無題 Name 名無し 17/11/29(水)02:14:17  No.1230546

武器と爆薬―悪夢のメカニズム図解

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空気信管っておよそメリットしか無いように思えますが欧米の評価はどんなものだったんでしょう?
海外でも似たようなものはあったのかな?
武器と爆薬―悪夢のメカニズム図解
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無題
Name 名無し 17/11/29(水)15:01:00  No.1230567
この空気式信管を使用する新型マ弾は(従来の複雑な機械式信管と比べ)信頼性を極度に高め暴発事故は激減
かつ信管機構の単純化・小型化により生産効率は従来比8倍となり弾頭(弾丸)にスペースができたため炸薬量も増え威力を増している
だってさ

無題
Name 名無し 17/11/29(水)23:31:29  No.1230592
機体表面ではじけちゃうってデメリットがあったような
遅延信管が作れないんじゃなかったっけ?

無題
Name 名無し 17/11/30(木)21:23:04  No.1230641      
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日本陸軍で空気信管の開発に当たった渡辺三郎技術少佐さんの回想によると、もともと昭和17年5月頃、航空機用20ミリ榴弾(100式小瞬発信管付)で腔発事故が発生して、その原因調査を命じられた際、とりあえず調査の為信管から撃針その他の一切の内蔵物を除いて射撃試験を実施してみた所、なぜか発火するはずのない雷管が発火している、という不思議な現象に気付いたのが始まりであったんだそうで

「撃針のない雷管がどうして発火したんだろう(略)砂浜にころがって考えこんだ。信管がぶつかる。蓋板がめりこむ。そうだ断熱圧縮による雷管の発火か、音速以上の超音波によるエアコラムの雷管面衝撃かだ。蓋板式だから、中空だからこの現象が起こるのだ。そう考えると、とんでもない新しい信管の世界が突然開けてきた」

無題
Name 名無し 17/11/30(木)21:28:43  No.1230642      
…という渡辺さん、早速上司さんに報告するんですが、当初はまるで相手にされず、仕方なく自分なりに試作品を作っては実験を繰り返していたそうなんですが、遂には

「馬鹿なことにいつまでとらわれているんだ。撃針のない信管が発火するはずがないじゃないか。つまらん研究は即刻中止しろ」

…と激しく叱責される始末

かくして一旦、「空気信管」開発は一技術者の泡沫の夢と消える所であったそうなんですが、

「これが実現すれば、正に信管の革命である」

…と信じる渡辺さんはその後もコッソリ余剰弾薬で研究を続けておられたそうなんですがw
そんな状況が昭和18年初頭、兵器行政本部で行われた秘密兵器研究会をきっかけに一変したんですとか

無題
Name 名無し 17/11/30(木)21:30:34  No.1230643      
「当日、主催者側から発言があって、イギリス製スピットファイヤ戦闘機の20ミリ機関砲弾薬を押収したところが、その信管は雷管の上部が全部空洞であった。これはなんのためかわからないが、おそらく演習用のために不発にしたものだろうかと…なんの気なしに聞いていた筆者(※渡辺氏)は、ハッとして立ち上がった。自分が経験した現象、ならびにひそかに研究してきた経過を簡単に発表した」

「造兵部設備課長熊谷大佐からそんな重大な発見、そして脅威の研究をなぜ速やかに行政本部へ報告しないのか、一造兵廠の隅でこっそり研究して成果のあがるはずがない、と満座の中で詰問された。筆者の胸のなかは自分の研究が認められたよろこびと、他国に先んじられた無念との相交錯した異様な興奮が渦巻いていた」

無題
Name 名無し 17/11/30(木)21:31:13  No.1230644      
…なんて事がありまして、かくしてめでたく「空気信管」は有望な研究と認められ、研究序列はあがる、予算は付くと一気に進展しまして、18年4月にはほぼ完成に漕ぎつけることが出来たんだそうで

春秋の筆法によるなら、「空気信管」お蔵入りの危機を救ったのは鹵獲されたスピット(用の20ミリ機関砲弾)だった、って事になるわけですが、空気信管効果?を併用した弾丸ってのはイスパノスイザ20ミリでもエゲレス仕様のみだったのか、採用諸国全般で取り入れられていた仕様なのか、気になる所ではありますのう…w

