防衛大綱から読み解く”事実上の空母”の正体
第三回:”事実上の空母”に至る周辺情勢
「”事実上の空母”よりも大事な話があるんです!」

対中の安全保障事情は日本と米国で重なる部分が多い。この本では現在トランプ政権で要職を務める著者が中国の政策や戦力の分析や外交的解決法の考察などを行っており、日本の安全保障を考える上でも大変有意義な一冊である。
前回まで”事実上の空母”に関する話で「空母と言えば真珠湾攻撃」という認識の間違えを指摘し、”事実上の空母”の正体を「F-35Bの離発着基地の1つ」であることを明らかにしました。
今回と次回でF-35Bが必要となった安全保障環境の変化を「防衛計画の大綱」などの関連資料から抜粋し、F-35Bと多用途運用護衛艦導入の背景を明らかにします。
最近の安全保障環境について

有名な第一次世界大戦前のヨーロッパ情勢の風刺画、今にも溢れ出しそうな危険な鍋を列強が上に乗って抑え込んでいる。このような危険な時代ははるか100年前の、遠い過去の話ではなかったのだろうか?(引用:Wikimedia Commons[[a])
多用途運用護衛艦については前回示したように「防衛計画の大綱」で決まった事ですが、注目度に反して「防衛計画の大綱」の本来の趣旨はマスコミで話題となっている”事実上の空母”ではありません。
「防衛計画の大綱」の趣旨には
『我が国を取り巻く安全保障環境は、極めて速いスピードで変化している』
ために
『これまでの国家の安全保障の在り方を根本から変えようとしている』
とあります。
そのために
『従来の延長線上ではない真に実効的な防衛力を構築する』
必要があり、その中で講じる数ある手段の1つが”事実上の空母”と言われている「いずも」の多用途運用護衛艦への改修なのです。
「防衛計画の大綱」の書き振りはかなり切迫感を感じさせるものですが、何を危惧して『従来の延長線上では無い防衛力の構築』を急いでいるのでしょうか?
今回も「防衛計画の大綱」を読み込んで安全保障環境の変化と、そこで何故F-35Bと多用途運用護衛艦が求められているかを明らかにしたいと思います。
なお記事としてまとめるためにいささか強引な箇所やF-35Bと多用途運用護衛艦に関係する項目に焦点を絞った書き方をしています。
「防衛計画の大綱」には宇宙、サイバー、電波などなど他にも興味深い話題が満載ですので”書かれていない点”についても「防衛計画の大綱」の該当部分をチェックしてみたり、気になる点を書物やネットでアレコレ調べてみると面白いでしょう。
「グレーゾーン事態」って何ですか?

東シナ海で拡大を続ける中国海警局の船、軍隊と言えなくも無い組織が軍隊のような装備をもち他国の主権に圧力をかけるのは「グレーゾーン事態」の取り扱いをより厄介なものにしている。(画像:外務省資料[[b])
「防衛計画の大綱」は「現在の安全保障環境の特徴」の中で
『中国等の更なる国力の伸長等によるパワーバランスの変化が加速化・複雑化し、既存の秩序をめぐる不確実性が増している。』
と懸念を示し、その上で
『いわゆるグレーゾーンの事態は、国家間の競争の一環として長期にわたり継続する傾向にあり、今後、更に増加・拡大していく可能性がある。こうしたグレーゾーンの事態は、明確な兆候のないまま、より重大な事態へと急速に発展していくリスクをはらんでいる。さらに、いわゆる「ハイブリッド戦」のような、軍事と非軍事の境界を意図的に曖昧にした現状変更の手法は、相手方に軍事面にとどまらない複雑な対応を強いている。』
としています。
色々と難しい事が書いてありますね。
要点を並べると『既存の秩序をめぐる不確実性が増している』時期に『より重大な事態へと急速に発展していくリスク』を持った『グレーゾーンの事態』が『長期にわたり継続する傾向に』ある上に『今後、更に増加・拡大していく可能性がある』というのです。
なんとも剣呑な雰囲気です、私は不確実性が増して火薬庫のようになっている国際社会に「グレーゾーン事態」という暴走族の集団が花火と爆竹を打ち鳴らしながら迫ってきているようなイメージを持ってしまいます。
さて、この暴走族、もとい『より重大な事態へと急速に発展していくリスク』を持つ「グレーゾーン事態」とは一体何のことでしょうか?
