無題 Name 名無し 18/05/29(火)00:52:41  No.1244745

1527522761484
主に日本軍の爆弾や魚雷について語ってみたりしませんか?
画像のは250キロ爆弾でしょうか?
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無題
Name 名無し 18/05/29(火)09:37:03  No.1244751     
日本版近接作動信管(有眼信管)を搭載した三式25番31号爆弾と同80番31型爆弾(・w・

自動車のヘッドライトを光源として前方にスリットの入った回転板を1000回転/秒で廻し
1000サイクルの明滅する光源を作りレンズを通して照射、目標から反射してきた光を受光し
光電管を通して蓄積し、一定の量になったら信管を作動させると言うモノでした(・w・

昭和19年11月2日より使用され初陣は七六二空の一式陸攻10機によるアスリート飛行場空襲でした
それ以降数回に渡り使用され戦果を挙げています(・w・

無題
Name 名無し 18/05/29(火)11:41:59  No.1244757
>日本版近接作動信管(有眼信管)を搭載した三式25番31号爆弾と同80番31型爆弾(・w・
空中で爆発させることを目的とした爆弾ですか…
時限式ですと硬度によって地中に埋まることがあるから
これを極力なくすことを目的にしたんですかね?

無題
Name 名無し 18/05/29(火)15:06:13  No.1244759
地上設備に広範囲に被害を与えるための(この場合は駐機しているB29)信管ですね(・w・
昭和19年12月25日の同飛行場への攻撃では米軍の詳報で「機銃掃射を受けた」と報告されています
結構な範囲に被害を与えたようですね(・w・

無題
Name 名無し 18/05/29(火)16:37:27  No.1244761
他の光源に惑わされないようシンクロする仕組みとか凝ってはいるが
雲・霧・爆煙と反射源になってしまう要素が戦場にはつきものであかん

分離した信管パーツをケーブルで垂らして弾体から先行させるなんて試案もどっかでみたな

無題
Name 名無し 18/05/29(火)18:43:20  No.1244765
>他の光源に惑わされないようシンクロする仕組みとか凝ってはいるが
ああ、照射ありの時と無しの時の反射照度の差分を積分してるんだな
よく考えたな

無題
Name 名無し 18/05/29(火)21:48:39  No.1244802
>日本版近接作動信管(有眼信管)を搭載した三式25番31号爆弾と同80番31型爆弾
はえーこんな爆弾あったとは初めて知った
>昭和19年12月25日の同飛行場への攻撃では米軍の詳報で「機銃掃射を受けた」と報告されています
地面に穴が空いておらず多数の弾痕が残ったりしたからなんかね
ヘッドライトを光源にしたって事は夜間なんかだとキラキラと点滅するのが見えたりしたんだろうか
もしそうならジェリコのラッパみたいな威嚇効果があったかも?

無題
Name 名無し 18/05/29(火)22:55:40  No.1244803     
常識的に見て「爆弾?」なんですが日本海軍での名称が「爆弾」でしたので、これも(・w・
三式6番27号爆弾、実質空対空ロケット弾なんですが一応広義で…取りあえず爆弾ってついてますし(・w・;
有名な九九式3番3号爆弾に推進装置を付けた物です
但し大型の上、中々命中精度も悪く戦果はサッパリでしたが小型軽量の戦闘機用三式1番28号爆弾1型と共に一定数生産され実戦でも使用されています
双方九〇一飛行隊等芙蓉部隊での使用が確認されていますが
日米記録双方に出てくるような戦果は中々挙がらなかったようです(・w・;

無題
Name 名無し 18/05/29(火)22:56:22  No.1244804      
1527602182864
但し日米記録で確認できる確実な戦果も存在していまして、有名な二代目三四三空所謂 剣部隊が昭和20年5月11日の対PBM-5戦で三式6番27号爆弾を使用、戦闘301の佐藤精一郎上飛曹が2回目の攻撃でVPB21のジョン・フック大尉機に見事に命中させ事実上「撃墜」(不時着水し機体放棄)させています(・w・
まあそれなりに有効な兵器ではあったようですね

