2018年横田基地一般公開見学レポート
文・写真:海猫
今回は時を前後して2018年9月15日から16日にわたり開催された横田基地フレンドシップデイの16日のもようをレポートします。
今回も画像は大きめですがご了承ください。
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舞台となる横田飛行場は1940年に立川陸軍飛行場の付属施設として当時は”多摩陸軍飛行場”として開設され、主に航空装備の試験・審査を行っていました。
大戦末期は臨時の防空飛行部隊が編成され首都防空の一端を担っていましたが終戦にともないアメリカ軍が進駐し、以後大型機を運用する補給拠点として活動を続けています。
2007年から座間より国連軍後方司令部が移駐され、8カ国の駐在武官が3ヶ月に1度合同会議が行われているほか
2012年からは府中より航空自衛隊の航空総隊司令部とその関連組織及び航空自衛隊との救難情報の連携を目的とした海上自衛隊の”航空救難情報中枢”と海上自衛隊の救難連絡員が移駐し、現在では国際的にも欠かせない重要な軍事拠点のひとつにもなっています。
今回はその”横田飛行場”において開催された2018年横田基地フレンドシップデイのもようをお伝えします。
天候は曇りのち雨の予報でしたが昼から晴れてきた為真夏日とはいかないまでも暑い一日となりました。
展示エリアはゲートから繋がるエプロンのうち幅約100m奥行き約1000m超の範囲で催されました。
まずは3機の輸送機を紹介します。
当日はC-5・C-17・C-2の3機種が展示されていたので機体内部含めて各部の差異を直接見比べられる絶好の機会だったのではないでしょうか。
最初は合衆国空軍のC-5Mから。
C-5MはエンジンをGE CF6-80C2へ換装し離陸性能と上昇性能の向上と静音性・整備性・稼働率の向上を実現しています。
ちなみに搭載量122tなのでM1A2を2両もしくはUH-60ないしAH-64を6機、あるいはおそらくザク1機を輸送できます。
続いてC-17
ちなみに世界では合衆国含む7カ国とNATOでシェアして運用していますが
中でもオーストラリアでは2011年当時運用可能な3機全てを東日本大震災の人道支援に投入していました。
その後同年中に追加発注し現在では8機を運用しています。
ジェット輸送機最後となるのが航空自衛隊のC-2。
愛称はBlue Whale、”蒼い鯨”もしくは”シロナガスクジラ”。
最近では北海道地震の輸送支援において活動しました。
以上がばるんばるんでセクシーボディ(意味深)なジェット輸送機チームであります。
それぞれ一長一短ありますが個々の差異やそれぞれの魅力を見比べられたかと思います。
ちなみに私はC-2が好きであります。小さくまとまった機能美を凝縮したようなむっちりボディは言うなればまさしくセクシーなロリ巨ny(ry
C-130は輸送仕様と特殊戦仕様です
特殊戦仕様はMC-130H。
敵性地域での活動を主任務とする機体です。
合衆国海軍のP-8で去年に続いての参加です。
続いてRQ-4も展示されていました。
ちなみにこちらは去年のもよう。
去年は横田基地初公開という事もあり話題になりました。
おまわりさんの警備もついていました。
KC-10
元の機体のDC-10は一部ではフラグ扱いの有名機体ですがフェデックス705便では輸送機らしかぬ頑丈性を発揮しました。
合衆国空軍のKC-135
B-707より先に就役した機種でC-130と並び古参ですが後継のKC-46の調達が細々となってしまったため今後更に40年運用する計画があるもよう....。
40年後の空軍ってどうなっているのでしょうか.....。例えばエースコンバット3の世界観にポツンとKC-135というのもなかなかシュールな光景ですが何が飛んでる世界になっているのでしょうかね。
航空自衛隊のKC-767も展示されました。
同じく航空自衛隊からはC-130Hの参加です。
イラク派遣の頃から水色塗装が増えましたが個人的にはヨーロピアン1迷彩のほうが精悍さが際立って好きです。
ちなみに機内に簡易トイレがありますがリポーターの安藤優子=サンが使わせて貰った事があるらしいです。
今回はここでいったん区切り、次回からはヘリコプターと小型機をメインに紹介していきます。
「○○○予告!横田空域と燃料輸送について予習しよう!(?)」
という事で前回に続き豆知識を
・横田空域
