無題 Name 名無し 19/05/05(日)03:34:27  No.1274830

1556994867450
陸軍重爆スレ
カッコイイけど試作機から大分変わったな…
世界の傑作機No.153 陸軍九七式重爆撃機 (世界の傑作機 NO. 153)

文林堂 (2013-01-30)
売り上げランキング: 638,327

無題
Name 名無し 19/05/05(日)04:55:50  No.1274832      
1556999750407
九七式重爆ことキ21の前身にあたるキ19(三菱)
だいぶ違いますね

無題
Name 名無し 19/05/05(日)04:58:36  No.1274833     
1556999916163
こっちが競作相手のキ19(中島)
軍の指示で三菱の機体に中島機の長所を取り入れて
キ21(九七式重爆撃機)として採用になったんだとか
機首の形状なんかはモロですね

無題
Name 名無し 19/05/05(日)13:15:32  No.1274851     
1557029732943
>三菱の機体に中島機の長所を取り入れて

審査の結果、三菱の機体に中島のエンジン(ハ5)って組み合わせで行くことになったわけなんですけれど、97式重爆の(三菱側)設計者だった小沢久乃丞さんなんかはこの決定に不服だったみたいでして、

「この決定は、機体関係者たる私たちにとっては、まことにうれしい決定であったが、不幸にしてこの決定は本機の不評判をつくりあげる根源となった。また、競争試作がいかにつまらない結末をもたらすかを、関係者全部に知らすところとなった」

「三菱製発動機をつんだ大型機がいずれも発動機、機体の信頼性絶大といってほめちぎられている時、中島製ハ5が特別評判が悪くて片舷飛行をさせられたり、不時着などを起こしたため、機体まで信頼性がないようにいわれたことは本当に悲しいことでせっかくの97式重爆を、必要以上に信頼性のうすい機体としてしまった」

無題
Name 名無し 19/05/05(日)13:17:00  No.1274852     
1557029820318
「この問題の多いハ5は、昭和15年末2型になってからハ101(※三菱製)に換装され、その後は発動機についての文句をきくことが全然なくなった(略)機体に対する馴れもようやく深くなり、2型末期のころは絶大な信頼をもつ機体となったが、その時期はすでに遅きに過ぎたため、本機はあまりにも恵まれない運命を送ることになってしまった」

…なんて手記で愚痴っておられましたり

逆に中島ヒコーキ側から書かれた本なんかには、ハ5の対抗馬だった三菱製のハ6について、審査中重大な故障を起こしてたんすよ?みたいに書かれてたりもするんですがw

ある意味競争試作の2社の双方の顔を立てたカタチではある、当局の大岡裁きめいた「折衷案」も、当事者さんたちにとって必ずしも納得のいくモノではなかった、ってことなんでしょかねえ

無題
Name 名無し 19/05/05(日)18:55:21  No.1274863     
銀河よりも0系新幹線っぽい

無題
Name 名無し 19/05/05(日)19:07:07  No.1274864     
ハ6は300時間耐久テストやったとき200時間程度でピストンが焼きついたのが不味かったみたいね
ハ5の不調は使用環境も大きかったみたい大陸の砂塵は特に微細でフィルターつけても
完全に遮断できずシリンダー壁が磨り減って即エンジン不調になったと
一応その辺りはシリンダーを窒素硬化させて対応できたけど
ただそれ以外でも振動でシリンダーとインマニを繋ぐゴム管のクランプが緩んで二次エアーを
吸い込むのでブースト変動や馬力低下最悪焼きついたりととかく些細なトラブルが多かったそうだけど

無題
Name 名無し 19/05/05(日)23:36:52  No.1274897     
長年の素朴な疑問なんですけど、九七式重爆の背中の艦攻のような巨大な風防はどのような必要からそのようにデザインされているんですかね。
航法用の観測窓を兼ねているんですかね。

無題
Name 名無し 19/05/06(月)00:14:58  No.1274900     
>長年の素朴な疑問なんですけど、九七式重爆の背中の艦攻のような巨大な風防はどのような
これは私にとっても長年の疑問ですね。
こんなデザインは抵抗が大きくなるだけで、大したメリットがないように思いますけど。
ただの後方銃座ならもっと小さくてもいいし、或いは動力式旋回銃座を設けたならば
防御火力がより高まると思うんですが。
他国の爆撃機でこういうデザインはあまり見かけないので、設計者の意図がよくわかりませんね。
<(。ε゚)>はてー

