<管理人>
当ブログの軍事関連書籍 書評・紹介コーナーへ投稿していただいたものをまとめた記事です。随時更新いたします。
書評、書籍を紹介されたい方はこちらをご参照願います。
1.名前 名無しさん 様
『米軍が恐れた「卑怯な日本軍」--帝国陸軍戦法マニュアルのすべて』
文藝春秋
一ノ瀬俊也著
【本文】
タイトルで誤解する人が意外といるから一応言っておくと米軍の対日本兵マニュアルを様々な資料も使って読み解き、どうしてそうなったのかというのを推論していく内容。
マニュアルからの引用を交えて米軍視点による日本兵の特性やタイトルになった卑怯な戦法の詳細が初めに解説される。
かなり詳細だが、著者も作中で言っていたと思うが流石に自軍の士気が下がりすぎるようなことは排除している可能性に留意が必要
その次に筆者による何故そのような戦法をとるようになっていったのかの推論が述べられる。
筆者は元々は中国大陸での国民党軍等の中国側の卑怯な戦法に手を焼いた日本軍がその戦法を真似し、対米軍戦術に応用し、卑怯ではない戦法を使って卑怯な中国軍に手を焼いていた日本軍が、卑怯な戦法を使って卑怯ではない戦法を使う米軍の手を焼かせるようになったというのが大まかな内容。
ゲリラ戦法といった戦術が弱者が強者に対抗する際の戦術となる理由がよくわかる良書。
2.名前 名無しさん 様
『日本軍と日本兵 米軍報告書は語る 』
講談社現代新書
一ノ瀬俊也著
【本文】
前述の本と著者が同一だが、こちらは米軍による戦訓広報誌の日本陸軍の戦術や日本兵の特性の分析が主な内容。
前半では日本兵の融通のきかなさといった短所、優れた持久力や状況によって発揮される勇敢さといった長所などの日本兵の特性が分析されている。
後半では非合理的なバンザイ突撃や対戦車自爆攻撃の非人道性といったことばかり注目されやすい中、日本陸軍が行った戦術の改善や肉弾攻撃といった現代では正気とは思えないとも評されることさえある戦術を戦場における人によっては歪だと思うであろう合理的理由によって選択せざるを得なかったことなどが書かれている。
冷静に日本兵といったものを分析した本が少ない中、論理的に書かれたこの本は貴重。また、日本陸軍の中でも非常に優れた栗林中将がいたおかげで硫黄島の戦いで米軍に苦戦を強いることができたというかなり広まってしまっている論に反論するなど、ある程度知識をつけた戦史マニアなどでも新たな発見ができるでしょう。
今年の太平洋戦線を扱った書籍ではこれが一番良いと思います。
3.名前 名無しさん 様
【サークル名】風虎通信
【著者】水城徹
【書名】『ソヴィエト・ロシア・ウクライナのコンピュータ』
【本文】
同人誌ですが、今年読んだものでは『ソヴィエト・ロシア・ウクライナのコンピュータ』が非常に面白かったです。
ソ連に対する一般的なイメージとしてエレクトロニクスで西側に大きく後れを取っているというイメージが当時も今もあると思います。
しかし、その後れの原因について踏み込んで解説した日本語の書籍は今まで読んだことがありませんでした。
本書は、3進数を利用するコンピュータを始め、ソ連のコンピュータ黎明期の様々なユニークな試みや新進気鋭の科学者達の種々の努力を紹介。
そしてそれらが学会の教条主義的な態度や、とりあえず国際交流を通じて手にした西側技術をコピーすればよいという政策決定者達の手によって押し潰されていき、1950年代にはアメリカに一歩及ばずとも堂々と世界第2位を名乗れるレベルだったはずのコンピュータ技術が、80年代には7年の後れ(20倍の性能差)とも言われるほどに凋落していく様子を克明に描いています。
本書の書評とは直接関係ありませんが、風虎通信はスカッドミサイルの解説本などこの本以外にも非常に興味深いテーマを扱っていますので気になった方は是非それらの本も手に取っていただければと思います。
4.名前 KUS 様
『クルスク大戦車戦―独ソ機甲部隊の史上最大の激突』
光人社NF文庫
山崎雅弘
【本文】
「独ソ戦の天王山」「独ソ両軍が戦力を大量投入」「ドイツボロ負け」「ドイツ軍の作戦開始延期の主要因はヒトラーはパンターを投入したがったから」「自信満々に投入したパンターはボコボコ、ティーガーもソ連の戦術の前に敗れる」
このような言説を未だ聞くことが多い中、独ソ戦ではスターリングラードやウクライナの戦いの研究に定評のある著者が様々な研究者の最新の研究を使ってクルスクの戦いの実相を解き明かす。
トルコを繋ぎとめるという政治的理由で攻勢を欲したヒトラーと攻勢に出ると不利になるマンシュタインら軍上層部の対立とその調整が主な原因で作戦開始が遅れたが、作戦は実行に移された。
ドイツ空軍はレーダーなどの活用により制空権の確保に成功し、近接支援を有効に行いソ連軍に大損害を与え、ソ連軍による近接支援などの被害を軽微にとどめていた。