平成30年版防衛白書によれば、いわゆるグレーゾーンの事態とは『純然たる平時でも有事でもない幅広い状況を端的に表現したもの』とあります[1a]。
なんとも釈然としない定義ですので、具体的に現在日中間で大きな問題となっている尖閣諸島問題で考えてみましょう。
現在尖閣諸島付近では中国海警局の海警船が度々領海侵入などを繰り返しています。
この中国海警局は組織上は中国軍の一部であるとも言え[2]、外交交渉によらずに準軍事的組織を前面に押し出し、領海侵入を繰り返して領有権を主張する行為は見方によっては軍事的な侵略を試みていると言えなくも無いでしょう。
一方で現在のところは中国海警局の船は法執行機関としての活動に終始しており、これを軍事的な侵略と認定して反撃を行うほどでもありません。
日中間はこのような「グレー」な状態が長期間続いており、比較的平和な状態を保ちつつも何かあれば尖閣諸島周辺海域では海警船による”軍事作戦”が発動されるかもわからない、微妙な状況が延々と続いているのです[3]。
ハイブリッド戦とクルミア併合

最近の安全保障を考えるにあたりクリミアにおけるロシア軍の暗躍は大いに注目すべきだろう。今日の軍隊はこのような”グレー”な事態への対応を強いられているのだ
こういった「グレー」な事態の取り扱いをさらに難しくしているのが「ハイブリッド戦」という戦い方を「グレー」な事をしている国々がする可能性が高い点にあります。
平成30年版防衛白書によれば「ハイブリッド戦」とは『破壊工作、情報操作など多様な非軍事手段や秘密裏に用いられる軍事手段を組み合わせ、外形上、『武力行使』と明確には認定しがたい方法で侵略を行うこと』とあります[1b]。
「ハイブリッド戦」の典型例がロシアによるクリミアの併合です。
2014年のウクライナ政変の際、混乱に乗じてロシアは軍をウクライナ領のクリミア半島に派遣、またたく間にクルミアをロシアに併合して世界を驚かせました。
ロシアの軍事・安全保障政策を専門とする小泉悠によればクリミア併合の際にロシアは
『雑多な主体による低強度の紛争と、国境沿いに展開した正規軍による軍事的圧力、少数の精鋭部隊による電撃的な奇襲、情報戦などを組み合わせることで、公式には戦争であることを否定しながら介入を強行した』[4]
のです。
つまり現在の戦争とは太平洋戦争のように空母を連ねて出撃して宣戦布告に合わせて真珠湾を攻撃するような形で始まるのではなく、平時とも有事とも言えない「グレー」な状況がいつの間にか深刻な事態になり、破壊工作やフェイクニュースも 併用して急速に進行し、双方が衝突を認めるか認めないか云々している間に「ハイブリッド戦」の結果が既成事実として突きつけられる という形になる可能性が高いのです[5]。
制空権・制海権や領空侵犯対応はもう古い?

自衛隊の統合運用のイメージ図、今後はこの統合運用をさらにサイバー・宇宙・電波まで拡大して推し進めた領域横断(クロス・ドメイン)作戦が求められているのである。(画像:平成24年版 防衛白書[c])
上記のようにいつ何が起きるか分からない「グレーゾーン事態」や軍事・非軍事の境界が曖昧な「ハイブリッド戦」による迂遠で複雑な形態の介入・侵略が行われるという『これまでに直面したことのない安全保障環境の現実の中で』必要とされる防衛計画・自衛隊に求められる役割とは何でしょうか?