無題
Name 名無し 19/05/06(月)10:57:26  No.1274935      
http://cgi.2chan.net/f/src/1557107846053.jpg
>長年の素朴な疑問なんですけど、九七式重爆の背中の艦攻のような巨大な風防はどのような


多分、高速発揮のために後上方銃座の"銃身そのもの"までを風防に格納しようとした結果かと。後上方銃座は左右の射界が各140度とかなり前の方を撃てる一方、それだけの射撃スペースを確保するには回転式銃座を採用するか、もしくは通常型風防をかなりスライドさせて無理やり確保するしか無いから、回転式銃座の突出部を嫌って、長めの風防でとにかく機体の流線型を確保したかったと思われ。

機銃が飛び出してもいいとか、後方180度(左右射界各90度)ととか、もっと制限が緩やかだったらもっと小さくできたんだろうけどねぇ

無題
Name 名無し 19/05/08(水)20:40:28  No.1275065      
1557315628695
>他国の爆撃機でこういうデザインはあまり見かけないので、設計者の意図がよくわかりませんね。

既に出てるB-10やPBYやHe.111とかが採用してる
Do.17やSM.79みたいに風防じゃなく機体を盛り上がらせてるタイプもある

無題
Name 名無し 19/05/05(日)23:56:18  No.1274899      
1557068178169
重爆縛りではちょっと範囲が狭すぎた感…

無題
Name 名無し 19/05/06(月)00:17:45  No.1274901    
三菱の機体に中島のエンジン→三菱製に換装って烈風と同じだな

無題
Name 名無し 19/05/06(月)00:35:43  No.1274903      
http://cgi.2chan.net/f/src/1557070543495.gif
マーチンB-10とかもっと派手なのもあるにはある
天測窓か後上方見張りの便かコンセプトはわからんのだが…
旋回銃座は意外なほど気流乱すらしくP-61とか対策が必要になった機がぼちぼちいる

無題
Name 名無し 19/05/06(月)01:12:14  No.1274906      
1557072734121
伊式重爆も色々言われる機体ですよね
本当に額面の性能が出てないとか、巡行速度の計測方法が違うから違って当然とか

無題
Name 名無し 19/05/06(月)03:00:33  No.1274908      
http://cgi.2chan.net/f/src/1557079233423.jpg
九七式重爆というと、滝沢漫画に出てきた
足下げレバーの安全ピンが座席をずらさないと抜けないって話を思い出す

無題
Name 名無し 19/05/06(月)08:06:14  No.1274918     
>足下げレバーの安全ピンが座席をずらさないと抜けないって話を思い出す
それ以外にも桁をESDに改良したのは良いが応力腐食割れで一斉にクラックが走ったとか
対策中に作戦で全機消耗したからウヤムヤになったらしい
雲中飛行中勝手に機首下がって気づいたらあの世もコイツだっけ?

無題
Name 名無し 19/05/06(月)11:26:26  No.1274938     
16年1月に立川で行った強度試験で2型で全備重量の増加から主翼が負荷に耐えられなくなったと判明したので翼桁をそれまでのSDRからESDTに変更されたとこクラックが入るようになったとか
それで調査した結果最も負荷の少ない仮定で1330時間最も過酷な使用で270時間で割れると分かって
戦場での損耗状況から回収修繕は行わなかったけど以後の量産では桁材をSDRに戻して板厚を増やして解決した
97重爆は元々縦安定が良くなく雲中に紛れると機首下げの傾向があってそれで速度超過から空中分解って事故が起こったのが14年のことで
1型乙で主翼外翼を3度後退させて重心を後ろにずらし2型では尾翼面積を増大させて速度超過の防止と合わせて外板の厚さを増して高速でのフラッター発生を防ぐ改修を行ったそうな

無題
Name 名無し 19/05/06(月)16:52:05  No.1274951      
http://cgi.2chan.net/f/src/1557129125123.jpg
>九七式重爆の背中の艦攻のような巨大な風防


三菱サンの側で最初に試作されたキ19(21)の1号機ですと、背面銃座は球形銃座が採用されているわけなんですが、「みつびし飛行機物語」によれば

「三菱の増加試作機に対しては、発動機の変更の他に、機体にも大幅な改造が改めて要求され、その主なものは、射界および視界の改善、機体の流線化による速度の向上(略)などであった」