その有利を活かし、更に優れた戦車をもっていたドイツ陸軍はソ連陸軍を圧倒することに成功、損害も従来の説ほど大きくなく、戦績でみればソ連に対し圧勝したとも言えるほどだった。
しかし、ソ連軍は設置に成功した陣地や火力面での優位を活かし、個々の戦闘に敗北しつつもドイツ軍の戦線ほ突破は許さなかった
これが筆者が映し出したクルスクの戦いの実相である。
筆者によるクルスクの戦いの背景、戦略、戦況の推移などの地図やグラフといった図表も使った丁寧かつ詳しい解説は実に見事で、上手くポイントを絞ったものとなっている。
ドイツ軍の強さとソ連軍の強さ、「大戦車戦」や航空戦の実際の姿などかわはっきりとわかり、多くの人がその内容に納得し満足するだろう。
これから暫くはこの本こそがクルスクの戦いのバイブルになると断言する。
5.名前 KUS 様
『ブラックウォーター――世界最強の傭兵企業』
作品社
ジェレミー・スケイヒル
【本文】
現在注目されるリベラルのジャーナリズムの一人である筆者が間違いなく世界一有名なPMCの実像にせまる。
アメリカ、イギリスのリベラルの大物やリベラルな新聞各社が絶賛したベストセラー。
全て鵜呑みにする訳にはいかないが、客観的で読む価値は非常に高い。
要人の警護、インテリジェンスなど非常に重要なことさえも費用面から表立って委託され、現在のアメリカの財政問題を背景に影響力は依然増しつつあるPMCだが、その特殊な立場にここまで迫る本はなかなかない。
すでに軍事系ゲームの題材としてよく使われ、報道にも登場するようになった今、是非読んでほしい。
ちくま文庫の菅原出による著作の「民間軍事会社の内幕」も合わせて読むと良いかもしれない。
6.名前 KUS 様
『昭和陸軍全史』
講談社現代新書
川田 稔
【本文】
中公新書の『昭和陸軍の軌跡』という本の筆者が同書より更に踏み込んで昭和の帝国陸軍の戦略構想面の歴史を映し出す三部作。(現在は二巻まで)
永田鉄山、石原莞爾、武藤章などキーパーソンに焦点をあてて語られる戦略構想の変遷は非常に客観的で、従来の単純な陸軍評とは一線を画している。
単純に批判するのではなく、問題を浮き彫りにしていく(或いは調べると自然と浮き彫りになる)というスタンスは非常に好感が持てる。
政治家達をそこまで描いていないのは少し残念だが、ポイントを絞るという点では仕方ないかもしれない。
しかし、それでも時代が進んでいくに連れて政治家や元老の存在感が消えていくことがわかる。
陸軍上層部は永田鉄山の暗殺、石原莞爾の失脚などを経て、明らかに質が下がっていった。
それにも関わらず陸軍の発言は強まっていく。
政治家の質の低下は陸軍のそれ以上だったのだろうということが察せられていたたまれない気持ちになる。
あまり気が進まないかもしれないが、読む価値は非常に高い。
「昭和陸軍史決定版」という宣伝文句は大袈裟ではないと感じた。
7.名前 名無しさん 様
『戦場の掟』
スティーヴ・ファイナル
講談社
【本文】
2008年ピューリッツァ賞国際報道部門受賞作品。
予算削減と世論の反発の中で台頭し、今やイラクの米軍にとって無くてはならない存在となってしまった民間軍事会社。数多くの企業が戦争によって生まれる利益を巡って「市場」争いをしている。
彼らは法律の目が届かないことを良いことにやりたい放題をし、罪のない民間人を撃ち殺しても国外退去程度にしか罰せられない。そんな酷い有様にもかかわらず、アメリカは彼らを切り捨てることなんてできない。米軍比で安いコスト、多くの場合発表されない戦死傷者など大変都合が良いからだ。もはや彼らがいなければ米軍の駐留基地はまわらない。
イラク復興の民間支援のためのツールとして台頭した存在がその無茶苦茶ぶりによってイラクにおける対米感情の悪化の一因を担い、そのイラクの反発によって更にこの相手なら何をしてもいいという感情を募らせ、憎悪のスパイラルに陥った現状に対する筆者の遣る瀬無さが伝わってくる。
今や国際情勢を理解する上で民間軍事会社という存在は避けることはできなくなっている。国際分野のニュースに関心を寄せる全ての人に読んでほしい。
8.名前 KUS 様
『国際政治とは何か 地球社会における人間と秩序 』
中西寛
中公新書
【本文】
名著「国際政治」の筆者である高坂正堯の教え子である筆者による、国際政治学の学生でなくとも国際政治学をできるだけ概観できるよう書かれた本。
高坂氏から学んだ京大政治学をもっとも正統に受け継いだともされ、系譜にふさわしく現実主義的な内容となっている。
「国際政治」は幾ら何でも古過ぎ、また文章も比較的難解なのでこちらのほうが私としてはおすすめ 。
国連への視点、主権国家への視点、そして大体の日本人の国際政治観への視点等聞いて損のない話が非常に多いので、国際政治学を本格的に学ぶ人も学ばない人も国際政治学の概略をつかむ上で是非読んで欲しい。
9.名前 名無しさん 様
『日本海軍「艦これ」公式作戦記録 』
TJMOOK(宝島社)
【本文】