横田空域とは正確には”横田進入管制区”と呼ばれ、東京都中野区近辺から静岡県中部に渡り高度7000m以下を飛ぶ航空機はアメリカ空軍航空管制官の指示を受けなければならないというものです。
横田RAPCON(Radar Approach Control)とも呼ばれるこの空域では在日アメリカ軍との事前協議で飛行計画経路を調整する必要があるため民間航空では多くの場合ここを避けるルートで近隣空港にアクセスします。
(計器飛行が義務化されていなかった時代、平たく言えばまだ空が”広く”どこへどう飛んでも怒られなかった時代は有視界飛行でこのエリアを突っ切ってチャイナクリッパーよろしく熾烈な競争があったというメーデー民が聞いたら唖然としそうなエピソードがあったようです。)
1992年から順次少しずつ返還されていますが例えば箱根周辺は富士山や山脈の乱気流の影響でいずれにせよ迂回する必要があったり
空域一部返還後は増加した羽田発着便を避けるために空軍機が低空飛行を余儀なくされるために騒音が増える弊害もある一方で空域の一部返還により約180億円前後の経済効果が見込まれているとか。
・燃料輸送
米軍鶴見貯油施設からJR武蔵野貨物線・南武線・青梅線経由で基地に輸送される貨物列車で1日1往復運行されており、例えば八王子駅ではかっこいいイケメン機関車(ここ重要)のEH200と共に見ることが出来ます。
ちなみに1967年8月に新宿駅構内で”米軍燃料輸送列車事故”と呼ばれる車両火災事故があり、立川行き燃料を満載して出発した直後の燃料輸送列車に川崎行き貨物列車が信号冒進し突っ込んだ結果新宿駅で現場から300mの範囲にわたり約72tの燃料が爆発炎上するという今の新宿駅からはちょっと想像しかねる大規模火災が発生しました。
この前年に自動列車停止装置が運用開始されていたのですが実際は警報が鳴ってから5秒以内に確認ボタンを押すと乗務員が確認したものとしてアラームがリセットされるものですぐに停止操作しなければならないところをうっかり操作が遅れてしまった為に衝突してしまったのが原因らしいです。
この後から自動列車停止装置には確認ボタンを押した後は注意喚起機能が追加されるようになりました。(「ジリリリリリ.キンコンキンコンキンコンキンコン」と鳴るアレです。)
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コメント
C-2の空挺降下用ウィンドディフレクターの取り付け部ってあんな風になってるんですね~。
思ったよりごつい作りでビックリです。
バインバインな爆乳アメリカンガールも素晴らしいものですが、高亜音速におけるエリアルールを考慮した微妙な胴体ラインが清楚な色気を漂わせるC-2も気配り上手な大和撫子らしくて大変結構だと思います。
大きな画像でナイスバディをたっぷりと堪能でき、眼福でございました(感謝)。
近隣県なのに大山開山1300年だとは知らなんだ(反省)。
KC10は戦略輸送の中核でほぼ本国にしか配備されていないレアと言えばレアな機体
何か部隊展開でもあったのやら
うーん
エリアルールというならC2の機首はもっと太く大きくなければならないし(P1との共用化の影響か?)、スポンソンもでかすぎると思うんだよねー
機体中央部の断面積がいきなり大きくなっていて一体どういう事なのか…
世界最強を誇るアメリカ軍もこれらの各種輸送機に支えられてこそその真価を発揮できるのでしょう、豊富なラインナップは羨ましい限りです。
横田基地を空から眺めると人口密集地に取り囲まれた空港といった感じで万が一を考えると空恐ろしくなります。普天間基地と同様に、いや経済効果を考えるとそれ以上に速やかに日本へ返還してもらいたいものです。
小生C-2のように適度にまとまっている方が好みでござるが、C-5みたいなデッカイのに前をドドンと開け放しにされると流石にドギマギするものがありますw
実際C-5のような西側最大級の輸送機を見学できる機会なんて滅多に無いので羨ましい限り、他にも多種多様な輸送機がそろい踏みで、米国の圧倒的な輸送能力・世界規模の展開能力を感じさせられる展示。
同じく米軍基地の一般公開である岩国フレンドシップデーでは海兵隊と海軍の航空団が配備されているせいで
「あっちを向いてもホーネット、こっちを向いてもホーネット」
と見事に蜂の巣になっていたので、同じ米軍の一般公開でも違いを思い出しながら見るとなおさら面白いものがありました♪
<横田空域と燃料輸送について予習しよう!
