『F-16 エースパイロット・戦いの実録』
柏書房
Dan Hampton (原著)、上野 元美 (翻訳)
文:誤字 様
地対空ミサイル(SAM)は登場以来各種航空機の脅威であり(1)、軍用機はこれをなるべく避けて戦うべきなのですが、当然軍用機が攻撃したい重要拠点にはレーダーや防壁を組み合わせた強固なSAM陣地が多数構築されているので、SAMを避けてばかりいては航空機が活躍する機会は大きく減じてしまいます。
そこで現代空軍では敵のSAM陣地を無力化、あるいは破壊する敵防空網制圧 (Suppression of Enemy Air Defence: SEAD)や敵防空網破壊(Destruction of Enemy Air Defence:DEAD)という任務の重要性が増しているのですが、この新しい任務は日本では馴染みが薄い事もあってその実相があまり知られていません。
今回紹介する本はそんなSEAD/DEAD任務を中心的に行う米空軍部隊、通称ワイルド・ウィーゼル(2)の一員として湾岸戦争やイラク戦争に従軍し、数々の危険な任務を遂行したF-16パイロット、ダン・ハンプトン空軍退役中佐の『戦いの実録』です。
イカロス出版 (2015-07-18)
売り上げランキング: 239,254
ワイルド・ウィーゼル(直訳すると野生のイタチ)の特別講座履修証、爆弾と雷を持った凶暴なイタチが危険地帯に今まさに飛び込もうとしているエンブレムは、彼らの任務を端的に表すものである。(出典:米空軍公式:http://www.nationalmuseum.af.mil/Upcoming/Photos/igphoto/2000558666/)
さてSAMを狩る専門家、ワイルド・ウィーゼルは具体的にどんな方法でSAMと戦うのでしょうか?
ワイルド・ウィーゼルの始まりはベトナム戦争です。ベトナムのジャングルに巧妙に隠されたSA-2ガイドラインによる米軍航空部隊の被害は大きく、この対策としてF−100Fスーパーセイバーにレーダー警報装置と優秀なパイロット、それにB-52の電子戦士官を乗せて初めてのワイルド・ウィーゼルが編成されました。
任務は簡単です、まずF−100Fが敵SAMがいそうな地域を飛んで敵に目標捕捉レーダーを起動してもらいます。
機上の電子戦士官がレーダー電波の発生源を見つけるか敵が地対空ミサイルを発射すると敵SAM陣地の場所が分かります。特にSA-2は発射した際に煙を多く吹き出すので発見は容易でした。
後は発見したSAM陣地に同行しているF-105Dサンダーチーフが爆弾を落とし、機銃掃射をしてSAM陣地を破壊すれば任務完了という流れです。
これはまさに虎穴に入らずんば、虎子を得ずの故事を実践するような話で、実行には大変な危険を伴います。
まずワイルド・ウィーゼルが対空ミサイルを発射される前に敵のSAM陣地を叩ければ理想的ですが、ジャングルの中に隠されたSAM陣地を見つけるのにミサイルを発射してもらう以上に確実な方法はありません、そして一度ミサイルが発射せれれば戦闘機の機動性と速度をもってしても回避するのは至難の技です。さらにSAM陣地は大抵高射砲でも守られているので、相手をうまく発見出来ても攻撃の際にはSAMからも高射砲からも猛烈に撃たれる事になります。
この任務内容を初めて聞いた元B-52搭乗のEWOジャック・ドノバン大尉は次の言葉を残しています。
「自分は無敵だと思い込んでいる、頭のいかれた戦闘機パイロットのうしろに座って、ちっぽけなジェット機で北ベトナムのSAM陣地に向かって飛び、そいつに撃たれるまえにそれを撃てというのか? 冗談きついぜ!」
時代が変わり電子機器が発達して空対地高速対レーダーミサイルHARMやワイルド・ウィーゼル専業のF-4GやF-16CJが使われるようになっても基本的な戦術は変わらず、ドノバン大尉の「冗談きついぜ!」(原語ではYou Gotta Be Shittin' Me:YGBSM)という台詞はワイルド・ウィーゼル任務を端的に物語る台詞として今も使われ続けています。
イラク戦争におけるワイルド・ウィーゼル部隊の一例、一番手前のF-16のみHARMを装備している事に注意、イラク戦争のワイルド・ウィーゼルではHARM、クラスター爆弾、マーベリックなどの空対地兵器を二基装備した複数のF-16が連携してSAM狩りを行った。二基の空対地兵器以外には四基の空対空ミサイルと増槽にジャミングポット、HTS(HARM目標指示システム)を装備するのが一般的だったようだ(出典:米空軍公式:http://www.af.mil/News/Photos/igphoto/2000031778/)
本書はF-16に乗って湾岸戦争とイラク戦争に従軍してこの危険なワイルド・ウィーゼル任務をこなし、151の戦闘任務に参加して21のSAMハードキルの戦果を上げたダン・ハンプトン空軍退役中佐が自分の軍歴を通じてワイルド・ウィーゼルの任務とその戦いを書いたものです。
その戦いは正に”最前線”と言うに相応しいもので、湾岸戦争でもイラク戦争でも開戦日にはイラク軍SAM陣地上空を飛んでミサイルを撃たれ、撃ってきたSAM陣地にお返しの対レーダーミサイルを撃ち返しています。
特にイラク戦争の開始は彼のワイルド・ウィーゼル任務から始まったと言ってもよいほどで、開戦日である2003年3月19日の午前5時30分に”槍の穂先”としてバクダッドの防空網外縁のSAM陣地上空を飛び、イラクの独裁者サダム・フセインを狙うステルス攻撃機F-117や巡航ミサイルのための道を切り開いています。