検索して見ると文句無しで大絶賛するレビューばかりなので一石を投じてみる。
史実解説面での内容は同社の連合艦隊全作戦記録のリメイクと言って差し支えない。
変更点としては艦これのキャラクターとして登場していない艦艇が参加しているジャワ沖海戦や、海軍軍人の概要記事といった記事の削除とヘンダーソン飛行場砲撃の詳しめの説明の追加という艦これに関連性がある部分を強化し、関連性の薄い部分を削除しているというのが基本となっている。
私が読んでいる上で気になったのは入門書として位置付けているのにも関わらず、各海戦の情勢、戦況の推移、詳細な使用兵器の解説などは割愛されてしまっていること。
史実調べのキッカケにというならせめて比較的明白にわかっているこの辺りのことを省いては欲しくなかった。
艦船の戦闘の歴史に重きを置いている以上、ここを割愛してしまうのはいただけない。これでは間違っている知識もあるが、Wikipediaなんかで調べたほうがまだ戦況推移が詳しくわかる。
また、艦これをやっている人には艦船をキャラクターとして捉えてしまい、それに乗っている人々の存在を忘れてしまっている人が少なからずいるので、実際の戦争の悲惨さの一例として何人が乗っていて、その内何人が死傷者なのか、どれぐらい生き残ったのかというのを記述して欲しかった。
また、これは仕方ないかもしれないが、第三次ソロモン海戦のサウスダコタ等に新しい研究や一次史料にあたって書いた研究を反映できていないのも気になってしまう。
最後に割と大きなミスだと思うがペナン沖海戦ではなく菊水作戦を連合艦隊最後の作戦としてしまっているのも頂けない。
これらの批判点は連合艦隊全作戦記録にも共通するものがあるのでそれも付け加えておく。
それにはスペースが足りないという意見もあるかもしれないが、台詞として喋らせている内容と本文が重複している部分があまりに多く、文字を比較的大きく取っているため、スペースをとる工夫をすれば大きなスペースができる。
慣れていないためか、イラストなどのレイアウトも上手に出来ていないと感じた。
とてもではないが、私としては入門書としてオススメはできない。
10.名前 KUS 様
『イスラーム国の衝撃』
池内 恵
文春新書
【本文】
筆者は現代イスラム思想の研究者で、日本における従来のイスラム研究はイスラムの平和性や寛容性といった事柄をあまりに無条件に受け入れ、検証せずに唱えているとして批判する立場にある。
そのため、決して学会の主流ではなく、従来の学者からは批判されやすい人ではあるが、彼の主張は客観的かつ合理的であるので納得することも多いかと思う。
本著はそんな新進気鋭の学者である筆者がイスラム国を解説する本。
イスラム国が誕生、台頭した背景を思想的側面と政治的側面から分析し、その強さの理由は何かを語っている。
迫害されてきたスンナ派、中東の混乱によって拡大した国家の統治の及ばない地域、穏健イスラム主義政権の挫折、紛争の宗派対立や地域対立化等その背景は単純なものではない。
計算され、ある種洗練されているとも言える残虐さ、決して現地においては奇をてらったものではない主張等広報戦略に非常に長けており、イスラム国はイスラム教のみならず、国籍を問わず、欧米諸国へ反発心を持つ人々にも働きかけ、ついには欧米諸国からも資金や人材を集めるようになってしまった。
その広報戦略の例をあげれば、処刑動画のオレンジ色の服は米軍がアラブ人捕虜に着せるものと同じものにする、ウェブで拡散できるよう斬首そのものは見せないようにするなどだ。
日本人も知らないうちにその広報戦略に乗せられてしまっているのかもしれない。
人質事件を経て、イスラム国に無関心ではいられなくなった今こそ読むべき本。
11.名前 KUS 様
『太平洋戦争の日本軍防御陣地―1941‐1945』
ゴードン・ロトマン、イアン・パルマー
大日本絵画
【本文】
太平洋戦争の日本軍陣地を図解している本。
と言いたかったのだが、残念ながらこれは誇大なタイトルだと言わざるを得ない。
本書は太平洋戦争のサイパン島の戦いまでの島嶼戦前半は網羅していると言ってもよいが、残念ながらペリリュー、硫黄島、沖縄といった後半の戦いにおける大規模かつ有効であった陣地に関しては情報不足だ。
ペリリューや硫黄島の地下陣地に施された工夫、沖縄戦の反斜面陣地等物がいいだけにこれらがほとんど触れられていないのが残念でならない。
また、ビルマ戦線などの陣地の情報も不足している。
『太平洋戦争の日本軍島嶼戦防御陣地―1941‐1944』というタイトルなら文句は全くなく、手放しでほめることができるのだが、これではタイトルに相応しい内容とは言えない。
12.名前 名無しさん 様
暗号を盗んだ男たち―人物・日本陸軍暗号史 (光人社NF文庫)
『暗号を盗んだ男たち―人物・日本陸軍暗号史』
桧山良昭
光人社NF文庫
【本文】
あなたは日本陸軍の暗号が戦後米軍に「まさに完璧」と評されたことを知っているだろうか?