「防衛計画の大綱」で掲げられているのが
『これまで以上に多様な取組を積極的かつ戦略的に推進していく』
ことです。
具体的な体制として有事やグレーゾーン事態に対しては
『政治がより強力なリーダーシップを発揮し、迅速かつ的確に意思決定を行うことにより、政府一体となってシームレスに対応する必要』
があるとされています。
この政府一体の対応という部分について、「防衛計画の大綱」の前段階として開催された「安全保障と防衛力に関する懇談会」の中の「英国の戦略的コミュニケーション」という発表で興味深い事例が紹介されているので気になる人は一読してみるのをオススメします[6]。
さらに従来の抑止力に加えて
『宇宙・サイバー・電磁波といった新たな領域と陸・海・空という従来の領域の組合せによる戦闘様相に適応することが死活的に重要になっている』
『全ての領域における能力を有機的に融合し、その相乗効果により全体としての能力を増幅させる領域横断(クロス・ドメイン)作戦により、個別の領域における能力が劣勢である場合にもこれを克服し、我が国の防衛を全うできるものとすることが必要である』
としています。
ここで「領域横断(クロス・ドメイン)作戦」として従来の陸海空という枠組みだけでなく、宇宙・サイバー・電磁波といった新たな領域を重視しているのは如何にも現代的な内容ですし、その中で『個別の領域における能力が劣勢である場合にも』と部分的劣勢を許容する書き方をしているのは興味深いところです[7]。
概念的な話として、前述の「安全保障と防衛力に関する懇談会」では「サイバーに関する安全保障上の課題」という発表が行われており、その中で『制空権・制海権から制脳権へ』と従来の戦争概念に転換を促す発表を行なっているのは注目に値するでしょう[8]。
このような前提に立ち『防衛力が果たす役割』としてまず『平時からグレーゾーンの事態への対応』を掲げ、その中で
『全ての領域における能力を活用して、我が国周辺において広域にわたり常時継続的な情報収集・警戒監視・偵察(ISR)活動(以下「常続監視」という。)を行うとともに、柔軟に選択される抑止措置等により事態の発生・深刻化を未然に防止する。これら各種活動による態勢も活用し、領空侵犯や領海侵入といった我が国の主権を侵害する行為に対し、警察機関等とも連携しつつ、即時に適切な措置を講じる』
と言及しています。
『全ての領域における能力を活用して』「常続監視」を行い、防衛の典型と言える領空侵犯や領海侵入への対応も「常続監視」などによる態勢も活用して行い『即時に適切な措置を講じる』 としている点、「常続監視」に大きな力点を入れており従来とは大きな変更点と言えるでしょう[9]。
ようやく出てくる”事実上の空母”

フィリピン国際緊急援助統合任務部隊の「いせ」に着艦した米軍輸送機「オスプレイ」、陸上自衛隊の「CH-47」も着艦している。複雑化する安全保障環境にあって陸海空でこれまでに無い柔軟な運用が求められているのだ。(画像:海上自衛隊[d])
以上のような大きな時代の変化の中にあるので
『防衛力の強化は、格段に速度を増す安全保障環境の変化に対応するために、従来とは抜本的に異なる速度で行わなければならない』
のであり、その中では
『既存の予算・人員の配分に固執することなく、資源を柔軟かつ重点的に配分するほか、所要の抜本的な改革を行う。この際、あらゆる分野での陸海空自衛隊の統合を一層推進し、縦割りに陥ることなく、組織及び装備を最適化する』
ことが求められているのです。
そのために「領域横断作戦に必要な能力の強化における優先事項」として
まずは
『(1)宇宙・サイバー・電磁波の領域における能力の獲得・強化』
を示し、その次に
『(2)従来の領域における能力の強化』
の中の
『海空領域における能力』
として