写真は昭和20年5月11日当日の空戦模様、宮本上飛曹の放った三式6番27号爆弾が炸裂した直後の状態です

無題
Name 名無し 18/05/30(水)16:12:29  No.1244852      
1527664349577
>分離した信管パーツをケーブルで垂らして弾体から先行させるなんて試案


航空廠兵器部部員などを務めた服部一郎という海軍技術少佐さんの回想によると、

「掩体の中に格納せられたB-29や、事物に隠れた敵密集部隊を爆撃するには、地上20米位の上空で炸裂する爆弾が最も有効であるので(略)反射光で光電気的に作動する有眼信管付800瓩31号爆弾が、昭和19年7月完成されたが、何分構造が複雑で作動が微妙且つ高価であるため多量生産に適しない(略)これを機械的に単純化した320瓩33号親子爆弾を同廠(空技廠支廠)火工部に於て、昭和19年末に計画せられ、終戦直前に完成し、緊急量産して、サイパン、グアムのB29基地特攻爆撃を決行せんとして終戦となり、惜しくも果たさなかった」

無題
Name 名無し 18/05/30(水)16:13:59  No.1244853     
1527664439059
「頭部には重量20瓩の乾電池を包蔵した子爆弾を有し、その後に長さ20米の2心電線があり、その後端に電気信管が連絡してある。子爆弾の先端には風車発火装置があって、これが地面に接触すれば、電路が閉じるようになっている。爆弾尾部にはアネロイド高度計があって、如何なる高度より投下しても、高度が1000米に達すると作動して、尾翼に附属した抵抗版を開いて、急激に爆弾を減速し、その衝撃で、弾頭の子爆弾が親爆弾から離脱前進し両者が約20米の間隔を保って一緒に落下し、子爆弾が地面接触の瞬間、親爆弾が地上20米で炸裂するものである。」

「米国に於ても戦争中光電式有眼爆弾を研究したが、やはり複雑高価なため放棄し、親子式も着手したが完成せず、終戦後来日した米国極東空軍技術調査団も日本の親子爆弾を賞賛していた」

…なんてありましたり

無題
Name 名無し 18/05/30(水)16:15:19  No.1244854      
1527664519274
一方、日本陸軍で第3陸軍航空技術研究所所長等を務めた正木博陸軍少将さんが、戦中研究されていた「地表一定距離で爆発する特殊爆弾」について回想している所に依ると、

「第一に着眼されたのが電波信管である。これは、爆弾内に発振器をそなえ、これから発する電波が地表で反射されてふたたび爆弾にもどってくる。この反射波と往波との同調を利用したもの」

…だったそうなんですが、所要の高度で起動させる精度が確保できずあえなくボツに
次に

「『しからばこんな弾はどうだ』と持ちこまれたのが子持ち弾である。すなわち、爆弾を投下すると子弾Bが飛び出して親弾Aに先行する。」

無題
Name 名無し 18/05/30(水)16:17:47  No.1244855     
1527664667318
「Bが着地した瞬間に鋼索がゆるむ。このゆるみを利用して親弾を爆発させるというのである。ちょっとみたところ名案のようであるが、実は子弾の比重が親弾の数十倍無ければ、親弾の数十倍無ければ、親弾のほうがさきになるので実用されなかった」

…となり、

「つぎに、提案されたのが繰り出し爆弾である。これは、爆弾頭部につけた風車によって(収納されている)パイプを繰りだし、このパイプの頭部が着地したとき爆発するようしくんだもので、実現は可能である。しかし、これによってえられる爆発高はせいぜい二メートルくらいのものであろう」

…ということでまたもやボツ

無題
Name 名無し 18/05/30(水)16:19:14  No.1244856      
1527664754419
そして最終的に、阪大の浅田常三郎博士の協力を得て完成した「有眼信管」がある程度成功を収めた…と有りましたり

陸海双方の技術者さんの「親子爆弾」の回想を比較すると、複雑高価な「有眼信管」の後継機として造られて、実戦投入寸前で終戦を迎えた…とする海軍側と、逆に「有眼信管」開発前のボツアイデアの一つであった…とする陸サンで相違があるわけなんですが、作動機構や構造そのものも微妙に違うあたり、あるいは陸海のそれぞれで独自の「親子爆弾」が研究されていた…ということなんですかねえ…?