その始まりにポーランドとの繋がりがあったことは?
おそらく話に聞いたことはあってもしっかりと知ったことはないだろう
そんなあなたにこの一冊!
日本陸軍の暗号史はこれ一冊でほぼ網羅!その成り立ちから終焉まで、実際の運用まで細かく描写された珠玉の一冊
日本陸軍の暗号に携わった男達を解読する!
13.名前 KUS 様
『戦場における「人殺し」の心理学』
デーヴ・グロスマン
ちくま学術文庫
【本文】
「国家の為」「故郷の為」「家族の為」「生きる為」
前線の兵士といえばこのような枕詞で戦争における殺人を正当化し(せざるを得ないのかもしれないが)、銃を撃つ兵士を思い浮かべる人が多いだろう
しかし、そのような人間ばかりではなかったのだということがこの本によって明らかにされる
執筆当時、軍人で教官であった著者による、人殺しとは無縁であった人々が殺人者に変化するメカニズムのリアリティ溢れる解説はまさに見事
南北戦争時、戦場で回収されたほとんどのマスケット銃には不可解なことに数発の弾丸が込められていた
つまり、ほとんどの兵士は自分を殺そうとしている敵でさえ撃ち殺すことを躊躇っていたのである
それから数十年、アメリカ軍の統計によれば、アメリカ軍兵士の発砲率は第二次世界大戦時でも15~20%、しかし、朝鮮戦争では55%、ベトナム戦争では90~95%と右肩上がりにその数値は上昇していく
そこには如何にして銃を敵に向かって撃ち、人を殺させるかという軍事教練の一つの本質をアメリカ軍が突き詰めて行く様子が浮かび上がる
人型の的が飛び出し、それを撃つ、それを繰り返しているとやがて、人は反射的に人を撃ち殺せるようになってしまうのだ
年月を経て、如何に効率よく兵士を戦闘マシーンへと変えていくかということへの探求とそれが生み出した歪みを我々は学ぶことになる
14.名前 うの 様
『海上自衛隊・5大基地&所属艦船パーフェクトガイド ~1/350ペーパークラフト「最新護衛艦いずも」つき~』
長谷部 憲司
マイナビ
【本文】
レビューの一定の公正を期すために、最初に書かせていただきますが、私が読んだ本書は、当サイト様の見本誌プレゼントキャンペーンでいただいたものです。
予めご了承ください。
前置きが長くなりましたが、レビューに入ります。まず本書の内容を私の独断と偏見で一言でまとめるなら
「万人向け海自解説本付き、マニア向けペーパークラフト」と言ったところでしょうか。
解説本部分は、2015年2月現在の横須賀基地、佐世保基地、舞鶴基地、呉基地という自衛艦隊の「母港」にスポットをあてた物になっており、それを中心として、各基地の役割、組織、所属艦艇、各地方総監や所属艦艇搭乗自衛官のインタビュー、港湾のバースの位置から基地周辺のグルメまでが、非常に簡単に紹介されています。
そこから発展して海上自衛隊の役割、編成、艦種、艦載兵器、所有航空機、更には護衛艦の内部も説明されていて、本当に広く浅く、「これを読めば、最低限知識が付いて各基地のイベントをさらに楽めるように」といった趣向で作られたのでしょう。簡単な海自用語を解説するページがあったり、通年のイベントの時期もさらっと説明するページなどがあることからも、そんな気概が感じられます。そんな本書ですが「基地」という珍しい着眼点であるにも関わらず、やはり万人向けという事もあり、全ての情報が浅いので、知識がある人には収穫が少ないかと思われます。
なおかつ、付録のモデルである「いずも」の説明が非常に薄いのも気になりました。
個人的に気になったのは、海自が使用する艦載兵器の説明のページに、いずもの一つの特徴的な武装である、SeaRAMの解説がなかった事でしょうか。仮にマニアな方で解説本だけが目的なら、税込1642円は少し高いかもしれません。
しかし、仮にプラモデルが好きだったり、ペーパークラフトが好きな方であればこの本の評価は大きく変わると思います。
この本の付録は、本当に拘っています。
まずは付録の内容から全長70cm超1/350「いずも」、SH-60K×4、V-22(米海兵隊)×1、救命筏×1
この付録。精巧なペーパークラフト謳ってるだけあって、細かいパーツがかなり多くディティールに妥協がありません。
おまけであるはず艦載機も、まずまずの出来に仕上げられるもので艦載機だけを並べるだけでも、そこそこ満足できる代物です。
可動式エレベーター、更には喫水線より下のパーツは防水紙になっていて、水に浮かべられるらしいです(ただのネタ要素なので正直おすすめできませんが)。
