日本に足りない軍事力 (青春新書INTELLIGENCE)

江畑謙介氏の著書に見る、自衛隊の未来像とは

文:ミラー 
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 昨今、自衛隊では護衛艦「いずも」への航空機運用能力付与や、陸上自衛隊の水陸両用戦能力強化と重装備削減、航空自衛隊の長距離投射能力強化が行われつつあります。
 実はこれらの動きを2001年から2008年にかけて何度も著書に記してきた専門家が日本にはいます。

 卓越した専門的見解により日本の防衛を指摘してきた江畑謙介先生です。
 惜しくも2009年に病による呼吸不全で亡くなられてしまいましたが、その書き記してこられた安全保障に関する世界図は今まさに現実となりつつあります。
 中国が空母を保有し、日本が世界へのプレゼンス能力を求められるなか、国家安全保障会議(NCS)が行おうとしている自衛隊の改革は、彼の著書に多くのヒントが含まれます。

 今回は、陸海空に分けて江畑氏が指摘してきた問題と、新しい防衛大綱との関連性をみていきます。

軍事とロジスティクス
江畑 謙介
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1、海上自衛隊に於ける改革

 昨今、韓国海軍によるレーダー照射事件などで話題の海上自衛隊は、新しい時代へ向けて装備面の改革が注目されています。
 特に大きな変革として、ヘリ搭載型護衛艦の「いずも」への固定翼戦闘機搭載が検討される事でしょう。
 おそらくはF-35B垂直離着陸戦闘機を搭載可能とすることで決定と言えますが、これは政府からの発表もあるように、航空自衛隊の所属として、離島などに展開すると共に、護衛艦を中継拠点として航空戦力の離島等への遠隔地への投射を実現するとしています。

 なぜその必要があるかは、航空自衛隊の項目で解説するとして、空母として運用可能な艦艇を保有することになったのか、江畑氏の著書からひも解いてみます。

 江畑氏は晩年に書かれた著書「日本の防衛」や「日本に足りない軍事力」にて多目的艦が日本には必要と主張してきました。

その理由は大きく分けて以下の二つになります。

1、災害派遣・人道支援に於ける洋上活動拠点。
2、国際環境下でのパワープロジェクション能力の確立。

 特に、今回の場合は後者の役割を大きく着目される点です。
 江畑氏は日本には国際的なパワープロジェクションを行う能力が不足しており、冷戦以後の世界にて日本の国際的地位確立は必須と考えていました。

 その為には、補給艦の増強や空中給油機の増勢といった展開能力の強化が必要です。
 しかし、彼は兵站面の強化だけでは周辺諸国の理解による前方展開基地が必要となり不十分と考えていました。

 理由としては、中国の南沙諸島に於ける強引な権益確保を思い出していただくと分かり易いと思います。
 つまり、日本自らが独力で展開する能力をある程度もたなければ、周辺諸国の同意を得ることが難しいと考えたのです。
 その展開戦力には話題となっている航空戦力だけでなく、後程説明する陸上自衛隊の水陸両用戦力も含まれています。

 江畑氏が主張しているのは、空母ではなくて多用途に用いられる揚陸母艦といった方がよいでしょう。
 改修予定の「いずも」型には、ヘリ同時離発着運用能力のほかに、車両運搬能力と医療設備などの大規模災害対処能力を有しており、航空戦力の運用能力も身に着ければ理想的なパワープロジェクション能力を保有すると考えられます。

 但し、本格的な航空作戦を行う為には、英国のクイーンエリザベス級なみの大型艦になる必要があると指摘しており、あくまで周辺諸国と連携した遠隔地への影響力拡充の為の装備と考えています。

 航空機の所属に関しても海空軍の区分を気にするより、陸上基地などからも運用可能であるという柔軟性に則り、自由にすべきと言っているのも、F-35Bの空自配属を示唆するものでした。