「この改修の結果、機体形状は大きく変わってスマートなものになり、後下方の段はなくなり、後上方銃座も抵抗減少のため低く長い平面形に改められた」

…んだそうで

無題
Name 名無し 19/05/06(月)16:54:49  No.1274952      
1557129289296
今残っているキ19(三菱)の試作機写真をみても、武骨な初期デザインに背面が球形銃座のモノ、ほぼ同じ機体で背面銃座だけが変更されているモノ、中島の影響を受けて流線形に近くなった機首・機体に背面大型風防のモノ…という各タイプが存在したのが見て取れるんですが、「みつびし~」の記述も考慮すると、コレは「抵抗減少(&視界・射界改善?)」を目指して、まだ機体形状がほぼ三菱案のままの頃から軍側の指示で実施されたもので、後に機体形状が中島案に近い流線形のモノにリファインされた後も引続き残された…ということになりますですな

こうした改造・増加試作機は実際戦場に送られての「実戦テスト」にも用いられており、その戦訓を活かして最終的な97式重爆の制式生産型の形状が決められたわけなんですが、結局そこでも大型風防タイプの背面銃座デザインは引き継がれたところを見ると、案外使い勝手の良いというか、当時の「現場」のニーズには合ったデザインだったりしたんですかしらん…

無題
Name 名無し 19/05/06(月)19:55:08  No.1274964     
>No.1274952
陸軍機でお馴染みの八九式旋回機関銃ってどういう構造なの?
皿形弾倉でもベルト給弾でもなくてよくわからないんだけど

無題
Name 名無し 19/05/06(月)20:09:06  No.1274965      
http://cgi.2chan.net/f/src/1557140946573.jpg
>八九式旋回機関銃ってどういう構造なの?

無題
Name 名無し 19/05/06(月)23:18:09  No.1274972     
八九式旋回機関銃、十一年式軽機関銃の系統の銃にしては
そこまで不評を聞かないですね

無題
Name 名無し 19/05/06(月)23:57:56  No.1274977     
>No.1274935>No.1274951
長年の謎に納得がいきました。ありがとうございます。空気抵抗の低減が目的でしたか。印象論として陸軍は旋回銃座の搭載に冷淡、消極的な印象を感じてしまうわけですが、爆撃機の生存性向上の策として爆撃機の高速化によって迎撃機の交戦機会を減じるというのは当時の陸軍、海軍のみならず世界的な共通認識であったとおもうわけですけども、陸軍爆撃機が四式重爆に至るまで、全周旋回銃座を備えなかったのに対して海軍の九七式重爆の同時期に開発された96式陸攻は引き込み式の全周旋回銃座を備え、後の改良型では大型の固定銃座へ、次の一式では固定旋回銃座の搭載と旋回銃座の採用に抵抗がないのは大気が濃く高速を発揮しずらい低空を飛ぶ都合から防御火器に依存せざるを得ない運用環境の違いからくるものなんでしょうかね。

無題
Name 名無し 19/05/07(火)02:56:32  No.1274981     
>多分、高速発揮のために後上方銃座の"銃身そのもの"までを風防に格納しようとした結果かと。
なるほど、目からウロコであります。
しかしこの方式だと別の問題も発生しちゃいますね。(´・ω・`)b
・高速飛行時では大型開口部ができることで乱流が発生し、それが大きな抵抗になる。
 (通常飛行時は回転銃塔よりも抵抗が小さいが、銃撃時には逆転する可能性もある。)
・防弾ガラスに守られた銃座と違って防弾性能は皆無なために銃手の生残性が低い。
 
ちなみに双発重爆の防御火器の理想的な形式や配置のパターンってどんなものでしょうね?
個人的にはB-25とかがかなり理想に近いんじゃないかと思いますけど。
もちろん抵抗減少による高速化によって被攻撃機会を減らすことは大切ですけど、速度で戦闘機を振り切るのが困難である以上、防御火器の充実に勝る自衛策はないように思いますが。

無題
Name 名無し 19/05/08(水)00:11:59  No.1275022    
>旋回銃座の採用に抵抗がないのは
あと海軍は渡洋爆撃の戦訓もあるだろうね
翼端援護機なる重武装機すら試作した事もあるし