『我が国周辺海空域における常続監視を広域にわたって実施する態勢を強化』
と
『無人水中航走体(UUV)を含む水中・水上における対処能力を強化』
と並んで、ようやく前回紹介した
『柔軟な運用が可能な短距離離陸・垂直着陸(STOVL)機を含む戦闘機体系の構築等(後略)』
という、”事実上の空母”が言及されているのです。
まとめ

歴代の「防衛計画の大綱」における変化、内容は時代に合わせて大きく変化しており、今後も変化し続けるだろう。(参考:平成30年版防衛白書[e])
まとめると
「安全保障環境に根本的な変化が見られ、グレーゾーン事態やハイブリッド戦といった新しい複雑な状況に対応する必要性が高まったので、これに対応するために全自衛隊を挙げて常続監視を行う」
ということであり、その中で優先して強化すべき項目の1つが”事実上の空母”と言われるF-35Bと多用途運用護衛艦の導入なのです。
「グレーゾーン事態」「ハイブリッド戦」「領域横断(クロス・ドメイン)作戦」に「戦略的コミュニケーション」や「制空権・制海権から制脳権へ」など、聞きなれない言葉が沢山出て来て理解が追いつかない所もあるかもしれませんが、現代が「空母と言えば真珠湾攻撃」という時代とは大きく変わってしまった事がなんとなしでも感じて頂けたでしょうか?
ここまで状況が変わると「空母と言えば真珠湾攻撃」という古い認識どころか、冷戦時代の延長のような従来の防衛力の認識で"事実上の空母"などと非難しても話は噛み合いません。
このような複雑な状況では空中給油機の活用など従来の方法だけでは対応することが難しく、それが柔軟な運用が可能なF-35Bと多用途運用護衛艦「いずも」が求められている理由である と言う事が出来そうです。
次回は防衛大綱で記されているもう1つの重要な事項、各国との協力のあり方について見て行きます。
それにより残された
・F-35Bと多用途運用護衛艦という組み合わせの費用対効果はどうなのか?
・何故F-35Bを搭載する「いずも」に「多用途運用護衛艦」という長い名前を付けようとしているのか?
といった点が明らかになるでしょう。
コメント
各自調べた方がいいね
なるほど、ますます詳細を伺いたいものです。
でも、確かに正規戦の対極たるグレー戦が最新戦略と位置付けられるのですが、尖閣の「奪還」戦略はちと時代遅れなのでしょうかね??
沖縄の普天間問題がグレーゾーン化しないか心配しているのですが。
あと、大型の巡視船複数で尖閣諸島周辺海域で警戒に当たる海保の巡視船を偶然か或いは「警告を無視したので止むを得ず」という名目で文字通り衝突して沈め、その隙に海警か武警&テレビクルーがH-9で上陸ってプランもあり得るかもしれませんね…
限定戦争、全面戦争の何如を問わず、中国空母艦隊への対応として日本も空母が必要って方が全然理解しやすい
中国空母の自由な行動を牽制するってね
※3
それグレーゾーンと言わないと思うが
どの辺で海保の限界を超え、自衛隊が必要とされるかの見極めの為に常時監視していきましょうって話だと思うよ
そこで何故空母が第一義なのかって論拠が一切無くて不明だけと
毛沢東主義っていわば共産原理主義みたいなもので現在の中国共産党とは相容れない
現在の中国共産党は毛沢東に弾圧された側の系譜で毛沢東主義を排除したもの
過去にはカンボジアポルポトのような中国からの支援を受けた毛沢東原理主義があったけど、ネパールは違うと思う
教条主義的な連中の暴走のような
中国からの支援も見受けられないし
ただ、相手国の警察組織が「何か」した場合が気になりますね…
空母に関してはやはり、対艦ミサイルやSM-6の誘導か、それを行うE-2Dや対潜ヘリの護衛、艦隊に接近するミサイル発射母機の撃墜ではないかと思います。