 何故、空自だけでは達成出来ないのかは、先に書いた周辺諸国の同意というポイントがありますが、得られる場合や国内で利用可能な拠点がある場合の対策は後述します。

 海自単独で言うならば、災害時などにも活躍している機動施設隊という部隊があります。
 彼らの有事における任務は、被害を受けた航空基地の機能回復です。

 しかし、彼らが如何に能力を持っていても、展開先の協力が得られなかったり、敵が自由な頻度で攻撃可能な範囲に基地を設営するといった作業はとても出来ないでしょう。

 もし、それを可能にするならば政治的な折衝に加え、施設隊を護衛する地上部隊と、彼らに補給を行う海上部隊の二つが必要となり、条件が厳しくなるのは明白だからです。

 また、近海に於ける出来事に関してどのような視点を持っていたのでしょうか。
 これに関しては、不審船対策問題と汎用護衛艦の大型化・高額化という問題に対して、比較的廉価で非対称戦に適応可能な艦艇の確保を検討すべきと考えていました。
 現在のFFM(多機能護衛艦)計画はこれに合致するといえます。(廉価であることや、不審船対策のリモート火器の搭載等)
 一方で、海自が専門の掃海部隊を保有していたことを高く評価しており、海運に依存する日本が機雷による海路閉鎖に対して強い危機感を持って当たる事は良いこととしていました。(技術的な進歩のなさも指摘してますが)
 今回のFFMは掃海艦艇の後継となる事も考えられており、ここは予測から離れていくのではないかと考えられます。

 また、江畑氏は海自の遠方展開能力向上の為に、補給艦増勢が必要とされていました。
 現在、比較的小型の給油艦が新たに配備される予定になっていますが、これは緊張が高まる南西諸島方面に艦艇を長期展開可能にする為の処置と考えられます。
 同時に、従来の大型補給艦は自由に行動が出来るようになったともいえるので、江畑氏の主張は間接的に達成されると考えられます。

 ここまで見ていくと江畑氏の見解はおおよそ現状の展開を予見していたと考えられます。
 それどころか、潜水艦に関してTwitter上にて世界の艦船に記載された記事を紹介して、「日本のそうりゅう型潜水艦が探知される傾向があるという噂がある」と書かれただけで批判を受けた事例があるが、江畑氏は著書で過去の似た事例を引き出し「自国の技術を自画自賛しがちになるのは気を付けなければならない」と書いていたのは、個人的に特筆すべきポイントだと考えています。
 10年前に書かれた戒めが現在も活かされていないととれるからです。


2、陸上自衛隊に於ける改革

 陸上自衛隊に関しては、特に江畑氏も改革が必要と考えていた項目になると著書を読んでいると感じます。
 特に離島防衛に関しては幾度も著書で取り上げており、陸上自衛隊の揚陸展開能力の必要性が伺えます。

 ただ、現在と違うのは重視されているのが敵前揚陸能力ではなく、ヘリなどを用いた展開能力だと伺える点です。
 もちろん、揚陸艦艇も人道支援・災害対処任務の為に必要としており、重装備の輸送を軽視しているわけではありません。

 重装備に関しては、軽量で空輸可能なものを配備すべきとしていますが、これは運用上自然なことでしょう。
  例えば、155mmりゅう弾砲に関しては、装輪式を含む自走化が進む一方で同口径の軽量型の配備を進めるべきとしてきました。

 技術研究本部では軽量型の試作火砲が開発されると共に、かつての105mmりゅう弾砲より高性能な120mm重迫撃砲の配備が進んでいる事は評価すべきポイントです。
 ただ、通常の普通科部隊なども重迫撃砲の火力に依存し、方面単位での重砲火力が大きく減っている事も考慮する必要があります。

 そして離島防衛能力の強化に伴う展開能力向上は、前述のパワープロダクション能力にも繋がっていきます。
折しも、10年前は自衛隊のイラク派遣が終わり、教訓として自衛官の生命保護の少なさを江畑氏は指摘すると共に、重装備の展開能力不足を批判していました。

 もし自衛隊が充分な装備を運んで抑止力を発揮できる状態にあるならば、より大きな役割をイラクで果たせたのではないかということです。

 結果的に部隊が地元住民と協同関係を築き上げるというソフト面の対策がうまくいったから良かったものの、もしもがあったらどうしたのかという批判は最もだと思います。

 同時に他国の部隊に守られながら活動していたという側面もあり、江畑氏が主張されることが現在も課題として残っていると感じる次第です。

 一方で、本土防衛に関しては着上陸対処より市街地戦を重視すべきとしています。
 これも実際に上陸が起こる環境下で重装備が大量に生き残れるとは思えないという現実的な問題に生起しています。