その後も3月24日にはナシリア近郊での危機に陥った米海兵隊を援護するために大砂嵐の中で高度50フィート(15メートル!)の機銃掃射を敢行し、3月26日には武装偵察中に米軍先発部隊を撃退するためにバクダッドから出てきた師団規模の共和国防衛隊にかち合って猛烈に撃たれ、4月7日にはヘリによるサダム・フセインのバクダッド逃亡を阻止するために「バグダッドの全高射砲およびSAMの射程にはいって」飛行場を強襲し、大規模戦闘終了の前日である4月13日にもA-10部隊を支援するためにティクリート近郊のSAM陣地に新型のマーベリックミサイルを撃ち込んで破壊するなどの活躍をしています(なお後日ティクリートのSAM陣地そばの隠れ家でサダム・フセインが発見されている)。
これらの戦いでは毎回のごとく「かんかんに怒っている」イラク人がSAMと高射砲、時にAK-47までもを猛烈に撃ちかけてきますが、著者は二機、多い時には五機のF-16CJの編隊長として冷静に戦闘を指揮し、デコイやチャフ、フレア、燃料を盛大に消費しながら敵のSAMを回避し、お返しに敵SAM陣地にHARM、クラスター爆弾(3)、マーベリック空対地ミサイルを発射し、さらに隙あらばバルカン砲による攻撃さえ果敢に行なっています。
F-16CJに装備されている高速対レーダーミサイル目標指示システム(The High-speed Anti-Radiation Missile Targeting System:HTS) HTSはレーダー波を探知してHARMに目標を指示するほか、データリンクによって他の機体と情報を共有することが出来る。(出典:米空軍公式:http://www.af.mil/News/Photos/igphoto/2000439900/)
このような戦時の血湧き肉躍る戦いもさることながら、著者の戦闘機パイロットらしい、大胆不敵さと繊細な点を併せ持つ独特の感性を感じさせる、平時の様々なエピソードとその語り口も本書の魅力の一つです。
本書はイラク戦争で猛烈な砂嵐の中で味方海兵隊を助けるプロローグから始まり後半はイラク戦争での戦いが中心となりますが、前半部分では著者の米空軍戦闘機パイロットとしての生活が生き生きと書かれています。
パイロットになるまでの厳しい訓練から始まり、核戦争となれば「平均余命はおよそ九十秒」という冷戦末期の西ドイツの基地での「ぺいぺいの新人(FNG)」としてのスタート、湾岸戦争での初めての実戦参加とその後の士官クラブでのゴタゴタ、「ノーズ(機首)を上げろ」と言うと自分の鼻を上げてしまうようなエジプト人たちとの楽しい交流、「戦闘機パイロットが受けれる正式研修や訓練をすべて受けてきた」という著者による経験を交えた米空軍エリートパイロット育成過程の説明、さらに自身も巻き込まれた90年代後半の中東地域での不穏な空気や編隊長として参加した911直後の戦闘空中哨戒任務など、戦闘任務以外にも多様で興味深い事柄が多く書かれています。
著者は時にスペインの牛追い祭りに参加し、時に中東諸国での王侯貴族のような生活を満悦し、時にグレッグというエンジニアに手伝ってもらいながらナプキンの裏にHARMの目標指示システム(後のHTS R7)の設計図を書き上げるような愉快なことをする一方で、第一線で戦った現場の軍人としてイラク軍に多くの武器を売った親切なフランス人への嫌味を忘れず、パワーポイントを使って将校用のブリーフィングをまとめただけで青銅星賞を受けた少佐を非難し、米軍で蔓延している宇宙かぶれやUAVマニアをあざけり、優柔不断な本国の政治家たちについて遠慮のない言葉で嘆いています。
AGM-88 空対地高速対レーダーミサイル(high-speed anti-radiation missile:HARM) SAM攻撃の切り札として配備されていたが、この兵器に対する著者の評価は散々である。90年代はHTSによるHARMの命中精度は低かったが、著者を含む関係者は性能向上のための努力を続け、2012年から生産が始まった最新型のHARMはAARGMと名を変えて電波を停止した目標にも高い命中率を得られるようになった。
(出典:米空軍公式:http://www.nationalmuseum.af.mil/Upcoming/Photos/igphoto/2000503265/)
著者は自ら「ワイルド・ウィーゼルなしでは、アメリカ空軍による攻撃は成功しない」というほど重要な任務について、敵SAMやこちらの兵器の解説を交えつつ実戦経験者ならではの視点でその戦術・戦いを事細かに描いています。
特に「HARMを搭載する場所がもったいない」と言うほどの従来型の対レーダーミサイルに対する低い評価は実戦経験者ならではの生きた意見です。
対レーダーミサイルであるHARMは敵のレーダー電波に向かって飛ぶためSAMに不可欠な捜索レーダーや照準レーダーに対する有効な武器とされてきましたが、著者曰く精密誘導が不可能なHARMではSAM側がレーダーを断続的に利用するなどの対策を取られると「地面以外のなにかに命中したのか、それとも。たまたま携帯電話でぺちゃくちゃしゃべっていた気の毒なイラク人にあたったのかわからない」のです。
ワイルド・ウィーゼルを「飛行中に、未確認かつ予想外の可動式SAMに対して行われる特別任務」だと考えている著者は「戦闘の最前線では、つねに、積極果敢で破壊的なワイルド・ウィーゼルを決定的に必要とするだろう」と記し、それを実際に行いました。
一方で「五十カ所以上のSAMおよび重要な防空施設を”破壊”した」第77戦闘飛行隊の一員として「HARMを発射しただけでウィーゼル任務を終えることは、きわめて危険」だとも記し、イラク戦争で「驚いたことに、敵防空施設を破壊するという案を受け入れなかったシージェイ部隊」が「戦闘現場から30マイル離れた地点の高度3万フィートで戦争をし、毎日HARMを基地に持ち帰った」ことについて 「そんなのはごめんだ」 としています。(4)
