのです。つまり....、暫しお楽しみに。
あ、ちな危機管理産業展まとめ報告はあと二回。全三回を予定しております。
カメラは満充電がまさかの電池切れ.....スマホもビンゴ....。
軍犬や警察犬にも大型と小型な屋内狭所向けが必要に成ってくるのかな?
物理的な大きさから有効行動半径が違って来るジレンマも含めて
トーハツが出したモノは中型で船外機もあるので二級小型船舶操縦士の免許も必要になるけどね。
ミニチュアダックスの警察犬や災害救助犬もおるでよ。
クッソかわいい‼
どういう使い方したのか?ですが、電池が経年劣化でヘタってるかも。
デジカメはモバイルバッテリーとか持っていっても、機種によって非対応だったり、充電中は動作しないとかあるからなあ。
ARGOは近年の日本各地で起きてる水害で活躍してますよね。
日本の市街地や住宅街みたいな狭い道路ばかりな所が水没すると小回り効くARGOが適しているらしく、実績もあって導入する消防や自治体も増えてますよね。
まあ、数年前の九州豪雨で導入後に初出動するも邪魔扱いで何の役にも立たず、岡山での水害で意気揚々と派遣されるも入水したとたんスタックして、本来救助者に割くべき人員の多くをレッカーに費やした伝説級のゴミであるレッドサラマンダーさんは、今一体どこで何をしてるんでしょうね?
出動すべき災害は起こってますよ?日本全国に対応するために日本の中心の名古屋に配備したんでしょ?
※10
日本陸軍の軍犬指定犬種はジャーマン・シェパード・ドッグ、ドーベルマン、エアデール・テリアの3つでしたが、一番小柄なエアデール・テリアは歩兵学校のリポートで対人攻撃能力の低さが指摘されていますね。
一方で、ハンドラーと共に空挺降下したり閉所戦闘や倒壊した建物の瓦礫の下へ潜り込んで被災者を捜索するような場合には、小柄な犬種の方が有利そうです。
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