 そこでは重装備が軽視されている訳ではなく、市街地戦を制する為には主力戦車や重装甲な戦闘車両が必要というイラク戦争などの戦訓を踏まえているのが江畑氏らしい批評です。

 ただ、人口問題による部隊数の不足や部隊の機動による反攻作戦の実施といった点に関しては、現在防衛大綱で定められている統合的動的防衛力は江畑氏より進んだものだと考えられます。
 少ない部隊を機動させ、「虎の子」となる重装備部隊を温存すると共に、反攻時の重大局面で投入できるようにしようという考え方は、今後の陸自の在り方に影響を深く及ぼしていくと考えています。

 特に野戦能力の再確保は中国軍の進歩やPKOなどの海外派遣増加に伴い必要性を高めていることもあり、一時期市街地戦一辺倒だった時期から脱却した事は江畑氏の想定を超えた発達としても良いのではと思います。

 では、より細かい点をみていきましょう。
 度々自分が問題視する戦闘ヘリの問題です。

 江畑氏は陸自に関しても人道支援や災害派遣の重要性を忘れてはいません。
 ヘリに関しては特に厳しい目線を当てており、戦闘ヘリが戦場で生き残る為に現在の高性能・高価格なものになっているという現実も認めつつ、日本の国情に合わせて汎用的に使用可能なものを採用すべきと主張をしています。

 つまりは、平時は武装を取り外して物資輸送を行い、有事には重火器を装備して戦うUH-60の武装型などを推薦しているわけです。(一方でAH-1Zでよかったのではという記述も残っています。)

 現在、AH-Xはまだまだ策定中であり、どうなるか分かりませんが、江畑氏の言われる平時の利用も無視できるものではありません。

 ただ、これを言い始めると戦車や火砲といった戦闘に特化した装備は存在価値があやふやになっていくので、程度の問題と考えるところでもあります。

 江畑氏がなぜ、戦場での生存性が下がっても武装ヘリでもよいと考えるべきと主張したかというと、航空機がそもそも脆弱な存在であるという前提があるように見受けられます。

 そこで非対称戦用としてUAVを推薦しているのですが、これは将来的に電子戦が苛烈になっていくなかで、個人的には不安が残る選択と思っています。

 陸上自衛隊の中でも一番の躍進は、陸上総隊の創設による組織改編でした。
 これは江畑氏の著書でも指摘が少ない箇所でしたが、その理由はここまで大きな変革が起こるとは思えなかったとうこともあるかもしれません。

 この改善により陸上自衛隊も航空総隊を持つ空自や自衛艦隊司令部を持つ海自と同じ、各所を統括する司令部を持ち、統合的な調整や作戦展開が出来るようになったのは非常に大きいです。

 もう一つ陸自には大きな変化がありました。
 江畑氏も何度か取り上げて重視していた弾道ミサイル防衛への参入です。

 イージス・アショアの陸上自衛隊への配備による、弾道ミサイル防衛は陸自の立ち位置を高めることになったのは間違いないでしょう。

 また、島嶼部への長距離打撃能力となる高速滑空飛翔体や地対艦ミサイル連隊の海自部隊とのリンク機能確保といった長距離打撃能力の拡充や火力誘導員の養成といった項目も江畑氏は指摘していたものでしたが、達成しつつあります。

 長距離打撃能力は当時議論されていた敵地攻撃能力でも重要な要素であり、今回島嶼防衛時の支援火力の確立として、またA2AD戦略の実行能力確保という形で実現しつつあるでしょう


3、航空自衛隊に於ける改革

 航空自衛隊は、近年最も理想的な変革を遂げつつある組織と言えます。
 江畑氏が指摘していた項目に関して最も期待以上の成果を出しているからです。
 これは一重に米軍の影響を直接受けやすい組織の歴史もあると思います。

江畑氏が取り上げて実現したの下記の要素です。

1、長距離打撃能力・対地精密攻撃能力の確保(JASSM導入検討等)
2、早期警戒機の増強(E-2D導入と増強)
3、空中給油機の増強と輸送等への柔軟な運用(KC-46A調達)
4、的確な戦闘機の選定(F-35A・B導入)
5、無人偵察機の導入(RQ-4B導入)