無題
Name 名無し 18/05/30(水)17:23:56  No.1244867     
http://cgi.2chan.net/f/src/1527668636168.gif
一度落ちてからジャンプするという発想はなかったのだろうか?

無題
Name 名無し 18/05/30(水)17:37:50  No.1244868
日本版近接信管やロケット爆弾?の話は目から鱗
こういう知らない話は面白くてもっと聞きたくなる

無題
Name 名無し 18/05/30(水)18:42:38  No.1244887
資料なくなったからうろ覚えだけど
炸薬が20kg程度から全備重量300kg超えまで
全部二十五番爆弾なんだよな
まあ炸薬小は徹甲弾とか?であるんだろうけど
300kg超えとかアバウトだね

無題
Name 名無し 18/06/02(土)03:59:31  No.1245106
野砲弾で一回地面でバウンドさせて、敵陣地の頭上で炸裂させる戦法とかあったような…

無題
Name 名無し 18/06/02(土)20:37:04  No.1245170     
http://cgi.2chan.net/f/src/1527939424907.jpg
>野砲弾で一回地面でバウンドさせて、敵陣地の頭上で炸裂させる戦法

かつてのIJAに、13ミリ航空機機関砲弾用の小型信管や「空気信管」等の開発で有名な、言わば信管の大家と言うべき渡辺三郎という技術士官さんがいらっしゃるんですが、この方の回想記に、航空機から投下する空中炸裂爆弾の信管製作を依頼された話が有りまして、曰く

「昭和14年(略)航研からむずかしい注文が来た。『投下爆弾が地上に落達する寸前、10メートルぐらいの高度で爆発させるような信管はできないものだろうか』(略)断ろうと思っていたのだが、難問題を出されると持って生まれた意地も手伝って、なんとかできないものだろうかと我慢が出来ない」

無題
Name 名無し 18/06/02(土)20:38:18  No.1245171      
1527939498094
「投下爆弾を着地寸前10ないし15メートルぐらいのところで爆発させることができたら素晴らしい効果だということは、野砲弾の第二弾道で爆発させる短延期信管の存在価値からいっても明瞭である(略)世界各国、投下爆弾にこの機能をもたせるべく猛研究をしているが、完成していないことも仄聞していた」

「地上10メートルというところが問題なのだ。機上から対地高度の測定が明確にできるものなら(略)時計信管でたくさんだ。高度計を付けた信管でもいい。ところがとてもこんな高い精度は出ない」

「いろんな(略)案がよせられた。『爆弾の先に長い鼻をつける(略)」など名案だがいくら延ばしても10メートルの鼻はでない」

無題
Name 名無し 18/06/02(土)20:38:54  No.1245172     
1527939534896
「『先に導爆索を付け、その先端に信管をつけたらどうだ』それで信管だけ先に延びるか。『重くしたらいいじゃないか』『これじゃ中学生に笑われる』」

「『ばねをつけて跳びあがらせればいいじゃないか』などと得意気にいわれた上官がいた。これまた地形地物を考慮に入れない演習場の案である。50キロ爆弾で高度700メートルでも弾着すれば、普通土でも2.5メートルは侵徹する。砂地もあろう、沼地もあろう」

「しかも、平面であるとはきまらない。普通、砲弾が第二弾道で跳飛するのはだいたい落角40度までだ。それでせいぜい50パーセントである。落角80度以上の爆弾がどんな異質形の地物に落ちてもとびあがるばねなんて正に漫画的構想である」

無題
Name 名無し 18/06/02(土)20:39:13  No.1245173      
1527939553483
「いっそう爆弾のお尻にお灸でもすえたら熱くて飛び上がるだろうと冗談をいったが、さて、これが冗談ではない。弾着で発火して弾尾の方向に僅少の放射薬で打ち上げる。これなら岩石地ではだめかもしれないが、砂地や普通土なら成立するはずだ(略)が、ちょっと待て、よく考えるとつまらない」