この記事だと「必要な物を突き詰めた結果いずもとF35Bだった」と言うより「かかる事態の解決を暗にいずもとF35Bに求めている」ように見えて、順番逆じゃね?と思える
貴方のおっしゃる「空母」の理解が、いずも型改修によって得られる「事実上の空母」の実態とは異なるというのが本記事の主張なのではないでしょうか。
つまり、いずも型「空母」とは貴方の仰るように正面装備として用いられる伝統的な空母の用途(海上からの戦力投射、洋上航空優勢の確保等々)とは異なり、グレーゾーン事態への対処(海保で対処できるレベルを超えた脅威だが、海自が全面的に戦力投射するほどの脅威ではない)を目指し、より柔軟に脅威に対処するという方向性の現れだという結論として私は理解しました。
グレーゾーン事態へのいずも型による対処が具体的にどのような形を伴って実現されるのかはあまりイメージのつかないところではありますが、、、
こう、具体的にグレーゾーン事態やハイブリッド戦のどこで「事実上の空母」が活用されるのかが無いとイマイチ説得力に欠けてしまうと思うんです。グレーゾーン事態になってもいきなりいずも型が出てくるなんてあり得ます?最初は地方艦隊のDDあたりを派遣するだろうし、本命の護衛艦隊のしかも主力艦を引っ張ってくるってのは海自もしないでしょう
同じく。まず空母の導入ありきで、その上で意義やら整合性を求めてるように感じて違和感があるね。
戦闘機積まなくても、例えば無人機の中継基地とかに使うんじゃない?(適当)
米軍の空母や三沢とかの後方にいる部隊を使う大規模作戦程ではないにしても、クリミアみたいにスピード感が必要な作戦だと、平時から現場近くを巡回してグレーゾーンの初期に集中的に運用する事で拡大を防ぐって事じゃないかな。今の那覇には結局今までの防空任務の比重が凄く高いし、過密な那覇空港に部隊の大幅追加をしても効率は上がるとは限らない。そういう事を考えると空母を使えばそのまま小規模の揚陸作戦との協同歩調を取りやすいし、便利だよね。ってことなんじゃない?
1.平時:プレゼンス
「自由で開かれたインド・太平洋」戦略のための最良のツール・アイコンとなるほか、戦略的コミュニケーションを行う(本気度を見せる)の駒になる
2.小規模紛争:前線拠点
CASやCAPにあたるF-35Bの前線拠点として弾薬の再補給が行える
3.大規模紛争:シーレーン防衛
米軍部隊のアクセスを維持すべく、西太平洋に持続的に展開しながら敵部隊の展開を阻止しそのエリアでの活動を妨害する
大綱で言われている「グレーゾーン事態における空母の有用性」ってのは、上記1.のプレゼンス、および2.の前線拠点として役立つってことなんでしょうな
ちなみに3.の「シーレーン防衛での空母の有用性」については、いずも空母化の目的に「太平洋側の防空体制の強化」が挙げられていたことから明らかだろう
こうして見ると、空母は一部の反対論者の主張に反して、脅威のあらゆる段階において役立つ大変コスパのいい選択肢だといえるかもしれん
無人機じゃなくてもF35の燃料弾薬補充にも使えるね。
任意の場所に空港を置ける。
と云うだけでも利点が多いかと。
対抗措置として中国側も軍艦を出す、というか出すしかない
エスカレートしてしまうので中国も海警だけなわけで
日本からエスカレートさせるわけにはいかんよ
日本が悪者になる
海自艦艇も後方に控えてるだろうが、どのくらい後方なのかなあ
この辺の国際法というか慣例ありそうだけど
グレーゾーン事態に成る前の平時のプレゼンスで定期的な親善航海に重きを置くのかもしれないな
グレーゾーン化してもバックに存在するってだけで違って来るだろうし
分厚い偵察、情報収集と広義の電子戦
そして言わずもがなの威圧じゃ無いのかな
※2
<確かに正規戦の対極たるグレー戦が最新戦略と位置付けられるのですが、尖閣の「奪還」戦略はちと時代遅れなのでしょうかね??