私事で恐縮ですが、先日友人宅に訪問した時に、1/350プラモデルである加賀や護衛艦(いかずち、さざなみ、あたご)と一緒にレドームや柵が未装着の9割方組あげられたこいつが飾ってありましたが、遜色がない、というのは言い過ぎですかもしれませんが、あまり違和感を感じませんでした。
これだけのものがこの値段というのは正直かなり安価です。ペーパークラフト目当てなら、かなりおすすめできます。
ただし、問題点がいくつかあります。
まず、大きい段ボールなどの各自が用意したものによって出来が大きく変わる部品があること、次に切れ込みがないので鉄筆が必須な事、最後に大きすぎる事。
まず、最初に言い切ってしまいますが、初心者がきれいに組み上げられる代物ではありません。切れ込みがないので、細かいパーツも自分で切り抜かなければならないし、大きく全体的にパーツも多いので接着も大変です。ゆがみのせいで、結合がうまくいかないことも起こりうるようなペーパークラフトです。初心者はいくらかの練習や、工夫が必要で尚且つ時間もかかります。
本書の組み立て説明にも書いてありますが、作業を始める前にシートをスキャニングをして保存、そのあと市販のインクジェット用ペーパークラフト用紙に印刷して、その用紙で練習or組み上げというのがおすすめです。
初心者の方は、まずは、おまけのSH-60KやV-22を組んでみるといい練習になると思います。細かいパーツが多いですが、部品自体が少なく、比較的容易に組めるので、楽しく組めるでしょうし、出来も良いので満足感も高いでしょう。SH-60KとV-22のシートを2枚刷って、SH-60Kの定数7機を組み上げる事を最初の目標にしてみてはいかがでしょうか。
さて、かなり長くなってしまいましたが個人的な評価としては、非常に惜しい書籍でした。私には大変うれしい話ですが、やはり内容は初心者向け、ペーパークラフトは上級者向けというのは少し厳しいと思いました。購買層的には、ディティールや質を少し落としてでも組やすくしたり、いずもの解説を濃くしたり、全体的に解説をもう少し掘り下げた方がよかったのではないかと感じます。
ただ、狙った読者の対称が違えど、解説本も付録も決して手を抜いているものではないので、そのことを念頭に置いておくと、そこそこ楽しめる書籍であるのは、間違いないでしょう。
15.名前 月 様
『海軍軍医の太平洋戦争―防空駆逐艦秋月』
近代文藝社
国見寿彦
【本文】
この本はタイトルの通り秋月軍医長であった国見寿彦氏が書いた物です。
一見すると、軍医として氏が活躍した話と勘違いしてしまいますが(もちろんそういう内容もあります)、本の内容自体は損傷から復帰後の秋月全般についてです。
軍医長として暇を持て余した結果艦内を歩き回ったり、戦闘中に艦長黙認のもと艦橋で観戦したり等々、国見氏の体験も随所に書かれているので退屈しないで読むことが出来ると思います。
また今日俗説として否定されている下記のような記述が出てこないですし、章ごとに参照した本や記録等も書いてあるので、秋月について良く知らない方には本当にお薦めしたい一冊です
・分火射撃を行い2機のB-17を同時に撃墜した
・秋月は瑞鳳の身代わりになった
・潜水艦によって撃沈された
16.名前 ドM 様
書名:『零戦神話の虚像と真実』
著者:清水政彦、渡邉吉之
出版社:宝島社
【本文】
歴史研究家の清水政彦氏と、元航空自衛隊のエースパイロットでF-2の初飛行も担当した渡邉吉之氏が、零戦の本当の弱点は何だったのかを“パイロットの視点から”再検証する内容。
「零戦はエンジンなど技術的に弱く、軽量化のために防弾を捨てなければならなかった。そのため、次第に熟練パイロットを失い敗れた」
こういった零戦の評価をよく聞くが、実は正しくないとし、零戦の本当の問題は「視界」(前方斜め下)にあったと主張する。
つまりは、ここの視界がないために、敵機にアプローチする際のパターンが限られてしまったということだ。
そのほか、
・(機銃では、こちらに)気が付いている敵機は99%落とせない
・一人で何百機も撃墜するなんて疑わしい
・一撃離脱戦法も左捻り込み戦法もなかった
・零戦は味方の爆撃機をすぐ見捨てた
など、これまでのあまり検証されてこなかった疑わしい話にも言及している。
照準器の使い方から射撃アプローチの方法まで、「零戦の戦い方」が図で具体的に解説させている点も興味深い。
17.名前 YSW 様
書名:『ドイツ連邦軍マニュアル 対装甲戦闘』
著者:名城犬朗
【本文】
「ドイツ連邦軍マニュアル 対装甲戦闘」の二冊です。一冊目は対戦車(T55 T64B T72 T80)、二冊目は対歩兵戦闘車(BMP1 BMP2)です。