「全く策の下劣なものだ。敵国人の物笑いの種にしかならない。航空機が危険を冒して遠い敵地まで運ぶ弾薬のうちにむだな信管、放射薬など、さらにスッポリのこる外側の弾殻がいる。少なくとも総重量のうち30パーセントはむだだ。そんなことをするくらいなら爆弾を大きくすればいいじゃないか、自問自答、確かに落第である」

無題
Name 名無し 18/06/02(土)20:40:25  No.1245174      
1527939625389
「某日、偶然(略)発明展覧会にいきあった。フト目についたのが異様な楽器である。当時昭和14年、超短波が外国で研究され、使途の新しい分野が模索されていた(略)この楽器は手を近づけると(略)音階と音量がかわるのだ。試作者はおそらく超短波の特性をいかす見本品としてでも作ったものだろうか?」

「ところが、こちらは何を見ても信管にみえるマニアだ(略)これをみたとたん、筆者の想念は(略)近接発火信管の威力に飛躍したのである。命中しなくてもいい。目標近傍までいけば発火する(略)この着想に自分は無我夢中だった」

…んですとか

無題
Name 名無し 18/06/02(土)20:41:31  No.1245175     
ともあれ直ちに電波利用の「近接信管」の実用化に向けて渡辺さんは試行錯誤を繰り返し、やがてある程度の目途が付いたところで先述の航研の正木大佐(当時)に願い出て、取り敢えず研究続行の許可とわずかながら研究費も得て、再び勇んで開発に取り組んだそうです

その試験も航空機は出して貰えないので、電波近接信管の試作品を積んだ爆弾を吊り下げる「凧」を設計してみたり、東京近傍唯一のロープウェイがあった三峰山で深夜ゴンドラから吊り下げて「高度10メートル」を確保する…などのいじましいモノであったそうなんですが、惜しむらくは望ましい成果が出せず、ついに研究中止の決定が下され、渡辺氏以下、涙を呑んだんですとか

戦後、連合軍では電波利用の近接信管が実用化されていたと聞いた渡辺さん、かつての研究を思い起こして、もしかしたら昭和15、16年には世界に先駆けて「近接信管」が完成していたかもしれないのに…!と、無念を禁じえなかったとかなんとか…

無題
Name 名無し 18/06/03(日)20:04:52  No.1245262
結局人間考えることはどこの国でも同じってことかな
それはともかく
>異様な楽器
が気になる…真空管とスピーカーの組み合わせ?

無題
Name 名無し 18/06/03(日)20:49:16  No.1245265
テルミンじゃなかろうか

Name 名無し 18/06/03(日)21:49:35  No.1245276      
テルミン ディレクターズ・エディション [DVD]
この楽器は手を近づけると(略)音階と音量がかわるのだ。
という表現からテルミンだろうね
発明者のテルミンはアメリカから誘拐されてソヴィエトへ連れ帰られたりと数奇な運命
この映画は面白かった

無題
Name 名無し 18/06/06(水)01:19:38  No.1245457
>人間考えることはどこの国でも同じ
IJNの空技廠兵器部部員等を務めた早川仁という技術中佐さんが、かつて海軍航空隊で使用していた焼夷爆弾の開発経緯を書き残されておられるんですが、曰く

「焼夷爆弾には最初対艦船攻撃用と陸上施設を攻撃するものとの二種類が研究されていたが、種々実験された結果、対艦船用のものは命中しなければ効果は無いし、又命中しても大なる効果は期待できないので研究を中止し、昭和10年ごろから専ら対陸上施設用のもののみの研究を行った」

「欧米の如き堅牢なる建築物の沢山ある都会を攻撃するには、爆弾自体の強度が強くてある階数を貫徹してから焼夷力を発揮する様な性能を有し、それ相当の遅動信管を使用する必要がある」

無題
Name 名無し 18/06/06(水)01:21:04  No.1245458
「これに反して日本の如き木造家屋の沢山ある場所を攻撃するには爆弾の弾体強度は必要なく、又焼夷力も殆んど弾着と同時に発揮すればよい」