 この中で大きく変化したのは、対地精密攻撃能力でしょう。
 誘導爆弾であるJDAMの導入から一気に長距離対地誘導ミサイルの選定に入るとは誰が10年前に思っていたでしょうか。

 そして、江畑氏の予想を超える成果として戦闘機にF-35AとBを導入する事になった点があげられます。
 当初はF-22しか選択にないと言ってはいたものの、現実的な選択としてF/A-18Fもいいのではと江畑氏は考えていました。

 一方で上記のパワープロダクションや離島などの小規模空港の利用を可能とするために、F-35Bも視野に含めていたのです。
 そして、空自は我慢の末にF-35Aを習得し、世界でも有数の能力を持つステルス戦闘機を運用する能力を入手すると共に、B型の導入も進む事となりました。

 一番のメリットはMRO&U(Maintenance Repair Overhaul and Upgrade)という国際整備拠点を日本国内に勧誘し、段階的なアップグレードや高度な整備を可能とした点です。

 これにより、ネットワークを介した国際的な整備流通網とシステムの導入も行うこととなり、空自の兵站能力が飛躍的に向上することになりました。
 江畑氏もここまで進歩するとは考えていなかったでしょう。

 そして空中給油機と早期警戒機の増強が垂直離着陸が可能なF-35Bと加わる事により、先に挙げていたパワープロダクション能力にて周辺諸国の協力が得られる場合や、離島防衛に使える地方空港などへ展開するケースがより柔軟に行えるようになりました。

 まず、長距離へ航空戦力を派遣するには、遠方へと戦闘機を飛翔させる必要がありますが、単独では外部燃料タンクを満載しないと飛べない距離まで展開するのは、戦闘が想定されるなかでは難しいでしょう。

 そこで、空中給油機を用いて遠方へと武装した状態の戦闘機を飛ばすことが出来ます。
 加えて空中給油機の輸送スペースを活用して基地運営要員を運べば、C-2輸送機などに資材を満載して地方空港などへ展開させることも可能です。

 空中給油機は遠隔地に於ける空中哨戒の時間延長にも貢献します。
 F-35Bはこれらの支援を受けながら、通常の戦闘機では運用が難しい小規模な空港へも展開する可能性があります。

 ただ、本来の空自基地と比較して整備面の不安があります。加えて前線に近すぎるが故に、退避する必要性が発生する可能性もあります。(小さい空港には隠れる場所も確保しづらい)

 そこで、「いずも」を改装した多目的運用母艦に収容させ、整備支援を受けたり一次的避難や中継に用いられる事が想定されています。
 陸上基地と連接して一度に出撃可能な作戦機を増やすために艦上から出撃する事もあるでしょう。

 一度に投入可能な作戦機の数は多いほど良いですし、空中給油が前提の長距離進出・哨戒はパイロットにかかる負担も大きく、近くに着艦可能な母艦が存在するのはメリットになります。

 ここからは江畑氏の著書から少し離れてしまいますが、中国軍も80年代の台湾侵攻プランの模索をする中で、台湾を東側から圧迫し、第一・二列島線まで進出する米軍来援に対する牽制として空母を配備する計画を打ち立て、現代の空母保有へと繋がる流れがあります。

 これは中国沿岸地域に展開する作戦機だけでは、台湾上空の航空優勢を維持し、航空支援を絶え間なく送ることが難しいという点からも来ています。

 同じ問題は日本の南西諸島問題にも言えることで、九州方面の航空戦力は必要な時に南西諸島上空に居られない可能性があるのです。

 例えば、中国空軍機が九州方面へ牽制を行ったり、数の優勢を用いて攻撃隊を二波に分けて南西諸島へ進出させた場合、日本側は一時的に九州からの空自部隊来援で対抗できても、ひとたび交戦すれば次の作戦機は帰還時の奇襲攻撃を受けるリスクを冒して沖縄の那覇基地へ降ろして補給するか、九州まで帰還させる必要があります。