それ以外にもデータリンクの様々な使い方や戦闘空域における僚機との連携などは実際の戦場を飛んだ人間では無いと書けないような記述が多く、現代空軍の実戦を考える上で大変価値ある一冊です。
パッチウェラーもしくはターゲットアームと呼ばれる兵装士官の証である戦闘機兵装学校の卒業パッチ、このパッチを着けたパイロットは「戦闘機パイロット版の特殊部隊か海軍SEALSと考えてもらえばいい」らしい。米空軍のパイロットの中から選抜された逸材がネリス空軍基地でさらに徹底的に教育されるが、その真の目的は戦闘技術の習得以上に最新の知識を飛行隊全員に広めることにある。(出典:米空軍公式:http://www.barksdale.af.mil/News/Article-Display/Article/634799/weapons-school-trains-airmen-for-war/)
また戦闘描写以外にも現代米空軍戦闘機パイロットを取り巻く環境が色々と記されているのも本書の魅力の一つです。
どのようにしてどんな人物が戦闘機パイロットになっていくのか、また戦闘機パイロットついて米空軍はどのような考えを持っているかについて、元パイロットならではの興味深い記述が多くあります。
特に本書第5章パッチウェアラーは米空軍組織の簡単な説明から始まり、飛行隊に配属されたばかりの「ぺいぺいの新人(FNG)」の扱いからネリス空軍基地にある米空軍最先端の戦闘機兵装学校(5)卒業までに行われる様々な訓練について事細かく記載されています。
厳しい入隊訓練やスリリングな実戦はさることながら、キャリアの過半を占める技量を維持・向上させるための無数の試験について、また避けては通れない組織的な問題などについても言及されているので、戦闘機パイロットに憧れる若者は一度読んでおいて損はないでしょう。
F-35ファンの私としては『このSAMの発見・追跡にEO-DASの全周視界があれば』とか、『このSAM陣地を探すのにEOTSのデジタルズームと画像共有があれば』とか、『素の状態で増槽二つ抱えたF-16並みの戦闘行動半径があるF-35ならば』とか、『ちっこいレーダー警戒受信機の表示もF-35のタッチパネル式大型液晶カラーディスプレイならば』とか、ここで『F-35の高度なデータリンクがあれば』とか、『ここでより強力な25mm機関砲があればとかとかとか、『ここでF-35ならば』とかわざわざ考え、その有効性に改めて驚嘆するという楽しみもありました。
米軍等に訓練用シミュレーターを納品しているBattlespace Simulations社のF-16によるHARMのシミュレーション動画、左下がレーダー警報受信機でF-16がレーダー波を探知した際に適当なシンボルと音でパイロットに知らせるものである。HTSを装備したF-16CJはもう少しわかりやすい表示がなされるようだが、著者が始めてバクダット上空を飛んだ際はあまりの多くのレーダー照射を受けたためにレーダー警報受信機の表示は「字並べゲーム盤さながらに見えた」とある。
色々と褒めてきましたが本書でも難点はいくらかあります。
まず我々一般人の頭では本書で書かれている地上付近を亜音速で複数の戦闘機が飛び回り、多数のSAMが発射されるワイルド・ウィーゼルの戦闘を十分に追いきれないところです。
難しい戦闘を最低限の描写でテンポ良く描いているので普通に読み進めれば『なんかスゲー所を飛んでいる!』って感じで読めるのですが、本書に書かれた戦闘を頭の中で真面目に再現しようとするとバクダッド上空を亜音速で飛び回る2〜5機の戦闘機と何処にあるかよくわからないSAMの動きをトレースしつつ、独特の言い回しを多用するパイロットのやりとりを理解し、さらに忌々しいヤード・ポンド法を換算しつつ本を読むことになります。(私は律儀に読み解くのを半分くらい諦めて、ポコスカ撃ち上がるSAM描写を楽しむようにしました)
またハードカバーで400ページ近い長さで内容もギッシリ詰まっているので大変読み応えはあるのですが、写真や図は最初の数ページにあるだけなので目を休めるページが無く、その写真や図も著者とF-16が主なので基礎的な現代空戦や戦闘機、地対空兵器の知識が無いと手が止まる箇所が多くなるかもしれません。
最後に本書の邦題がいけません。本書の邦題を「F-16の”エース”・パイロット 戦いの実録」としてしまっているので、私のように空対空戦闘が主だと思って本をとる人が多いでしょう。内容は空対地戦闘が主なので昔ながらのドッグファイトを期待して読む人は肩透かしを食うでしょうし、この題名ではワイルド・ウィーゼルの戦いや地対空ミサイルについて興味を持つタイプの人々には届きません。
本書は現在の空軍、その中でも空対地戦闘に興味がある人には強くオススメします。
また前半部分の米軍の戦闘機パイロット育成方法は、米空軍の強さの秘密を知りたい人々には大変有益なものでしょう。
さらに昔の私のように『どうせ現在米空軍の話なんて圧倒的な戦力で敵地上軍を一方的にイジメて、こっちは数発のミサイル撃たれだけなのに”危険な任務だった”とか言うツマラナイ空戦ばかりなんでしょ?』とか失礼な事を思っている人には是非とも読んで欲しいです。F-15EやA-10、戦闘ヘリなどが撃たれる分のミサイルをまとめて引き受け、なおかつ反撃で敵SAM陣地を粉砕するのが本書のワイルド・ウィーゼルのお仕事です。
もう一つ言うと昔の私のようにコソボ紛争におけるF−117撃墜について調べた際に『本来HARMでSEAD任務を行うべきF-16部隊が出撃してないじゃん、これくらいしっかりやっとけよ〜』なんてSEAD任務を軽く考えている人にも是非読んで欲しいですね。本書を読めばF-16CJによるワイルド・ウィーゼル任務が如何に過酷なものか、そしてHARMのSEADだけでは多くのSAM陣地が残されることがよくわかります。