「前者に対応するものとしては200粍のコンクリート貫徹可能の強度を有する97式60瓩陸爆の弾体を使用した。焼夷力を発揮するには二種類の方法があって、爆弾自体が一つの大なる焼夷源となるものと、今一つは一つの弾体から多数の焼夷弾子を放出して夫々が小なる焼夷源となるものとである」

「この実験のためには多数の木造家屋の如き小目標を作り、飛行機より爆弾を投下して効果を検討すると共に家屋内に爆弾を装置してそこで炸裂せしめて、焼夷力を検討した」

無題
Name 名無し 18/06/06(水)01:23:46  No.1245460
「焼夷剤としては黄燐を主体としたもの、固形油を主体としたもの、テルミット系のもの、エレクトロン系のもの等であり、夫々のものを目標により使い分けをするのである。昭和15年から16年にかけて支那の奥地を焼夷弾により盛んに攻撃したが、米国が行った日本都市爆撃の如き効果はあげ得なかった」

「焼夷爆弾は如何に自分自体が優秀なる焼夷源、若しくは焼夷弾子を有するとも、周囲に可燃物のない場合には絶対に大なる効果を挙げることは出来ないのである。唯16年の初期に『生ゴム』を主体とした多数の弾子を放出する構造のものを使用したが、その時には非常に大きな効果を挙げることが出来た」

…んですとか
家屋、若しくは町の模型標的で効果実験とか、他所でやってた事を日本でもやってたというお話しみたいなんですが、軍人サンが理詰めで考えてやることは結局同じような所に行きつくんでしょかね、やっぱし

無題
Name 名無し 18/06/06(水)07:08:31  No.1245468
>家屋、若しくは町の模型標的で効果実験とか、他所でやってた事を日本でもやってたというお話し

ということは本土空襲の段階となれば、多数の焼夷弾攻撃に曝されることは開戦前から把握していたわけだから
にもかかわらず、為すすべなく、日本各地の都市が灰燼に帰したというのは対抗処置なしという結論だったのだろうか。

無題
Name 名無し 18/06/06(水)08:03:45  No.1245471
>ということは本土空襲の段階となれば、>多数の焼夷弾攻撃に曝されることは開戦前から把握していたわけだから
>にもかかわらず、為すすべなく、日本各地の都市が灰燼に帰したというのは対抗処置なしという結論だったのだろうか。
東京空襲が本格化の兆しを見せはじめると全国各地から消防車と消火ポンプの徴発を行ってる
そうやって集結させた消火機材も何回かの帝都空襲で丸ごと潰滅

そして空襲が地方に波及しても消火機材は召し上げられ補充なんてないので
なすすべもなく焼かれるに任せることに…

無題
Name 名無し 18/06/06(水)17:22:11  No.1245493
1528273331100
IJN航空隊が支那事変で当初投入した焼夷爆弾は「98式7番6号爆弾1型」と呼ばれるタイプであったそうなんですが、コレは発熱焼夷剤としてエレクトロン(マグネシウム92~96%、アルミニウム8~4%)とテルミット(酸化鉄粉76%、アルミニウム粉末24%)を使用し、先述のように比較的堅固な建物内に貫通させる目的で0.03秒の遅動信管が使用されていたんですけれども、いざ実戦投入してみると木造建築の多い大陸では不発弾が多発するなど不具合が多く、1938年12月には海軍航空本部が

「普通民家を目標とする焼夷爆弾として遅動0に近きもの」

…という新型焼夷弾の開発実験に乗り出し、翌年4月には「98式7番6号爆弾2型」が完成しているんだそうで

無題
Name 名無し 18/06/06(水)17:24:05  No.1245494
1528273445368
2型では信管が瞬発に変更された他、テルミットの周囲にベンジンとパラフィン混合の固型油焼夷剤が詰められてより焼夷効果を高める工夫がなされているんですが、実戦の戦訓をこまめに取り入れて建物実験等が行われた、ってことなんでしょかね