 その間隙を突かれて中国空軍第二波が飛来したり、中国海軍空母の航空隊が飛来すれば航空優勢はたちまち奪取されてしまいます。

 それに対して、日本側は事前に数波の航空隊を用意して、逐次空中給油機の支援を受けながら飛ばすことも可能ですが、それは南西諸島到達までに空中を飛び続ける事となり、中国側にどれだけの戦力があるのか察知されやすくなるという事でもあります。

 離島の小規模空港や海上を遊弋する多目的運用母艦にF-35Bが展開すれば攻撃を受けるリスクを分散させつつ、進出距離と時間を短くして対処する事が出来るようになるのです。

また、南西諸島へ展開可能な基地や空港が絞られるなかで、沖縄以東の海域に戦闘機の運用拠点を作れるというメリットもあります。

 早期警戒機も新たに配備されるE-2DにCEC(共同交戦能力)が付加されることが決まっており、海自の新型イージス艦「まや」型との連携した防空支援が見込まれます。
 無人偵察機の導入も進む予定で、これにより長時間・長距離の監視偵察能力の確保が出来る事は、陸海空の統合作戦能力向上へ大きな進歩をもたらすでしょう。

 航空自衛隊は、最も戦力の統合化という目標へ向けて進んでいる組織で、今後も先進技術導入へと動きを加速させていくと考えられます。


4、宇宙・サイバー戦に於ける改革

 最後に、江畑氏も気にしていた宇宙・サイバー戦能力に関してみてみます。
 2018年に自衛隊はこの分野で大きな動きを見せました。

 一つはサイバー戦部隊の創設、陸自電子戦部隊の増強。
 もう一つは情報収集衛星の活用と準天頂衛星システム「みちびき」による測位能力増強、そして宇宙部隊の創設検討です。

 前者に関しては、2018年の富士総合火力演習でも示されたように、現代戦に於いて電子戦による通信妨害やC4IRSの不通は致命的な事に繋がる為、早急に増強が進められている分野です。

 加えて、中国側は三戦思想に基づく世論・心理・法規への攻撃をインターネットなどを介して、直接市民生活や国家機関へ行う可能性がある為、それらに対応するサイバー防衛隊の新設も進められます。

 これらは江畑氏が指摘していた懸念事項への回答になるでしょう。
 サイバー戦に関しては日米安全保障条約第5条の適用対象とすることも検討されており、より注目される分野となりそうです。(共同通信社「サイバー攻撃に日米安保5条適用明文化検討」2019/1/4 19:22
https://this.kiji.is/453866281931539553

 後者に関しては、新たに検討される宇宙部隊の任務として不審な衛星を監視したりスペースデブリから自国の衛星を守る事が検討されているといいます。

 しかし、より重要な内容として情報収集衛星の画像・レーダー情報解析を内閣府の内閣情報会議に所属する分析チームだけでなく、彼らも分析に加わるのではないかと考えられます。

 これは江畑氏が気にしていた偵察衛星情報の活用へと繋がるとともに、多くのマンパワーを割くことで、衛星の情報をより詳細・迅速に活用し、災害対策などでも大きな成果を上げられると考えられます。

 「みちびき」による測位能力強化も、江畑氏が懸念していたGPSに頼り切りだった状況を打開する方法として、自衛隊の作戦能力向上に寄与すると共に、宇宙部隊が能力の維持向上を行っていくと考えられます。

 さて、ここまで駆け足で書いてしまったので説明不足の項目もあるでしょう。
 コメント欄で随時回答もできればと思いますので、何卒お願いいたします。

 また、この場をお借りして管理人様へ感謝のお礼を述べさせて頂きます。
 今年も皆さまに良い年となりますように!


参考文献

人民解放軍―党と国家戦略を支える230万人の実力 竹内純一
日本に足りない軍事力 江畑謙介
日本の防衛戦略 自衛隊の新たな任務と装備 江畑謙介
日本の軍事システム 江畑謙介
武力戦の諸相 佐久間一
図説自衛隊の有事作戦と新兵器 河津幸英
図説自衛隊の国土防衛力 河津幸英
航空自衛隊「装備」のすべて 赤塚 聡
陸上自衛隊「装備」のすべて 毒島 刀也
海上自衛隊「装備」のすべて 毒島 刀也

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