この本自体は旧西ドイツ陸軍の制作した「主力戦車T55 T64B T72 T80及び歩兵戦闘車BMP1及びBMP2そしてこれらとの交戦、指揮及び任務のための指示 第700/101号機密文書」を訳したものです。
構成としては訳された本文と訳者による訳者解説です。訳文は作者の注が入っており初心者にもわかりやすくなっております。
本文は当時の西ドイツ軍がソ連軍の機甲戦力の何を恐れどう対処しようとしていたかがわかる本文です。
構成はソ連軍戦車の説明は強みの項目と弱みの項目、そして最後にこれらを考慮した交戦という項目に分かれており機関砲、戦車砲、対戦車ミサイルの攻撃のいずれかでどのように攻撃・撃破するかが説明されています。
なお、本書中で使用される設定の西側兵器はSpPzルクス ウィーゼル1MK SPzマルダーの20mm機関砲 カノーネヤークトパンツァーの90mm戦車砲 レオパルト1 M48A2GA2の105mm戦車砲 レオパルト2A4の120mm戦車砲 ヤグアル1のHOT対戦車ミサイル ヤグアル2 ウィーゼル1TOWのTOW対戦ミサイル SPzマルダー TPz1フクスのミラン対戦車ミサイルです。
総評としては訳者の砲弾の説明もあり、戦車にある程度知識が入っている人にお勧めと言えます。反対に砲弾の日本語名や意味、爆発反応装甲や戦車の部品についてなどの名称が分かっていなければ楽しめないでしょう。
18.名前 YSW 様
書名:『PK写真で見るドイツ降下猟兵の軍装』
著者:サークル伊太利堂
【本文】
ぺーカーという部隊をご存じだろうか。略称でPKと書かれるこの部隊は開戦時から陸海空の各軍に同行し、潤沢な機材で記録写真や映像を撮り、宣伝に使うという宣伝部隊だ。
これらの膨大な写真は戦後、ドイツ連邦公文書館やフランスECPA軍事公文書館に保存されており、ナチス・ドイツ時代の関連本では欠かせないものとなっている。現在では一部がHPなので閲覧が可能だ。
今回の本はこのサークルが手に入れた大判紙焼き写真に説明を加え写真集にしたもので、冊子内は基本的にドイツ降下猟兵の写真で構成されているが、一部空軍地上師団の写真もある。
自分として興味深かったのは最後のページの写真で空軍地上師団がヘルメットカバーに降下迷彩スモッグを使用している点だ。
ドイツ軍の装備に興味のある方は珍しい装備(LG40 7.5cm無反動砲)や基本的な個人装備を知るのに、ある程度知っている方には鮮明な資料として、一読の価値があるのではないだろうか。
19.名前 ミラー 様
書名:『アメリカと戦争 1775‐2007―「意図せざる結果」の歴史』
大月書店
ケネス・J. ヘイガン (著),イアン・J. ビッカートン (著)
【本文】
米国が行った主要な戦争を、独立戦争からイラク戦争まで「米国にとってどの様な結果をもたらしたか?」を批判的な見地を入れつつ書かれてます。
著者の一人は米海軍の出身者だったりしますが、米国が行った戦争に関してプラスの面以外を的確に指摘している書籍だと思います。
実は、そういった米国史の批評としてだけでなく、米国が行った主要な戦争の発端と結果を簡単に通して読めるという「米国戦争史簡易まとめ」としての側面もあります。
意外と独立戦争と南北戦争の合間や米西戦争とWW1の合間の戦争に触れる書籍も少ないので、米軍がどの様な歴史を積み上げてきたのかに興味がある方にオススメです。
注意点としては、あくまで「米国にとってどの様な結果があったか?」という米国民の指摘で、尚且つ「批判的」な視野に立っている事です。
20.名前 YSW 様
書名:『写真集 日本の機関銃』
著者:サークル伊太利堂
【本文】
前述の本と同じサークルが発行している写真集で、基本的な構成は同じです。
皆さんは日本軍についてどの程度ご存知でしょうか。「艦隊これくしょん」や「ガールズ&パンツァ—」によって日本陸海軍に最近脚光が当たっていますが、いかんせん目立つのは戦車や軍艦ばかりで他の地味(?) な装備にはあまり関心が寄せられていません。
この本ではそんなかっこいい(?)兵器たちの陰に隠れながらも絶大な火力で歩兵に信頼を寄せられる機関銃について、戦中の貴重な写真とわかりやすい文で解説している写真集です。
96式軽機関銃をはじめとした日本軍の軽機関銃や3年式重機関銃などの重機関銃の鮮明な写真をはじめ、どのような姿勢で対空射撃を行ったり、擬装を施したりなど、痒い所に手が届くような大変興味深い写真が満載です。
各国の有名な機関銃に隠れがちな日本軍の機関銃ですが、その運用思想(特に軽機関銃)は現代の分隊支援火器に通じる先進的なものでした。そんな日本軍が開発した機関銃達の一端に触れる本として初心者からマニアまですべての方におすすめです。