無題
Name 名無し 17/12/01(金)01:02:32  No.1230660 
イギリスで同様の物が使われていたのですね

無題
Name 名無し 17/12/01(金)02:44:58  No.1230667
機銃弾は普通何発ずつかに一発曳光弾が入ってるから
そんな感じで数種の弾が混ざってたのかも

無題
Name 名無し 17/12/01(金)10:30:45  No.1230683
17年5月頃に気が付いてたのに上司に却下されて一人細々とやってたのが18年初頭に認められて予算付いてわずか数か月後の4月にはほぼ完成
これ上司は減給どころの話では無いですな

無題
Name 名無し 17/12/01(金)18:56:18  No.1230704
発明の価値に気が付けるのも素養が必要
「それが何の役に立つの?」なんて上司だと終わり

無題
Name 名無し 17/12/01(金)20:50:22  No.1230713      
https://cgi.2chan.net/f/src/1512129022958.png
一応渡辺さんはこの上司さんについては、常々「終始親切な指導と激励をいただいた所長」であった、とフォローしてまして、回想記の最後にはこの文をこの先輩(上司)さんに捧げる、と感謝の意を示しておられていたりします

因みに渡辺氏、昭和6年東京第一陸軍造兵廠の信管工場に就職して以来、足掛け15年「およそ信管と名のつくものは何でもござれで、製作と研究とに没頭してきた」そうなんですが、当時の状況について

「一般に、兵器は当時の観念でその尊厳をやかましくいわれ、とくに弾薬さらに信管は(略)まかりまちがえば重大な事故のもとになるので、設計も審査もきわめて厳重で、何年間も何千発もの射撃経歴を経ないと一人前の信管として通用せず(略)陸軍の技術本部がいっさいの実験をにぎっていた」

無題
Name 名無し 17/12/01(金)20:52:10  No.1230714      
https://cgi.2chan.net/f/src/1512129130217.png
「造兵廠はただ命のままにおとなしく造ってさえいればよいのであって、わずかな寸度や材質の改正の申し出も、そのために明瞭に性能がよくなる、機能はかわらずに多量生産ができる、といってもちょっとやそっとで通るものではなかった。技本の偉い人のたくさんの印の陰にまず8割は頓死し、のこりも一年近くの実験期間を必要とした。もちろん、絶対互換性の必要な弾丸との結合部や、化学変化を考慮しなければならない火薬との接触部分なら問題とするのが当然であるが、完成したら他に関係のない信管構造部がそうであった」

無題
Name 名無し 17/12/01(金)20:55:23  No.1230715      
https://cgi.2chan.net/f/src/1512129323888.jpg
「ノモンハン事変の時のソ連の飛行機や戦車が弱点とわかった部位を、きわめて急速に一ヵ月や二ヵ月で改造して前線に出陣する神速ぶりに、われわれは驚異の目をみはった。おそらく日本だったら半年以上かかったに相違ない。もちろん、工業力の相違もあろうが、徹底したセクショナリズムと技術を尊厳づけるために階級が必要だったからだ」

…なんて述べられておりましたり

何となく、技術者として色々やるせないことがあったんだろうというか、思う所の多かったんだろうってのが紙背に読み取れるんですがw

それまでやさしい先輩だった上司さんが、こと新規理論に基づく開発の段になると途端に厳しくなった、ってのは、或はこういう事情が影響してたのかも知れませんですねえ

無題
Name 名無し 17/12/01(金)21:56:08  No.1230721
陸軍のフットワークの重さは九九式高射砲を牽引式に改造するためだけのキットを本土空襲で都市が焼かれてる中延々と試験してたのを見るとさもありなん…

無題
Name 名無し 17/12/02(土)08:33:29  No.1230764
75ミリ山砲を97式中戦車に載せる試験もすごい時間がかかってるよなぁ
手っ取り早く70ミリ戦車砲を積めば良い気もするが

   引用元: https://cgi.2chan.net/f/res/1230546.htm

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