グレーゾーン事態は『より重大な事態へと急速に発展していくリスク』を持っているので、相変わらず離島争奪戦含めた大規模衝突に対する警戒も必要かと思います。
ただより優先度の高い脅威としてグレーゾーン事態やハイブリッド戦への対応が求められており、その点をまず整えないと事後の戦いにも大きな影響を与えるのでは無いか? というのは個人的な感想です。
クリミアでもロシアに初動で主導権を取られてしまい、事後の「奪還」戦略どころで無くなってしまいました。
日本もこうならないようにする戦略・装備が求められているのでは無いかと感じています。
※4
<非常に初歩的な質問で恐縮ですが、単に武装した「民間人」なら最初は海保が逮捕or正当防衛射撃、その後治安出動という訳には行かないのですか?
尖閣諸島の状況だともしも海保が正当防衛射撃をしたら、それに対して中国海警船が”自国民保護”のために76ミリ砲がぶっ放される恐れがあり、そうすると加速度的に事態がエスカレートする可能性があります。
さらに今の時代だとすぐにフェイクニュース的なので「日本の公船により市民が攻撃された!」的な情報が溢れてしまいます。
そこら辺うまく対応するには海保、自衛隊、政府の連携が不可欠で、今回の防衛大綱はそこら辺を結構力を入れているんじゃ無いかと感じています。
※5
<全面戦争以外の自体を想定していないという意味で最新の軍事脅威から見ればいささか硬直した思考という事ですね。
その点今回強く思いましたので、「空母=全面戦争じゃ無いんだぞ」ってところを強調したくて「空母と言えば真珠湾攻撃?」って所から話を始めたのですが・・・
記事を書くのは難しいです(´・ω・`)
<全面戦争以外で空母が必須かという論もあるけどね
台湾海峡危機の時の米空母の使い方とか全面戦争以外での空母の使い方 って感じがありますね。
現代国際社会ではむしろ空母は砲艦外交の手段としての価値の方があるのじゃ無いかと思っています。
※7
<そこで何故空母が第一義なのかって論拠が一切無くて不明だけと
そこら辺の常時監視の維持にまず「常続監視を広域にわたって実施する態勢を強化」する必要があり、その手段の1つがF-35Bの導入といわゆる「いずも」の空母化で、空母が第一義ってよりもアレコレやるのに便利だからついでに空母も って感じました。
当然「いずも」にF-35Bを載せなくても出来る事ではありますが、選択肢の1つとしては総合的に見て十分妥当性のあるものだとも思いました。
※9
<今回の防衛大綱では宇宙・サイバー・電子戦関係がそれらの新しい紛争対策への目玉だと思ってたのですが
自分も目玉は新しい紛争対策だと思いますし、その点への注目が低すぎるのも今回の記事を書いた動機の1つであります。
ただそういった複雑で新しい事態が進んでいるからこそ、従来の方法だけでは足らず、単なる”事実上の空母保有”じゃ説明できない「いずも」の多用途運用護衛艦への改修が求められているのだ、と そう思って記事を書きました。
※21
<グレーゾーン事態で空母派遣できないんじゃないかね 対抗措置として中国側も軍艦を出す、というか出すしかない
中国軍の空母が今後定期的に太平洋に進出するようになると当然尖閣諸島などの係争地の近くを航行する可能性が高くなるので、どのみち日本側も何らかの対抗兵力を出さなくてはならないと思いますね。
また「ハイブリッド戦」のような計画的な動きを考えた時には何時間、何分で相手の戦力が投入されるかは死活的に重要な要素なので、その点で「いずも」とF-35Bの存在は無視できないとも感じています。
<グレーゾーン事態になぜ「事実上の空母」が有効か、の部分が抜けてるからまだ何とも言えないかな
