第18回 イベントレポート「横田基地日米友好祭2015」

文・写真:nona

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 去る9月20日、横田基地日米友好祭を見学して参りました。地上展示の豪華さは自衛隊の基地とは段違い。なんとE-3セントリー早期警戒管制機やオスプレイ輸送機を内側から見学できるのです。

 横田基地の前身は旧日本陸軍の「多摩飛行場」であるそうです。多摩飛行場は、陸軍立川飛行場の補助飛行場として、1940年に開設されました。地元の町の名前から「福生飛行場」とも呼ばれます。[1]戦時中は航空機の試験に使用されたそうで、鹵獲機や輸入機の比較試験、100式司偵による北京東京間の長距離試験に使用された、とのことです。

 一方のアメリカ軍は、米軍極東地図局が作成した地図中の「YOKOTA」から横田飛行場と称し、この名称が現在まで使用されています。[2]

開設時は立川飛行場の付属扱いでしたが、ジェット機時代となると、滑走路の延長ができない立川飛行場に代わる米軍の一大拠点となります。昭和35年には3350mの滑走路に延長され、ほぼ現在の姿に至ります。[2]

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 ちなみに狭山丘陵(トトロの森で有名なところです)の周辺は、横田基地に限らず飛行場が多いのが特徴です。日本航空発祥の地である所沢飛行場の跡地もあります。かつては飛行場に最適な場所だったのかもしれません。

MAMOR(マモル) 2015年11月号

扶桑社 (2015-09-19)

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 ようやく基地に到着。予定されていた荷物検査や金属反応検査はありませんでした。大きな荷物でなければ素通りでも大丈夫です。

 ただし、アルコール類の持ち込みは厳禁。入場前に没収です。

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 なぜかというと、屋台のビールが売れないから。そして10ドル=1300円のレートも、まあ良心的?

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 駐機場へ向かう途中では軽装甲機動車が展示されていました。横田基地には空自の航空総隊司令部があり、700名ほどの隊員が勤務しているそうです。

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 入場ゲートからさらに5分ほど歩き、駐機場に到着。C-130Hがお出迎え。横田基地にはこのC-130とC-12輸送機、UH-1救難ヘリコプターのみが常駐しています。[3] 他の航空機は皆別の基地に配備されているものです。

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今日はイベントということで、国外の米軍基地の機体や自衛隊機も参加しています。

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C-130はお触りOK。子供さんは隙間に潜り込んで遊べます。アメリカは自由の国ですね。

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C-130による、空挺降下のデモンストレーションもありました。

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パラシュートは日よけにも。

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ところで、米軍のC-130Hですが、自衛隊のC-130Hと若干の差異があります。例えばツノのようなミサイル警戒装置。

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自衛隊のC-130Hにない装備です。

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さらに米軍のC-130Hは尾部にミサイル妨害装置も設置されています。空自のC-130HやXC-2も海外派遣機にも改修を施したいですね。

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次の展示はC-17グローブマスターⅢです。

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説明書きによると搭載重量は77tもあるそうです。

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KC-135空中給油機。1965年までに831機も生産され、396機が現役であるそうです。[4][5] ということは、この機体も50年モノでしょうか。

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KC-135の後継機にはKC-10やKC-46がありますが、それほど急いでいない様子です。補修部品の在庫が潤沢なのかもしれません。

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こちらは航空自衛隊のKC-767。KC-135と比べると太く大きいものの、燃料搭載量はKC-135とさほど変わらないそうです。

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窓の痕跡が。

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展示会場の一番端のP-8哨戒機。すでに15機配備されているそうです。[4] 枯れ木も山の賑わいといいますが、地味な機体ですね。残念ながらMQ-4の姿はありませんでした。

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P-8哨戒機より先は見学不可ゾーンです。民間のチャーター機やC-5ギャラクシー輸送機がありますね。C-5は近くで見たかった。

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見学コースの一番奥まで言ったので、今度は東側に展示された機体を見ていきます。こちらはEA-6プラウラー電子戦機。

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電力確保用のプロペラも触り放題。まだ退役前の機体のはずですが…

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ノーズギアの格納部。プラモデルのウォッシングのように、綺麗に汚れてはくれないようです。

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プラウラーのキャノピーはコーティングされているんですよね。機器類を見やすくするためか、それとも別の理由があるのか。

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E-3セントリー早期警戒管制機。

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なんと内部の見学が可能です。さすがアメリカ、太っ腹です。

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機体のバルジにはESMセンサーでしょうか。空自のE-767には見られない装備です。

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E-3のコクピット。隊員の方にポーズをとってもらったのですが、興奮のため手ブレで撮れませんでした。

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管制室の内部写真です。機体前部は機械がひしめいています。機械に囲まれる形で個室も2つあります。

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機体中央部には管制用のコンソールが10数台並びます。コールセンターのようです。

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個々のコンソール。キーボードとトラックボールの操作です。そして酸素レギュレーターの操作パネルもあります。年季が入ってますね。

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三段式の寝台。休憩用でしょうか。

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寝台の隣にはギャレーが。構造は旅客機と似ていますね。

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ギャレーの反対側には各員用の座席があります。管制装置用の椅子とは別に用意されていました。

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次はオスプレイ。海兵隊のMV-22ですね。ご覧と通り大人気。45分ほど待ちました。

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ようやく尾部まで列が進みました。尾翼の内側は迷彩になっています。どういった効果があるのか。

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ようやく内部の見学です。20名以上の人が輸送できるとはいえ、狭いキャビンですね。

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MV-22のコクピット。グラスコクピット化されていますが、レーダー警報装置だけは従来型。天井のコンソールは写せませんでした。

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ここからは戦闘機と攻撃機の展示です。数が多いので自衛隊機は割愛。

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A-10。在韓米軍の機体でしょうか。

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左翼にAIM-9、胴体下に増槽とトラベルポッド、右翼にレーザー目標指示器が装着されています。

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F-16。青森県の三沢基地所属の機体でしょうか。SEADミッションの装備で展示されていました。

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 日も暮れてきたので、今回の見学は終了です。夜には花火大会もありましたが、時間の都合がつかなかったのが残念です。

 以上、早期警戒管制機に感激した横田基地でした。次の開催はおそらく来年になりますが、各地の自衛隊基地イベントはまだまだこれから。ぜひ、お近くのイベント情報をチェックしてくださいね。


参考(最終閲覧日2015年9月21日)

Airliftmagazine Friendship Festival米友好祭

福生市観光協会Webサイト 横田基地日米友好祭

航空自衛隊 横田基地


出典(最終閲覧日2015年9月21日)

[1] 福生市立図書館 福生市史研究調査ノート⑦ 福生飛行場物語 p39~42(PDF版P1~P4)

[2] 福生市>市政情報 > 基地の概要 > 概要・歴史 米空軍横田基地

[3] 在日米軍横田基地 units

[4] en.wikipedia  Boeing KC-135 Stratotanker

[5] ja.wikipedia.org 各国軍の航空配備一覧 アメリカ空軍(出典がないため正確性が低い可能性あり)

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