陸軍ファンの方には貴重な写真で話の花に、海軍陸戦隊が使用する写真も多く入っているので、陸の兵器にちょっと興味のある日本海軍ファンの方は海軍話のちょっとしたスパイスにいかがでしょうか。
21.名前 YSW 様
書名:『敵軍戦法早わかり』
著者:版元ひとり
【本文】
この本は1944年に作成された戦術本で、内容はアメリカ軍(陸軍・海軍・海兵隊問わず)の上陸作戦について、陣容・戦術問わず全てを徹底的に分析し、図・写真・表を使い、上陸戦術をわかりやすく解説したものです。
この本により、日本陸軍の戦術は劇的に変化し、「ペリリュー島の戦い」や「硫黄島の戦い」、「沖縄の戦い」といった激戦でもこの本は戦術の土台となり、後期日本軍の強烈な抵抗の裏にはこの本が存在していました。早わかりの名の通り、理解しやすいように配慮しており、読みやすい反面、内容は上陸作戦時の上陸艇の陣形から上陸部隊の海上での機動陣形まで網羅しており、世界最大の上陸作戦であるノルマンディー上陸作戦にまで言及されている非常に濃いものとなっています。
そんな日本将兵必携のバイブルとも言えるこの本ですが、内容はとても読みにくいものとなっています。なんてったって戦後初復刻(証拠なし)なわけで、中の文は、サークルで校正が入っていますが、ほぼ戦中の書き方と同じで旧漢字と方仮名のオンパレードとなっており、漢字辞典を手放すことができません。しかし、内容も非常に濃いので、調べるうちに時間を忘れてこの本の世界に入って行くことが出来るでしょう。旧漢字の多くはこのほかの戦中の本でも多く使われています。この本を足掛かりに、軍事古書の世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。
コメント
読み返してみると確かに冗長気味とも取れたり、確かに注釈が多く感じる人もいる量だったりしますね
そこから得る情報量が多いから気にならないだろうという自分の基準だけで書評を書いてしまっていたかもしれません
以後気をつけます
すいませんでした
野外炊飯だったり基地や艦船の食事だったら幾らでも紹介できるんですが、レーションとなると今の所数も質もあまり良くないですね
『戦闘糧食の三ツ星をさがせ』の文書は良かったんですが、こういう書籍では肝心の写真が白黒で美味しそうには見えないんですよ
だから文章より写真を重視する人にはと『レーションワールドカップ』がいい感じですかね
ただどちらにせよもう5年以上は前の本ですから最新のレーション事情はよくわからなくなってしまっているというのが現状です
最近自衛隊の戦闘糧食もリニューアルされてしまいましたし、そろそろ最新の情報をもとに書かれた書籍が欲しいところですね
※2
戦闘糧食関連の本ですか、面白そうですね。
このコーナーはブログ閲覧者様の投稿を掲載しております。
もし良い本がありましたら紹介をお願いいたします。
KUS様
いつもお世話になっております。
良い本がありましたらご紹介よろしくお願いします。
割とマジで両極端な意見しかないから、こういった従来の観点とは違った部分を見られるのはすごく貴重だと思う
別におかしいこととは思わないが
今のテレビの論旨は分かるけど、以前からいい面しか話さなかった点はおかしいと思う
別にイスラム教徒が悪いとは言わないし言いたくもない
イスラム国の批判の対象であるあの奴隷制もハディースを根拠としているわけです
しかもそれは酷い曲解だとかそんなこともしていないのにそう読めてしまうからなんですよ
それが理由で、紹介した本で筆者は対立などに穏健かつ人道主義的立場からコーランやハディースを批判することを認める宗教改革的な指導者の必要性を説いているわけです
そのような立場ですから、筆者は日本の従来のイスラム研究者はそのような事実を見ようとしていないと批判して、従来のイスラム研究者達から批判されているわけです
紹介した本は今回の日本人人質事件発生の直前に発生しており、それについての記述はありませんが、それに関しては筆者のブログを見てみるのがいいと思います
しっかりとした内容で書かれていて、今回の事件についてもとってはいけない対応とその理由なども説明しているので筆者の本を買うつもりは無い人でも是非一読することをお勧めします
これです
URLを貼っておきますね
非常に面白かった。
取材中に書いたメモをもとに書いてある。
指揮官、下士官兵、住民たちの生の声がそのまま出てるよ。
コメントありがとうございます。
もう少し詳しく説明していただけると嬉しいです。