無題
Name 名無し 19/05/07(火)07:00:30  No.1274989      
1557180030383
回転銃座採用に関しては、そもそも海軍機はその任務上、魚雷という重量物の運搬と大航続距離の実現が優先されて速度性能の向上が難しいので防御砲火を強化せざるを得ないと言うのが大きいかと(一方陸軍機は満蒙国境地帯のソ連軍航空基地攻撃が目標なので、程々の航続距離と爆弾搭載量さえクリアすれば、後は速度にパラメータを全振りできる)
防弾性能に関してはそもそも当時の双発機の胴体部なんて(ry

銃座開放時に大きな抵抗になるのはその通りだと思うけど、そもそも高速で敵機を振り切り、射撃するのは待ち伏せされた時などの限定された非常手段と考えれば問題はそれ程大きくない。ただ、大戦になって戦闘機の能力が向上してくると「駄目だ、敵戦闘機を振り切れねぇ。とにかく火力向上だ」と画像のように回転銃座を採用せざるを得なくなってしまったけどね(ある意味試作機への先祖返り)

モスキート「もっと早くなればそもそも防御火器なんて要らんぞ」
Ar234設計者「せやろか?」(遠隔操作20mm機関砲を載せながら)
Ar234パイロット「せやろ」(それを取り外しながら)

無題
Name 名無し 19/05/08(水)19:18:18  No.1275061      
http://cgi.2chan.net/f/src/1557310698724.jpg
陸攻の銃座の変遷を見ると海軍も試行錯誤したんだなと思う
特に96式陸攻一一型の収納式は珍しい構造なのではないか
https://youtu.be/f-q-0TT02g4?t=208

無題
Name 名無し 19/05/08(水)21:55:33  No.1275074      
http://cgi.2chan.net/f/src/1557320133556.jpg
小沢久乃丞さんが97式重爆について語っていらっしゃる所に依ると、

「97式重爆の仮想敵国はソ連であったので、戦闘機の群がる中へ突入する必要が考えられた。したがって、海軍の大型機に比して高速であることが強く要望された」

…んですとか

実際、昭和11年2月15日のIJA側の試作指示の仕様書で要求された最大速度400km/時以上(高度3000m)は当時の新鋭機96式陸攻を上回るものですし、また97式重爆の後継機である100式重爆や4式重爆の試作発注においても500~550km以上という速度性能要求が重視されておりますから、対敵戦闘機対策としての速度性能というのは、ある意味97式以降日本の「重爆」にとって常に重要なファクターであり続けた、ということなんですしょかね

無題
Name 名無し 19/05/08(水)21:56:19  No.1275075      
http://cgi.2chan.net/f/src/1557320179927.jpg
因みに久保さんは、後に4式重爆「飛竜」の設計にあたっては

「高高度の高速機で、射手が風に当ったのでは、とうてい自由な活動はなしえない。そこで本機では、全砲座とも風防内で射撃できるようにした。」

「後上方射手は、従来カバーを除いて空中に身体をのり出し、風にさらされながら射撃するようになっていた」

「それを本機では球状天蓋をつけて、平時、若干抵抗が増加しても、敵と遭遇する重要時に、速度の低下なく戦い得る方がはるかに効果的だとの見地から、動力付き球状砲座を採用した」

…、としておられましたり
スレ内で既に出ている色々な方々の考察を裏付けるような証言だと思うんですが、単純に設計者的な心情から言えば、やはり球形砲塔は「抵抗がある」ってことなんですかしら…w

無題
Name 名無し 19/05/09(木)11:47:31  No.1275100     
B29みたいな遠隔操作式にしよう(提案)

無題
Name 名無し 19/05/09(木)12:58:55  No.1275102      
http://cgi.2chan.net/f/src/1557374335643.jpg
マジレスすると日本のリモコン銃架はダメだろう
可動部分の工作精度が話にならない

無題
Name 名無し 19/05/10(金)21:37:02  No.1275138      
1557491822461
小沢さんがIJA側からの武装強化要請で、97式重爆のお尻に遠隔操作式の尾部銃をつけることになった時のエピソードだそうなんですが

「戦争には楠流兵法式の話も數多あるが、本機としては尾部銃の話がそれに当たるものであろう。本機に対し、敵機は尾翼の陰へかくれて攻撃してくるので、何とかして陰から追い出して撃墜したい」