一方で相手が相手なので映画「トップガン」のようなわかりやすいドッグファイトはありません(この本で書かれているのはより複雑で高度で多くのミサイルが乱れ飛ぶ戦いです)
また空対地戦闘と言えば一番に思いつくであろうA-10による近接航空支援とは毛色が違い、地上部隊と共闘して敵装甲車に機銃掃射を食らわすような戦闘はプロローグで書かれている海兵隊支援ぐらいしかありませんので、そういったもの”しか”求めていない人には物足りないかもしれません。
適時必要な説明は書かれていますが内容は決して初心者向けとは言えず、個人的には現代空戦に関する知識が無い人にこの本をオススメするのは気が引けます。
一方で現代空軍について知り始めた人、地対空ミサイルにロマンを感じる人、現代の戦闘機パイロットに興味がある人、エースコンバットでSAMをイジメて「俺TUEEEE」とかやっている人には是非とも読んでもらいたい本であります。
注
1)著者によれば「SAM陣地を攻撃するのは、少なくとも、敵戦闘機を撃墜するのと同じくらい困難で危険」であり、最近米軍が失った固定翼機の多くが地上砲火により失われたことを勘案すれば「空対地攻撃の”撃墜王(エース)”という称号が存在しないことに、首をかしげてしまう」ようです。
2)Wild Weaselの訳について、本書ではワイルド・ウィー"ズ"ルとなっていますがグーグル検索ではワイルド・ウィー"ゼ"ルの方が一般的なので、この記事ではワイルド・ウィーゼルで統一します。
3)SAM陣地の防壁は隠蔽や至近弾による被害拡大を軽減するためのもので、基本的にレーダーやSAM発射機は非装甲の状態です。そのためSAM陣地攻撃にはクラスター爆弾のような上からの面制圧兵器が有効です。 なおクラスター爆弾禁止条約の署名開放は2008年からなので、本書で取り上げられている2003年のイラク戦争でのクラスター爆弾の使用には何の影響も与えません。
4)多少難しい解説をすると、著者がHARMに否定的なのは封じ込めや抑止を中心とする敵防空網”制圧” (Suppression of Enemy Air Defence: SEAD)の限界を指摘するためだと感じました。60年代や70年代にはお粗末な指令誘導方式のミサイルが多くこの考えが通用しましたが、電子機器の性能が向上しSAM側が多様な誘導方式を行えるようになるとこの考えは通用しなくなります。またHARMで敵SAMのレーダーを一時的に無力化しても、SAM部隊が生き残っている間は味方航空機への脅威となり続けるのです。
著者を含むSEAD懐疑派はワイルド・ウィーゼルの任務をより索敵破壊を重視する方法に導き、イラク戦争ではHARMを補助的に使いつつクラスター爆弾等でSAM陣地を完全に破壊する敵防空網"破壊"(Destruction of Enemy Air Defence:DEAD)を果敢に行い、湾岸戦争と比べて米軍機の被害を劇的に低下させる事により自論を証明しました。
5)日本語版ウィキペディアでの「アメリカ空軍兵器学校」のこと、ここは「元々は1949年に航空機射撃学校(Aircraft Gunnery School)として開設されたものであり、1953年にはアメリカ空軍戦闘機兵器学校(USAF Fighter Weapons School)に改称され」、「1992年に航空戦闘軍団の設立に伴い、そこの所属とされ名称もFighterを取り、アメリカ空軍兵器学校(United States Air Force Weapons School)となった」ようです。
柏書房
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コメント
凄く興味深い内容で惹き付けられました。
DEAD、目標へ探知を恐れずに突っ込みSAM陣地を撃破する技量は凄まじいですね。
思えば電子戦装備の優劣も相当響きますね。
戦闘ヘリも冷戦時に同様の運用を考えられていた事を思うと興味深いです。
現代の空軍には必須の存在ですね。
空自も陸自相手に訓練してますが、ソ連式防空網を西側で行ってるといえる防空火力を如何に食い破ってるか興味深いです。
海自相手では、イージス艦にやられたという話をJ-Shipで読んだ記憶があるので、XASM-3に期待したい処ですが・・・
まあ、出版企画者が軍事に疎いんだろうけど
途中のF-35age部分(私も同意見)はご愛嬌としても、ワクワクしながら一気に読んでしまいました。柏書房から感謝状と金一封もらえそう。
文中、マーベリックが「地対空」になっていますので訂正を。
勝手なお願いだが、新しい情報や動きがあったら、また「F-35モノ」を投稿してくれるとありがたいです。
いつもコメントありがとうございます、2月14日の記事のコメントと一緒に諸々お返事をすると
①HARMなどスタンドオフ兵器の利用:この本でハンプトン氏はHARMについてはスタンドオフ兵器としてよりもSAMの照準レーダーを阻害するジャマーの延長として使っているように感じましたね。HARMの他にもジャマーやフレア、曳航デコイ、さらに事前に頭に入れたSAMについての知識までフル活用してSAMからの攻撃を阻害し、SAM陣地に肉薄する描写が印象的でした。
その辺りを考えると最近話題のA2/ADの議論で、やたらと長距離兵器に対してはこれに勝るスタンドオフ兵器が無いとダメだ 的な空気があるのは大事な事を見落としているようにも感じます。