『海上自衛隊5大基地&所属艦船パーフェクトガイド 1/350ペーパークラフト「最新護衛艦いずも」つき』のプレゼント応募者はまだ0名ですw
ご興味ある方はお願いいたします。
現代の海上自衛隊航空機パイロットの自伝で
「翔べ海上自衛隊航空学生」ってのがあります
運用やその存在の是非については戦略的見地から語られやすい現代の戦車を現場目線で書いた書籍だと「本当の戦車の戦い方」「戦車隊長」がおすすめです
どちらも木元筧明という元陸上自衛隊で戦車大隊長、戦車連隊長、主任研究開発官を歴任して2000年に引退されたらしいです
「幻の自動小銃 六四式小銃のすべて」はいろいろ批評されやすい六四式小銃の事を開発初期から関わっていた開発者自身が"何故そうなったのか"を分かりやすく書いてあります
基本軍事関連の本で迷ったらとりあえず
"光人社FN文庫"で軽く漁るだけでいろいろ良いのがあります
"戦争体験"となると多くの場合太平洋戦争の話題になりがちですが
「ブログ・オブ・ウォー 僕たちのイラク・アフガニスタン戦争」
は実際に従軍した兵士達の現場目線の本音がいろいろあっておすすめです
アメリカに帰化してアメリカ陸軍士官を勤めた人の自伝で「名誉除隊」ってのがあります
湾岸戦争にも従軍したらしいです
コメントありがとうございます。
たくさんの本をご紹介いただきありがとうございます。
是非、書評・紹介をしていただけないでしょうか?
当ブログの投稿方法を下記に掲載しておりますのでよろしくお願いいたします。
http://gunji.blog.jp/archives/1016096096.html
ありがとうございます
ちょっと調べてみようと思います
ただ自分の批評となると信用ならない主観的なものになりそうなので気になった箇所だけ引用という形にしたいと思います
最近アクセス数稼ぎにしか興味がないサイトが溢れる中、しっかり自分の言葉で書評をあげているのは評価できる。
これからもたまに訪れようと思う。
日本のシーレーンを考える上で、まず基礎的な学習になる本だと思うのですが…
図書館で絶版を読みましたが、最近再版もされたものなのでおススメしたいと思います。
ある意味最初に出てきそうに思えたのだけど…
※21
古典的名著ですよね。
研究が進んで今見ると正確とかは言えない記述もあるけど、読む価値はありますね。
同じく古典としては「フランス敗れたり」もお奨め。
NF文庫の工兵入門と島田戦車隊奮戦すは読んだ
行う任務や雰囲気が掴めれば娯楽作品であってもいいので
国は問わない
まぁ読みたい本が増えていく一方でこれはこれで困るんだけどw
個人的には第二次世界大戦中のスイスやスウェーデンなどの動きを解説した「中立国の戦い」が、大戦争の真っ只中で中立を維持する難しさと悲劇がよくよく書かれててよかったな。
同人誌なら名城犬朗さんの続編『戦車の防御とレイアウト 第三世代戦車概論』も良かったぞ。この前の「10式の側面装甲はRPG-7に耐えられないって本当なの?」ってまとめにも画像が沢山流用されてたけど、最近の戦車の防御について非常によくまとまっていて勉強になる。
あと個人的に紹介したいのが三浦瑠麗の『シビリアンの戦争 デモクラシーが攻撃的になるとき』と、漫画だけど速水螺旋人の『大砲とスタンプ』だな
わいみたいのでも書評・紹介文でも投稿しちゃってよいのかな?
たくさん書いてもええんやで?(ニッコリ)
本の紹介ありがとうございます。
コメント欄ではなく、記事として掲載させていただきました。
今後とも当ブログをよろしくお願いします。
一般人の通訳としてイラク派遣に従軍した人が書いた本。
自衛隊宿営地が迫撃砲の攻撃に曝された後、隊員達が話題にしていたのは迫撃砲ではなくネズミだった。
筆者が感じた戦後を生きる社会の人々の変化。
日本とイラク社会との容易には埋まらないカルチャーギャップに翻弄されながらの土地の買い上げ交渉。
日本でのイラク派遣に関するニュースを気にする隊員達。
などのエピソードが盛り沢山。
自分なんかの文章を採用して頂きありがとうございます。
これからも、益々のご健勝をお祈りしております。
こちらこそ、何卒宜しくお願い致します。
構成が時系列じゃなくて、兵科ごとにまとまって叙述されて
かつ、訳がちよい難解だけど
古代からナポレオンまでの戦術の変遷を纏めた書籍じゃかなり詳しく書かれてる
近年いろんな噂を耳にするようになったPMC需要や活躍、暗躍、あるいは闇
創作物では国家に成り代わるものまで現れる企業としての軍事組織がどんな実態なのか気になりますね
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