「ところが、いつまでも陰へかくれて追尾してくるので、それを追い出すためにどうしても尾部銃が欲しい。命中の正確は得られなくても構わない。とにかく弾が出ればそれでいい」

無題
Name 名無し 19/05/10(金)21:39:18  No.1275139      
http://cgi.2chan.net/f/src/1557491958541.jpg
「こんな程度の要求であったが、それにしてもすぐ尾部銃をつけるというわけにもゆかないので、しばらく待って欲しいというのに対し、当分線香をたいて煙を出すようにするから、敵がその事実に気がつくまでの間に、改修してくれとのことであった」

「実際線香の煙を出したら、敵は尾翼の陰で追尾してくることはなくなったと聞いている」

…なんてことがあったんですとか

オセンコを使って、蚊ならぬ敵機を追い払った…というおハナシみたいなんですが、実際センコに着火するときには、一体どういう風にやっていたんですかしら…

無題
Name 名無し 19/05/10(金)22:16:56  No.1275140     
竹で作った雀おどしを尾部に取り付けて黒く塗った偽装も
今まで後ろに張り付いてた敵機を追い払うのに役立ったとか

無題
Name 名無し 19/05/11(土)03:35:34  No.1275150    
リモコン機銃は照準線と射線の差があって当てるのは難しかった
それが解消するのはレーダーとコンピューターで修正射撃ができるジェット機の時代になってからからだった
ただし当たらないと分かっていても威嚇はできたから後方へ向けて固定機銃を載せた例もあった

無題
Name 名無し 19/05/11(土)07:31:50  No.1275153     
>実際線香の煙を出したら、敵は尾翼の陰で追尾してくることはなくなった

まさしく蚊トンボww

無題
Name 名無し 19/05/12(日)00:09:50  No.1275246     
>>実際線香の煙を出したら、敵は尾翼の陰で追尾してくることはなくなった
 
米軍:あいつら曳光弾もってないんだ

無題
Name 名無し 19/05/12(日)02:53:30  No.1275252      
1557597210764
球体銃座は気流を乱すのです・・・
一式双発高等練習機には前後の銃座が天蓋で連結されてるように見える機体がありますが振動防止の整流用アクリル覆いで下から外は見えないのです・・・

無題
Name 名無し 19/05/12(日)13:47:21  No.1275265      
1557636441686
1942年4月に試作されたアメちゃんの双発爆撃機に、XB-28という機体が有りまして、時期や機体サイズ(全長17m・全幅22m)でいえば、4式重爆「飛竜(18m・22m)」に近い機体なんですが、排気タービン付きのP&W2000馬力エンジン2基に与圧キャビンを備え、最大速度約600km/hで航続距離3200km、最大爆弾搭載量1.8トンと、なかなかよさげな性能を発揮したそうで

防御武装は12.7ミリ機銃を連装銃塔3基に6挺搭載しているんですが、与圧キャビン採用の関係上、銃座は遠隔操作式の無人銃塔となっており、ガンナーさんは機内からペリスコープ式の照準器を用いて操作する型式となっていまして、その為見た目も空気抵抗の少ない背の低い銃塔が、与圧式のスマートな機体に付いた「ミニB-29」みたいな感じに仕上がっているんですがw
当時の米陸軍航空隊の双発爆撃機運用思想が低空使用主体になりつつあったことも相まって、結局不採用に終っておりましたり

無題
Name 名無し 19/05/12(日)13:48:18  No.1275266      
1557636498281
そしてこのXB-28で採用された遠隔操作銃塔システム、当時の日本でも照準器メーカーとしてお馴染みだったスペリー社製で、アナログコンピューターにより砲塔操作や照準・弾道補正等を支援するという優れモノなんですが、やはり当時開発が進んでいたB-29及びB-32といった次期主力4発重爆の防御システムにも採用が内定していたそうです

https://www.edn.com/Home/PrintView?contentItemId=4402983
世傑(B-29)の記事によると、

「突起した銃塔は敬遠されたが、防御上の必要から装備せざるを得ず、ベンディックス、スペリー、ウェスチングハウス、ジェネラル・エレクトリック(GE)の各社が競った結果、ペリスコープ式照準器のスペリー製が採用された」