②と③SAM同士の連携や早期警戒体制:イラクは80年代にフランス人の協力を受けてKARIと呼ばれる戦略防空システムを構築していました。それにより各地のレーダーサイトやSA−2やSA-3などの高・中高度防空ミサイル、また基地戦闘機隊をも統制する中央集権的な防空体制を有していたようです。しかしSA-5(S−200)やSA-12(S-300)のような長距離地対空ミサイルを保有していなかったので複数のSAMサイトの連携には制限があったかもしれません。
しかし実戦においてKARIは米軍による電子戦により大きな被害を受けて早期に無力化されているので、仮に長距離地対空ミサイルがあったとしてもそれを活用出来るかは怪しいです。
ただSEAD中心の湾岸戦争では30機以上の固定翼機などが失われている一方、DEAD中心のイラク戦争では固定翼機1機とヘリコプター6機と劇的に被害を軽減させていますので、電子戦やSEADでレーダー網を破壊してSAMサイトの連携を阻止したとしても、SAMが生き残っている限り航空機の脅威になり続ける というのは電子戦を評価する上で重要な戦訓だと思います。
現代戦には豊富な事前情報に基づき機械的に刻々と進む面と、伝統的な未確認・予想外の脅威に対して果敢に対処しなくてはならない事態がかつてなく混在しているので、無人機時代になっても(あるいは無人機時代だからこそ?)高度な訓練に裏打ちされたイかれた野郎達がロマン溢れる戦いを行う戦場は残り続けると感じました。
※3
原題が「Viper Pilot: A Memoir of Air Combat」なので要約としてありなのですが、なんとも惜しい感じですね。
ハンプトン氏はこの本以外にもベトナム戦争のワイルド・ウィーゼルや空戦の歴史全般についての本を書くなど精力的に執筆活動を続けていますので、今度はイカロス出版あたりに翻訳・販売をお願いしたいもんですw
自分もこの本を読むまでSEADやDEADについて漠然としたイメージしかありませんでした。
地対空ミサイルとの戦いは幸か不幸か日本では馴染みの薄い新しい戦闘方法なので、知る機会がなかなか無いのが難しいところです。
柏書房から感謝状と金一封はもらえそうもありませんが、このブログ経由でこの本を買えばアマゾンさんからの広告収入が増えて連載や軍事講座の記事が増えるかも?
個人的にも紹介された本が売れると嬉しいので、気になる人はどんどんアマゾンに飛んで行って購入すれば良いと思うよ!
F-35ものも書きたいという思いは強いのですが、筆が遅くなかなか思うように進まないのが残念なところ(´・ω・`)
誤字については後日管理人様に修正をお願いします(汗
※6
砂漠の嵐作戦とコソボ紛争の空中戦闘で米軍が失った固定翼機が一機だけなのに対して、地上砲火により18機が撃ち落とされた っていうので本当にSAM狩りの達人こそ現代のエースパイロットに相応しいとか思っちゃいますね。
ただこういった戦いは圧倒的な航空戦力を持つ米軍だからこそできる戦い方であり、我らが自衛隊などは依然として航空機同士の戦闘が必要とされる機会が多そうだ ってのは忘れてはならない視点だとも思います。
強いて一つ疑問なのが、今もワイルド・ウィーゼルの任務には囮となるような機体があるのでしょうか?
仮にまだあるとするなら囮役は冷や汗ものですね。
あとは、かわいそうなイラク人の文面を読んで、対レーダーミサイルに対する欺瞞工作なんかも(改善されてるので何ともですが、)出来てしまいそうで強固で強力なデータリンクと防空網を持つ国相手じゃなくても今後は苦労することが有りそうにも感じました。
最近DCSに興味を持ち始めてSEAD関連の本を探していてこれを見つけていたのですが仰るとおり題名が題名なので躊躇していたところです。お陰様でポチる決心がつきました。
ちなみにSAMシムというSAMを操作するシミュレーターの面白い動画が。
http://sp.nicovideo.jp/mylist/50591949
SAM視点から見たSEADの一例という事で。
F-15EのWSOさんが先達としてレーダー関係の説明してくれてるのに
「パイロットでもないのにデカい面すんなよ」とかやったり、
「BVR戦闘なんて長距離飛行時のウェイポイント確認処理みたいなもんだろ」とか。
ボケッと警戒飛行中に秘匿移動中のSAM部隊に目視距離で出くわして無我夢中で逃げまくる話とか。
基本「ハリウッド映画とかだと真っ先に死ぬはずのイケイケキャラ」なのよね。
こちらこそ素晴らしい紹介文を拝見しました。
①ベトナム戦争以来の方法が現代も続いてるのがビックリでしたよ。
射程より如何にミサイルを封じるかが肝心なんですね。
確かに、米軍の防空陣地攻撃では電子的な攻撃が必ずセットで、HARMにパラシュートを取り付けるといった手法は策敵照準レーダーの妨害を意図してますよね。
個人的に中高度以上から、レーダー探知をむしろ前提として、電子戦の技量で捻り潰す米軍パイロット達の能力に改めて感服しました。
確かに、この方法ならより破壊力のある爆弾の方がHARMよりDEADに向いてますね。
②③KARIに用いる早期警戒レーダー網が開戦時に壊滅に追い込んでいたかと思います。
そして、S-300クラスのSAMが欠如してたのは大きいですよね。
あれが存在するだけで、この作品の著者はより高度な技量と判断を要求されたでしょうから。
また、作品をなかなか手に取れないので申し訳ないですが、低空侵入によるDEADという手法も書かれてるか気になる処です。(最早、低空侵入フリーク状態w)
攻撃ヘリによるDEADは陸軍や海兵隊の領域なので、流石に触れてなさそうですね。
アマゾンでポちる価値ありそう
囮になる装備はあるよ
ADM-141 TALD使い捨てデコイ
湾岸戦争時に百発以上使用された
書かれていないようだし、これが書かれたころは軍事機密だったのかね?