因みに、1940年5月18日からの国民党政権首都重慶を含む四川省奥地への大規模爆撃作戦である「百一号作戦」においては、日本海軍機の投下した爆弾9千819発の内、184発が「98式7番6号(焼夷)爆弾」であったそうなんですが、この他に更に「カ4弾」と呼ばれる新型焼夷弾が131発含まれておりまして、コレはIJNが開発したものではなく、当時未だ制式化される前だった日本陸軍航空隊の試作兵器を特に願い出て譲り受けて使用したものであったんですとか

無題
Name 名無し 18/06/06(水)17:27:41  No.1245495
1528273661284
IJAが既成の93式1瓩および97式12瓩焼夷爆弾に代わるものとして開発した「カ4弾」、制式名称「100式50瓩投下焼夷弾」の特徴は、鉄製の弾体内に黄燐溶液を吸収したゴム片と火炎剤が詰めてあることで、炸裂するとゴム片が火炎団子となって100m四方に飛び散るというなかなか凶悪なシロモノであったそうです

前述早川氏の記す「非常に大きな効果を挙げ」た生ゴム片使用の焼夷弾というのは恐らくコレを指すと思われるんですが、実際その効果は実戦部隊にも評価されたらしく、当時の連合空襲部隊指揮官だった山口多聞少将は同作戦中海軍本部に対し

「現作戦遂行上強力焼夷弾を要望すること切なり 速に『カ4弾』又はより以上の威力ある焼夷爆弾を供給する様取計らわれ度」

…なんて要望を伝えているんだそうで

無題
Name 名無し 18/06/06(水)17:37:06  No.1245498
1528274226113
一方、陸海軍航空隊の協同作戦だった「百一号作戦」では、97式重爆を主力とする陸軍航空隊も1201発の爆弾を投下しているんですが、面白いのは海軍サンが使用していた陸軍謹製の「カ4弾」は使用されておらず、また「擲弾筒弾」96発がその中に含まれているんだそうで
…といっても、重爆の機内からニーモーターで重慶市内の目標をピンポイント爆撃していた、というわけではなく、伊澤保穂せンせいの「陸軍重爆隊」によれば、重慶爆撃前に重爆戦隊では

「新しい中隊長・高橋猛大尉の発案で第一中隊が後下方の防御用に擲弾筒を用意し」

…ていたそうですので、恐らくこの96発は舞い上がって来た中国軍の邀撃戦闘機に対して放たれた分であったと思われます

色々な意味で、対地上から対空まで、様々なアイデアが考案されては、実戦で試されていた、ってことなんでしょねえ

無題
Name 名無し 18/06/06(水)19:16:34  No.1245502
そういえば飛行場攻撃用のタ弾が小銃擲弾のタ弾と同じものってのは本当なのかな

無題
Name 名無し 18/06/06(水)19:38:59  No.1245503
>様々なアイデア

必要は発明の母ってやつですな

…自分たちがやられる側になったらたまったものじゃあないけど

無題
Name 名無し 18/06/07(木)20:02:29  No.1245574      
http://cgi.2chan.net/f/src/1528369349030.jpg
>爆弾の先に長い鼻をつける

ドイツ軍は先端に数十cm~1m台の棒を取り付けたZARなる爆弾も運用してましたな
ただし主目的が地表炸裂でな泥濘地対策だったかも

無題
Name 名無し 18/06/07(木)22:09:11  No.1245586
>ドイツ軍
ロケット弾のネーベルベルファーは弾頭を尻尾に持ってきた
ロケット推進薬が前にあり推進部分は円環型に噴射孔を並べて弾頭を避けた
これで着弾した時の破片効果を確保しようとした

無題
Name 名無し 18/06/08(金)00:34:50  No.1245599
1528385690462
パラシュートつけるだけでも陥入防止できたり樹木などにひっかかって空中爆発になったり破片効果が高いと南方で被害を受けて気付いたので海軍でひっそりと開発・実戦投入はしていた模様
米軍のは低空襲撃時の自爆防止が主目的だったから日本側が使うとなると低空じゃ敵対空砲火が怖すぎるし
やや安全な高空からだと制動の効果が加速に負けて薄れてしまいそうだが

無題
Name 名無し 18/06/09(土)19:17:46  No.1245696
>パラシュート
「101号作戦」に参加した陸攻隊指揮官の巌谷二三男の手記にある話なんですが

