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画像引用:wikipedia

 『愚者の渡しの防御(The Defence of Duffer's Drift)』は、イギリスの軍人、アーネスト・ダンロップ・スウィントンが1904年に発表した小説風の戦術書です。

 舞台はボーア戦争。主人公であり語り手である英国陸軍のバックサイト・フォーソート中尉は50名の分遣隊でシリアスヴォーゲル川の唯一の渡河点、「愚者の渡し」の防御を命ぜられます。

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愚者の渡しの地図。画像引用:wikipedia

 この小説の面白いところは、現代でもよくアニメ、漫画、ゲームで取り扱われる「ループもの」と呼ばれるジャンルに分類できることです。
 
 最初、フォーソート中尉は、兵が疲れているため防御措置をとらず、現地住民を信用して設営地内を案内し、歩哨を大声と炎で目立つようにして、壕を掘りませんでした。
 当然のことながらボーア人に奇襲され敗北を喫することとなりますが、そこでフォーソート中尉はなぜ自分は敗北したのかを考えます。
 敗北から4つの教訓を学ぶと「夢」から覚め、戦闘前の状況にタイムリープします。
 
 フォーソート中尉は先ほど見た「夢」から得た教訓を生かして戦うものの、またもや敗北。新たな教訓を学ぶこととなります。タイムリープを繰り返すこと6回目で、ようやく友軍が到着するまで持ちこたえることに成功します。

 「6つの夢」からフォーソート中尉が学んだ22の教訓のいくつかは現代では通用しないことがありますが、小部隊戦闘の古典的名作とされています。


 この『愚者の渡しの防御(The Defence of Duffer's Drift)』をボーア戦争の英軍から昭和12年の日本軍に置き換えてゲーム化した作品がありましたので紹介します。(作者様の了解を頂きました)


無題
『The Defence of Duffer's Drift 〈愚者の渡し〉の防御』 作者:キジバト(鳩通信班)様
https://novelgame.jp/games/show/1757

<サイトの紹介文より>
 アーネスト・スウィントン(イギリスの軍人)が1904年に発表した小説仕立ての戦術書『愚者の渡しの防御』これをゲーム化したのが本作『The Defence of Duffer's Drift 〈愚者の渡し〉の防御』です。
 なお、アーネスト・スウィントンの原作では、ボーア戦争当時のイギリス軍が舞台になっていますが、日本人に親しみやすいように、内容を日中戦争当時の日本軍に翻案しています。

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 主人公は歩兵第三十聯隊の桐谷慶次少尉。
 物語は原平鎮~太原間の夢村というところからはじまります。
 桐谷少尉は、50名の小隊で「愚者の渡し」の防御を命ぜられます。地形、地名は原作とほぼ同じであり、閻錫山の軍事顧問「バックサイト・フォーソート」が名付けたことになっています。

  ゲームはアドベンチャーゲーム形式になっており、桐谷少尉が「6つの夢」を通して22の教訓を学んでいく内容になっています。

 舞台が中国、日本陸軍が主役となるとボーア戦争の英軍とは違って、設定が非常に身近に感じられます。
 また、原作と異なる点として、夢から毎回起こしてくれる片桐上等兵、桐谷少尉が降伏を決断すると自分が締めている越中褌を白旗の代わりに小銃に括りつけて振る深井曹長など脇役もいて物語を面白くさせてくれます。
 
3

 物語を進めていくと、上の画面のように桐谷少尉が学んだ教訓について質問されることがありますので、正しい選択肢を選ぶ必要があります。(間違えるとゲームオーバーです)

 作者様によると「初級の小隊戦術を学ぶゲームですので、現役の軍人やミリタリーファンであれば、全問正解が合格点です。」とのことなので当ブログをご覧の皆様は全問正解間違いなしのはずです。
 ちなみに管理人は選択肢を間違えました。
 
 非常に勉強になりますので、優秀な小隊指揮官目指してチャレンジしてみてください。

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