湾岸戦争時に使用されたのが当時はわからなかったものとして他に誘導砲弾エクスカリバーがあるな
あとMLRSあたりから十数個ばらまかれでパラシュート落下、車両を自動ホーミング攻撃する自己廉造弾
こっちはイラク戦争だったかな
欧州では曳航式デコイなんて標準化されつつあるし、イスラエルはTALDの生みの親、欧州でもあったはず
トーネードECRさんもいるで
サザンウォッチサウスウォッチ作戦では旧式のジャギュアでさえ損害無し
イスラエルはSAM制圧の徘徊型突入自爆UAVも開発、アメリカ軍も採用
名前はハーピーだったかな?
中国も購入したがアップデートは拒否られたな
ある時、アメリカ空軍機がARMを搭載していない状況で地対空ミサイル管制レーダーに捕捉された。
そこでパイロットは無線で一言「マグナム!」とコールしてみた。
敵軍の管制官がこのコールを傍受してARMが発射されたと判断したのか、敵のレーダー照射が止まったという。
この話ってどっかに元ネタとかあるんですかね。
まさかワイルド・ウィーズルの話だったとは…。
SAMサイトをガンキルするところまで平常営業なのに驚愕。
今時はSAMサイトを本気で殺しにかかるのがトレンドなんですなぁ…。
SAM狩りといえば、小説だけどスティーブン・クーンツの『デビル500応答せず』が面白かった。
ただこっちは乗機がA-6Bなので、ARMでレーダーの活動を妨害するのがメインで、この本みたいに執拗にSAMサイトを潰すようなところまではやってなかったかと(たまに視認できたSAMサイトにクラスター爆弾を投げつけるくらいで)。
>ワイルド・ウィーゼルの任務には囮となるよな機体があるのでしょうか?
専業の囮はありませんが、本書では都市部周辺など危険地帯を周回するときに二機編隊のうち一方は危険な内側でSAM探索、もう一方は安全な外側を飛行させて警戒役にする といった感じの事が書かれていました。
また二機編隊三組の計6機からなるシックスパックで、まず二組が両側からSAMに攻撃、多方向へ同時にミサイルを発射できないSAMはどちらか一方の編隊にミサイルを発射する、SAMに撃たれた方の編隊は回避の為に旋回して代わりに三組目の編隊が攻撃に参加する という囮戦術をさらに攻撃的にしたような戦術も使っています(この戦法はハンプトン氏が開発し、何年も磨いてきた新しいハンターキラー戦法みたいです)
>対レーダーミサイルに対する欺瞞工作
さむしむ! のコソボ紛争シナリオではそんな装置でHARMを避けていますね。
IRZという装置で「対ARM用のデコイでレーダーと同じ電波を放出するらしい」のですが、検索してもそれらしい情報が出てこないので詳細はわかりませんでした。
参考: [ゆっくり実況プレイ]さむしむ! Vol.10 :http://www.nicovideo.jp/watch/sm27388161
ある兵器に対抗装置が出てくるとその対抗装置の対抗装置が出てきて、さらにその対抗装置の対抗装置の対抗装置が〜 と延々と続いていくのが兵器開発の面白いところです。
Mig25に防空網制圧任務型があったような気がします。
ミサイルからクラスター、機関砲に任務が進化(退化)するのは不思議ですね。
さむしむ! の動画は面白いですね〜 自分はこの動画からSAMに興味を持ちました。
DCSといえば先日このブログのコメント欄で知ったDCS Worldの動画が面白かったです。
参考:戦闘機パイロット始めました!シリーズ:http://www.nicovideo.jp/mylist/60847179
この人の動画でやってるミサイル回避さらに高度に行い、変態なレベルの編隊を率いて編隊戦闘を地上の固定SAM陣地相手にやってるのが本書のワイルド・ウィーゼル任務な感じですね
特に編隊飛行編で行われているやり取りは本書での戦闘中のやり取りとかなり似ているので両方見れば十倍楽しめる事間違いなし!
※12
>基本「ハリウッド映画とかだと真っ先に死ぬはずのイケイケキャラ」
なんとなくわかります、それでいて優秀な教官属性も持ってる凄い人なんですよね。
「Dan "Two Dogs" Hampton」で検索すると最近のインタビューの記事とかも出てくるのですが、相変わらずな感じで安心しますよw
①HARMにはパラシュートを装備していなかったはずです、対レーダーミサイル(ARM)にパラシュートを装備しちゃうのはイギリス人ぐらいだったはず・・・
ぶっ飛んでいるように見えて実はちゃんと意味がある、英国人は流石やで
②③KARIの早期警戒レーダーが物理的に破壊された事については書き忘れてました、まぁSIGINT /ELINTで入手した情報から攻撃したので電子戦の一環と強弁できなくもない? 流石に無理があるかw
補足するとイラクは国土の大半が無人の砂漠という地理的条件なので、重要な拠点となる大都市を中心とした防空網を構築していました。なので辺境の警戒レーダーまでちゃんとした防空装備があったのかどうかは怪しいところですね。
S-300についてはあれば使えたでしょうが、重要目標だとステルス機や巡航ミサイルの標的にもなったでしょうからどの程度の影響力を持ち得たかは微妙な所です。
本書には低空侵入や攻撃ヘリによるDEADは記載されていませんが、さむしむ!の最終回がちょうどS-300を使った1986年のリビア爆撃の防空戦で低空目標への攻撃やHARM対処などがありますね。
参考:さむしむ! Vol.20:http://www.nicovideo.jp/watch/sm28401108
リビア爆撃は奇襲的な攻撃により低高度からのHARMによるSEADが完璧に決まっていますね。