…とのことなんですが、結局最終的にはペリスコープ式の視野の狭さが嫌われて、実際の量産型ではGE社製システムに変更されていたりするんですとか
ともあれ、コンピュータ制御の遠隔操作銃塔のような精巧なシロモノまで、「競争試作」できるほどのメーカーというか技術の層の厚さは、他国から見れば羨ましい限りではありますねえ

無題
Name 名無し 19/05/12(日)14:00:57  No.1275267     
スペリー製ペリスコープ照準機を用いた遠隔操作銃座は、B17E初期型の下部銃座に採用されていて、バンドンで日本に鹵獲された機体にも付いていたけど、やはり視野が狭くて駄目だったみたい。それで良く知られたボール銃座になった。
ただ見越し照準機能や駆動部は優秀で、日本も参考にしていたみたい。

無題
Name 名無し 19/05/13(月)01:40:14  No.1275302      
鹵獲B17の装備品については、戦中の航空雑誌にも絶賛?した記事が載ったとか以前ここのスレで読ん
だ記憶が

考えたら排気タービンとかももう付けてたんだよな…

無題
Name 名無し 19/05/13(月)15:09:24  No.1275325
1557727764691
>見越し照準機能や駆動部は優秀で、日本も参考にしていたみたい。

カイグンさんの方の話になりますけれど、海軍工廠光学実験部所属だった小野崎誠さんによると

「昭和17年8月に南方で捕獲した米国の『スペリー』式を入手し、これを調査した結果、照準器で目標を連続追尾すると機銃は自動的に修正角の方に向けられる原理のものであることが判明したので(略)日本光学で国産化を計った。」
「而して昭和18年末には第1次試作が終ったが、之を装備し得る機体は4発の連山のみであったため、十分な機上実験が出来なかった」

…んだそうで
因みに「連山」の機銃装備については、空技廠射撃部部員だった川上陽平さんが其の開発経緯を語る所に依れば

「連山は掩護機を伴わない自衛攻撃機という特性から、射撃兵装は特に重要視された」

無題
Name 名無し 19/05/13(月)15:10:39  No.1275326
1557727839025
「全電気沿革管制式は理想的と思われたが未だ完成していなかったので、比較的確実性のある電動油圧式に依る直接操縦の形式が選ばれた」
「各銃架共漏油が少くなく、風防ガラスをよごして視界をさまたげたり、特に前方銃架では、偵察者や爆撃者の前方視界を悪くし、いろいろな改良案が出されたが改造工事が大変なので、油圧部品の工作に注意するとか、動力装置を機銃外に配置するとかの姑息的対策で終った」
「上方銃架および下方銃架は夫々上および下に大きく突出して抵抗が多かった」

…と、不満の残る設計だったそうなんですが、一方B-29の動力銃座については

「素晴らしい銃架、特に電気を縦横に駆使しているのを見て、ここでも造兵・機体・電気の技術家が一体となってまとめている見事さに一驚せざるを得なかった。又あの複雑な銃架を使いこなす技術力にも敬服した」

…とされています
米爆撃機の射撃兵装諸々は、色々な意味で日本の技術屋さんには垂涎モノだったみたいですなあ

無題
Name 名無し 19/05/14(火)11:47:24  No.1275412      
>No.1275326

なんだか日本機に動力銃座が少ない理由が分かるような話だなあ

4式重爆撃機も手動砲塔だし

無題
Name 名無し 19/05/13(月)23:50:50  No.1275389      
旋回銃座の疑問なんですがジンバルロックに対する対策はどうなっていたんですかね。

無題
Name 名無し 19/05/14(火)17:06:42  No.1275422      
>ジンバルロックに対する対策
旋回機銃だから制限あるし気にすることはないんじゃね?
もし可動範囲内でジンバルロック出るなら可動範囲外にロックを押し込めばいいだけ
ちなみにF-106は80°以上機首上げるとMA-1火器管制装置がジンバルロックするから宙返りしない
宙返りしたらジャイロリセットが必要な戦闘機

無題
Name 名無し 19/05/14(火)01:13:36  No.1275396      
高空からバラ撒いてさっさと引き上げるから
有効な爆撃が出来ないって話はちょくちょく聞きますね

引用元: http://cgi.2chan.net/f/res/1274830.htm

ハセガワ 1/72 日本陸軍 三菱 キ67 四式重爆撃機 飛龍 飛行第98戦隊 プラモデル 02282