「八月上旬以後の重慶攻撃には、敵は空中爆弾を使いはじめた。I-15は時限信管の付いた小型落下傘爆弾を、各機十個ぐらいずつ搭載して、5、6機の編隊を整え、われわれの爆撃針路の前上方に待機していた。攻撃機隊が爆撃針路に定針すると見るや、編隊の推定針路上に突入、前上方500メートルぐらいに、落下傘爆弾を散布して避退した。」

「敵機の目測が良好の場合は、この弾幕炸裂する中をわれわれは通過しなければならなかった。そのため、時にはプロペラ、翼、尾翼などに弾片が命中して小破した事もあった」

…そうです

無題
Name 名無し 18/06/09(土)19:26:59  No.1245698
1528540019332
まるで後にIJN航空隊自身が使い始める、「三号爆弾」の攻撃風景のような話なんですが、1943年12月23日に、ラバウルの日本軍基地攻撃に出たジョン・M・フォスター=サンという海兵隊のF4U「コルセア」パイロットさんの手記から、ラバウル上空で受けた「三号爆弾」攻撃についての描写を引用させて頂くと

「何の前ぶれもなく巨大で放射状に伸びる濃く真っ白な煙の爆発が、私の左、約300フィートのところで起こった。放射状に広がる煙の先端は赤熱の金属に引っ張られていた。黄燐爆弾なのだ」

「40秒後、もう一つの黄燐爆弾が私のかなり左の上方で炸裂した。爆発は爆撃機編隊の近く、それもど真ん中で赤く輝いたのだ」

無題
Name 名無し 18/06/09(土)19:41:06  No.1245699
1528540866601
「続けざまに4発の黄燐爆弾が投下される。すべてが遠く離れていた。が、私の乗機は下方に押しつけられてガタガタ揺れた。それはまるで高真空の中へ落ち込むようだった。私は急いでラダー・ペダルを蹴り、操縦桿を押して脱出した。後をふり返って見ると、曲がった白い煙と赤熱の金属のタコの足が、地獄のような責め苦の中で私を捉えようと追いかけてくる」

「近くで黄燐爆弾が次々と炸裂する。日本軍はまさに正真正銘の地獄を天空に創り出して(Hell in the Heavens)いたのだ」

…なんて有りまして、この手の空対空爆弾の、少なくとも心理的な効果は結構なモノだった事が窺える内容であったりしましたり

無題
Name 名無し 18/06/09(土)19:43:08  No.1245700
1528540988027
因みに梅本弘せンせいの「海軍零戦隊撃墜戦記(3)」から、やはり同日の戦闘に関する部分を引用させて頂きますと

「重爆編隊の周辺では次々に25から30発もの三号爆弾が炸裂し白煙の大きな傘を広げている。1機の零戦は明らかにコルセアを狙って後方から接近して三号爆弾を投下した。爆弾は主翼の上方で炸裂、しかしコルセアは大きく揺れただけで被害はなかった」

…んですとか

残念ながら、この日「三号爆弾」による撃墜戦果は上がらなかったようなんですが、至近の爆発で危ういところを免れたこの「コルセア」、あるいはフォスター=サンの乗機だったりしないでしょかね…w

無題
Name 名無し 18/06/10(日)12:12:16  No.1245747
結局投下&爆発のタイミングが目測頼りなのがこの手の兵器のネックだったんよね

逆にアメリカさんならそれこそ当時でもVT信管とかで精密に炸裂させられそうだけど

無題
Name 名無し 18/06/10(日)15:10:52  No.1245751
現在の技術で作られた信管と発射管制システムで大和主砲から発射される三式弾はロマン、、、

無題
Name 名無し 18/06/10(日)16:07:43  No.1245757 
煙を引いて飛んでいくから派手だけどもドラム缶みたいな形状の弾子が空力的に悪くて有効圏かなり短いと思われる三式弾より
零式通常弾に時計切って破片バラまいた方がよくね という当時から指摘する人もあった問題

引用元: http://cgi.2chan.net/f/res/1244745.htm

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