作戦は海軍主体、目的はカダフィー大佐関連施設のみ、敵が潜伏していない海上を低空飛行、攻撃は一晩のみと条件がイラクとは全然違いますので、その差異も含めて比較検討してみると面白いかもしれません。
このように低空侵入によるDEADも条件次第ではかなり有効だと思いますが、これに攻撃ヘリを使うとなると速度と武器の射程と自衛装備の質的に難しいのじゃないかと思えてきます(´・ω・`)
先日紹介した『イラン空軍のF-14トムキャット飛行隊』にはイラン・イラク戦争時にイラクに派遣されたソ連パイロットの乗る「ワイルド・ウィーゼル」型のMig-25BMがKh-25MP(AS-12)対電波源ミサイルでイランの防空ミサイルや早期警戒レーダーを攻撃した話が載っていますね。
しかしそれ以外のロシア軍ワイルドウィーゼルの詳細については残念ながらわかりません。
※16
確かに曳航デコイはしょっちゅう使っていますがADM-141 TALDのような使い捨てデコイについては特に言及はありませんでしたね。
ジャミングポッドについての言及も極端に少なかったので、機密事項として書けなかった点もいくつかあるんだろうなと感じられます。
※17
イスラエルのF-16Iが先日一機撃墜されましたが、あれはシリアの防空設備を破壊した帰りだったみたいですね。
能力は確かにあるのですが被害も出ており、それを継続して行おうとした場合にどれほど戦果をあげ続ける事が出来るのか? って点は難しい問題だと思います。
欧州各国についてはコソボ紛争の頃から米国への過度な依存が言われており、最近の中東地域への介入でも少なくない問題が出ていたと記憶しています。
(かなり確率の低い話ではあるのですが)米国の支援の無い単独での作戦継続能力という視点で考えると、軍事費不足の欧州各国は怪しい所があるんじゃ無いかと思う次第です。
まぁ戦略的な視点を無視した仮定なので、そんなに意味ある話では無いのですが・・・
※18
米軍内にもミサイルやUAVの信奉者が多く、その点はハンプトン氏も悩んでいて早期退役の一因であった事を匂わせていますね・・・
机上の空論だけで話を進めてしまうハイテクの信奉者について、本書では度々非難的に取り上げられてもいます。
MALDは空中発射巡航ミサイル程度の大きさながら、自らを大型爆撃機や戦闘機として敵レーダーサイトに誤認させる能力で味方攻撃部隊のSAM狩りを助ける無人兵器で、主力攻撃部隊に先行して敵SAM防空網に突っ込んで注意を引きつけて、囮になることで後続の攻撃部隊を助けるものだとか。
戦闘中のパイロットは面倒な秘蔵無線よりも相手に傍受されても扱いやすい通常の無線での通信を好むようで、イラク軍には通信がかなり聞こえてたみたいですね。
本書ではそれを利用して偽のHARM発射を計画的に行う描写が何度も出てきますので、そういった実話から生まれた話なんじゃ無いのでしょうか?
※20
必要とあれば何でもしちゃうのが戦争ですからw
あと技術的な問題で80年代初めのSEADと最近のDEADでは大きな差異がある事にも留意すべきでしょうね。あの時代は今回紹介したような曲芸は必要ないとされていましたから
※21
自分も思わぬ発掘でした、こうして見逃してしまった本は結構多そうで悔しいです←そういって本を買い過ぎる人
ここまでSEAD任務が攻撃的になったのはイラク戦争で著者らが暴れまわったから って感じですね〜
本書が指摘する所によると「私たちは、しばしば敵の能力を、私たち自身の能力と同等とみなしている」「その結果、欠点のある戦法を産んでしまう事がある」らしいです。
それを才能ある人間が色々と努力して正しい方向に修正して行き、実戦で相応の結果を実現する というのが米軍の真に凄いところだと思います。
※22
常套手段 と言うほどかはわかりませんが、機銃掃射を受けたったことはスタンドオフ兵器や誘導爆弾に耐え切って未だに驚異となる設備が残っていた って事でもあるので、「ARMすら要らずにやられ」どころかワイルドウィーゼルの猛攻をある程度以上耐え切った証明でなのですよ。
時期的にハンプトン氏が望みつつもイラク戦争には間に合わなかったスナイパーポッドやH型マーベリックミサイルが配備され、AGM-88D HARMの次世代型であるAGM-88E AARGMが使用された可能性も高く、本書での戦いよりも一層厳しい条件下での演習であったはずなので、そんな相手に演習とは言え十分以上の戦いを見せ、高く評価されている自衛隊の中SAM部隊は相当なもののはずです。
ミラーさんすまぬ、さむしむ!の動画はS−300じゃなくてSー200だ(´・ω・`)
S−300はS-200よりも新しく、車載する事により移動能力も得ているので動画のS-200よりかは能力が高いはず。
まぁ冷戦終了後に米軍はS-300を買い集めているので、中身一式解析して対抗策を講じていそうですが・・・(こういった兵器の入手・解析能力の高さも米軍の恐ろしさよブルブル)
マジで?って思ったら1994年にベラルーシから、そして何時だかは分かりませんがクロアチアからも買ってるみたいですね。MiG-29、Su-27と言いこうやって買い集めてて研究してるって凄いっすね…
最近の戦闘機は普通に対レーダーミサイル運用してるし
ワイルドウィーゼル任務のF16もポッドのみで機体に特段の専用電子装備などしとらんし
湾岸戦争で活躍した専用機F4が最後か…
損害ゼロじゃなかったっけ
①すみません!別の装備と誤認してました!
②③
湾岸戦争時の都市部防空能力はソ連軍由来の強烈な物でしたものね。
さむしむ!面白いですよね!