横田空域、全部が返還されても自然地形や米軍・自衛隊の飛行機が随時利用する以上は、騒音や航路制限の問題は簡単には解決出来なさそうなのね(´・ω・`)
岩国基地は沖合にガッツリ移設させて対応したけど、街中の横田じゃそういうのは難しい。
騒音や航路的に問題ない適地に移転させるのが理想ではあるが、それで「はい、そうですね」なんて簡単に話が進まないのが難しいところですな〜
しかし横田基地への燃料輸送、線路が基地の中心部まで伸びていて興味深い。
昔は各地の基地にこういう路線があったみたいで、調べたら面白そうやな〜
現在相模原陸上装備研究所の一般公開見学レポートを投稿中であります。
また来週には危機管理産業展があり、去年に引き続き遠くないうちに見学レポートを投稿したいと思います。
補足
厳密にはメールに添付用にアップロード中であります。
ついあれもこれもと追加したくなるので内容が濃くなる分データ量も50MBから1GBくらい行ってしまうのです...。
貨物室の容積確保の為ではないかと思われ
楽しく拝見しました。次のレポートも楽しみにしております。
イロイロと精力的に活動されていますが、海猫さんはミリオタであると同時に鉄チャンの「両生類」なんですね。
やむを得ず信号閉塞区間に進入するときは、徐行(確か時速5km以下)しなければならなかったような記憶が。
ヒューマンエラーはおそろしい。
個人的には※8さんの書いた通りC-2の胴体形状はエリアルールよりも貨物室の容積確保を優先したように思えます。
輸送機の場合は機体を貫通する主翼の部分が貨物スペースにはみ出してしまう事が多く、実際C-17は主翼構造物のおかげで貨物室前半分の高さが低くなってしまっています(記事中のC-17の写真5〜10枚目あたり、銀色の貨物室天井にデッカく突き出ている灰色の箱が主翼中央下部ですね)
一方でC-2の場合は貨物室内にそこまで邪魔な出っ張りは無く、貨物室の奥まで同じ高さの貨物を搭載できます(記事中のC-2の写真11枚目あたり、銀色の配管がおそらく主翼関連の配管?)
どんな輸送機も航空機である以上は重量物は重心(≒主翼)近くに置きたい訳で、高い(≒重たい)荷物をしっかり奥まで入れる事が出来るのは重要な要素だと感じます。
おそらく貨物室の形状とその上に乗る主翼という配置がまず決まり、そのあとシミュレーターや風洞実験で徹底的に空気の流れを研究した結果として大きなスポンソンや複雑な機体中央部の膨らみからなる絶妙な胴体ラインになったのだ思います。
輸送機勢揃いとは素晴らしいですね。
C-5Mが西側最大らしい存在感を示してますね。
そして、最後の鉄道ネタ勉強になります。
自動停車装置にそんな機能の流れがあったとは。
処でロリ巨乳には顔も大切だと思うのですが、やっぱC-2の表情はあどけなさがあっ・・・(白いパジェロ)
※1様
まさかのご近所な気がしてならないです。(大山の近隣県)
普段使いとしてはC-2は大きすぎる気が
日本専用じゃないのにJがついているヤツに更新するのが一番可能性高そうですけど優先順位は低そうだし
・・・にしても完全に定着してしまったなあ、このノリ もうヤダこのサイト(といいつつ顔はニヤついている私)
しかし、KC-135といい、C-5といい米軍は大型機を大切に扱いますね。大切にしすぎてメーカー保証とか切れてそうだけど。
このノリ嫌いじゃないけど、ご新規さんバイバイになったらどうしよう
見るたびに思いますが、やはりC-2にCF6エンジンはでかすぎるようにみえますね
普及率や取得のしやすや、要求推力その他を考慮するとCF6がベストだったんでしょうが…
整備された滑走路での使用が前提なら問題なさそうですね
まあ、砂場で着陸なんて機会、そうそうないでしょうから
勉強になりました
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