※12
<グレーゾーン事態へのいずも型による対処が具体的にどのような形を伴って実現されるのかはあまりイメージのつかないところではありますが、、、
※13
<こう、具体的にグレーゾーン事態やハイブリッド戦のどこで「事実上の空母」が活用されるのかが無いとイマイチ説得力に欠けてしまうと思うんです
う〜ん、確かにそこらへんのイメージがうまく出来ないのが議論がこじれる一因だと感じています。
第五回ぐらいでそこら辺例示しながら記事を書けたらな〜 とか思っています。 まぁまだ記事は出来てないのですが(汗
※17
<平時から現場近くを巡回してグレーゾーンの初期に集中的に運用する事で拡大を防ぐって事じゃないかな。
そうです、グレーゾーン事態の初期段階では事態がどう進むか不確定要素が多いので、主導権を握るためにはオンタイムで戦力を投射できる空母的なのが重要だと感じています。
沢山のコメントに丁寧に返信して頂いてありがとうございます。
個人的にグレーゾーンやハイブリッド戦における空母の役割とは最後に誤字さんが述べてるように投射能力に尽きるのかなと思います。
クリミア危機だとグレーゾーンの段階でロシア軍が大挙して動員をかけ国境ぞいで演習をしてウクライナ軍や他国の軍隊の進出を遅らせてたと思います。『軍事大国、ロシア』では究極のハイブリッド戦略は軍隊を直接戦地で使わずに勝利する事としているので、短期間に相手の軍隊が攻めるスキを作らないレベルで国境と問題地域のところに部隊を置き、相手が動けない状況を作り出して自分たちの目標を達成するって事ではないでしょうか?
それを阻止するには動けなくなる前に我の部隊をこちらが投射し、相手が先手を取る事を防ぎ、逆に相手が動きを動員で潰す事なのではないでしょうか?その目的を達成するためには陸上空港にももちろんキャパシティに限界はありますし、係争中から相手の方に侵攻(睨みを効かせる)するためには陸上基地からは少し遠い。それに部隊の密度を上げられるだけ上げた方が相手が攻める難易度は上がる。(より大きな部隊【空母】が来るまで相手は動けなくなる)そういう事に対してプラスに寄与するのが今回のいずも型護衛艦なのではないでしょうか?
"ハイブリッド戦"とは「軍事・非軍事問わず正規軍を使わない戦い」
って事でしょ?。
戦前の日本もやってたし戦前戦後問わず世界中でやられていた事。
ただ分からないのが有史以来世界中で行われてきたこれらが何故今になってわざわざ新語を造る必要があるのか。
あるいはまだ言葉遊びをしないとえらい叩かれる程度に"敵"が多いのかな。
一方で言葉遊びが逆に理解を妨げる要因にもなっていると思うけど。
ヘリ空母を知らない人が多いのだろうか。
今は「事実上の空母」の話をしてるんであってヘリ空母の話なんて誰もしてないよ
ヘリ空母も"普通の空母"のひとつでは無いか?。
そもそも"事実上の空母"というレッテルがおかしい。
事実上もなにも航空機運用を前提に設計した艦なのだから最初から空母のカテゴリーに内包される"ヘリ空母"だしそれにF-35Bを運用するかもというそれだけの話だと思うんだが。
軽空母もヘリ空母も護衛空母も立派な空母だろ、というのはある程度ちゃんとものを知ってる人の論であってですね
そこまで言わんとわからんか
F-35の固定の搭載運用部隊を持たないなら"ヘリ空母"
固定の搭載運用部隊を持つならその時に"軽空母"で良いんじゃないかな。
"事実上の空母"とか新語を使わずにただ"F-35の運用能力付加"とストレートに表現すれば要らぬ憶測や誤解を招かずに済むと思うの。
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