自分はプレイしようとして、放置したままです()
辺境部のサイトの防護は比較的弱かったとはいえ、それを失ったのはKARIの運用に支障をきたしたはずですよね。
リビア空爆の事例もありましたね。
攻撃ヘリによるDEADですが、速度がない分を機体の特性で補う事になります。
地形や地平線を利用し射線から隠れつつATMや機関砲を撃ち込んでいったり、地形を利用して防空陣地外縁まで忍び寄り一気にロケット弾をばらまくといった奇襲を行うという方法です。
確かに、本格的な防空陣地相手には厳しいでしょうが、元々想定されてた野戦防空陣地相手なら今でも有効かと思ってたりします。
しかし、いい本ですね。(予算に対するワイルドウェーゼルをプリーズ)
もっとも初日はF117のみだけど
デコイのTALDを大量に射って大混乱、巡航ミサイルも大量に飛来
その混乱の中、基本先陣を切ったのはEF111、EA6B電子戦機とF4ワイルドウィーゼル
辺境といっても各所に基地あるでしょ
ミサイル網は破壊しても、低空で滑走路破壊を任務としたトーネードは火砲で序盤にかなりやられた
同じく低空近接支援のハリアーも初期には結構やられた
A10の方は航空阻止任務をやらされるまであまり損害伸びなかったな
リアルタイムで情報集めてたが、トーネード、ハリアーの損害が目立ったな
A10はぽつりぽつり
ワイルドウィーゼル任務のF4の損害が無かったのが驚きだった
ベトナム戦争の頃とは隔世の感
ワイルドウィーゼルは過酷な任務であろうが、数字の上では、、
大変だ大変だと言うわりに損害出てない
<ミサイルからクラスター、機関砲に任務が進化(退化)するのは不思議ですね。
進化(退化)すると言うよりも選択肢が増える って感じかもしれませんね。
ミサイルは長距離でも命中率がある分確実性と威力にかける、クラスター爆弾なら広範囲に被害が望める、機関砲なら確実迅速に攻撃できる、それぞれ一長一短ですが、ウィーゼルのズバ抜けたパイロット達はパンチ力と確実性をより重視してる気がします。
※29
空中発射式デコイも今後大事になるでしょうね〜
しかし軍事機密なのか、HARMを怖がりレーダー照射をためらうイラク軍にはあまり効果がなかったのか、この本では言及はありませんでしたね。
実態がどうだったのかは今後の情報公開に期待しています。
※32
90年代はソ連崩壊後の混乱期でロシアも韓国にT-80を売ったり日本にフランカーを売り込んだりしてますが、こういう時にしっかり物を揃える米帝は流石ですわ・・・
※34
電子機器の発達と予算不足で専用機の必要性は薄れている感じですね。
ただハンプトン氏がF-15Eの兵装システム士官を乗せて指導飛行した時に、F-15Eで二人でやっていることを一人でしていることにびっくりし、また心配されたようなので、電子装備の充実はパイロットのオーバーワークを招いて将来的にはまた専用機的なのが復活する可能性もあるんじゃないかと感じました。
その点F-35のセンサー融合でパイロットの負担を減じているみたいなので、合わせて今後どうなるか注目しています。
自分もSAMSimしたいけど画面解像度が足りないみたいです(´・ω・`)
辺境のレーダーサイト含めて敵の防空網を破壊・無力化するのが必要なので、そういった意味ではウィーゼルのみならず戦闘ヘリによるレーダーサイト破壊やトーネードによる滑走路破壊などもKARIの無力化・制空権確保に必要不可欠だったんでしょうな〜
正直湾岸戦争やイラク戦争の全般まで調べられてないので、こういったコメントで指摘されると今まで自分が見逃していた所に気づけて助かります♪
※37
トーネードは危険な任務の割に被害が少なかったともいなくもないけど、同じく危険な任務に従事したF-4Gの被害の少なさと対比すると評価の難しい所ですね。
ハンプトン氏が湾岸戦争でベテランの乗るF-4Gの僚機として出撃した時のことも本書で少しだけですが描かれていますが、その中で「最初にはいり最後に出る」というウィーゼルのもう一つのモットーを実践していたのがとても印象的でした。
F-4Gのウィーゼル任務に関しては最近発売された文林堂の世界の傑作機シリーズ、F-4E, F, GファントムIIにかなり詳細に解説を行なっている記事が載ってましたね。
買いたいけどもお金と本を置く場所が無い(´・ω・`)
※15 33 36
皆様ありがとうございます! 埋もれた名書なので皆さんに読んでもらって嬉しいです。
皆様がポチってくれたお陰か、Amazonの売れ筋ランキングで昨日は軍事入門150位ぐらいだったのがさっき見たら15位と「民間防衛」の次にまで急上昇してました。
か弱い市井の軍オタですが、こうやって皆様に面白い本を紹介して業界の活性化に少しでも貢献できたと感じられて幸せです。
この調子で売れればハンプトン氏の他の著作も翻訳出版されるはず⁉︎(流石にそこまでは無理かw
F16は大勢力で他の任務もあったし若干多いが近接支援主任務の機体よりはマシ
曳航式デコイ登場後のイラク戦争では損害は格段に減る
そりゃやってる人達は命懸けだろうけど、近接航空支援ほど低空には降りないんじゃない
高度300mとか当たり前になってくる
ある程度高度があれば西側機にミサイルなんて中々当たらないんじゃと思ったね
確かに解像度必要ですよね。
湾岸戦争では戦争序盤にかならの航空撃滅戦(航空基地攻撃)を行ってますよね。
イラク空軍を封殺したのは、被害減少に大きく貢献したでしょうね。
DEADも敵空軍活動圏内ではかなり難しくなりそうです。
※40
SEADは確かに離れた場所から高い高度を飛びつつなイメージですが、DEADはCASと同等の攻撃を敵防空圏内で行ってる感じですね。
ミサイル等が足りなければ機銃まで撃ち込むのはよっぽどかと。
今回紹介されて書籍を読めばもっと詳しく分かりそうなので、読んでみたい処です。
石川佳純ガンバレ!!
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