無題 Name 名無し 16/10/20(木)00:35:51 No.1192732
http://cgi.2chan.net/f/src/1476891351563.jpg
当時の日本軍機などの特徴の一つにもなっているこの剥げ落ちた塗装の航空機ですが
なぜずっとこの剥げた塗装のままなんでしょうか?
確かに補給滞った南方奥地などでは仕方ないでしょうが
内地の防空戦での戦闘機を見てもこのような感じになっているのを見かけます。
しかも当時新鋭機だった四式戦闘機などがすでに塗装が剥げ落ちてしまっており
やはり当時の日本の塗装技術は劣っていたと思ってしまいます。
しかし、対戦国であった米国の航空機は後半になるにつれジェラルミンの地色のまま実践投入してくるあたりなんだか対極を感じてしまい面白いですね。
長々となってしまい申し訳ございません。
無題 Name 名無し 16/10/20(木)00:47:38 No.1192736
①自然の地形に溶け込むことができれば事足りた
②塗装が剥げる前に損耗するので追加塗装なぞ想定してない
③剥げてるとベテランの風格が出るからそのままにしてある
無題 Name 名無し 16/10/20(木)06:29:30 No.1192757
端的に言ってしまえば、剥げたところで支障が無かったから。
画像のようにアバウトにエアブラシで吹いたままの塗装がある以上、全面をきちんと塗る必要性はなかったということ。
地上ではこうして草などでカモフラージュするから表面に銀が出ていても問題視されなかったのだろう。
ただし、日の丸だけは現地でも剥げたら再塗装してたそうね
無題 Name 名無し 16/10/20(木)11:21:49 No.1192778
>ただし、日の丸だけは現地でも剥げたら再塗装してたそうね
基本的に目視での戦闘の時代だから
日の丸が確認できなかったら味方に撃墜されかねないからというのもあるしね
無題 Name 名無し 16/10/20(木)12:33:15 No.1192784
ちゃんと日の丸書いても見慣れない機体だと撃たれる
無題 Name 名無し 16/10/20(木)07:25:25 No.1192759
ツイッターからのコピペですが
https://twitter.com/Fruskiy001/status/786461039185453056?lang=ja
って話もあるようで塗料で重くしたくなかった
結果剥がれたって事なんでしょうか。
無題 Name 名無し 16/10/20(木)07:30:30 No.1192760
強力なエンジンさえあれば好き勝手に塗装できたってことか
無題 Name 名無し 16/10/20(木)08:52:30 No.1192767
>対してP-47は136.2㎏だそうなので。
P-47でそれほどなら
オリーブドラブのB-17は銀の無塗装B-17に比べて1t近く塗装で重いことになるな・・・
ありえるのか?
無題 Name 名無し 16/10/20(木)07:49:50 No.1192763
三式だっけ?
なんか重くね?で塗装剥ぎ取ったりあちこちいじったやつ
んでサンボルのは表面滑らかにする塗装も含んでんじゃないの?
ワックスはp51以外でも使ってたって何かで読んだような
無題 Name 名無し 16/10/26(水)23:00:28 No.1193654
>対してP-47は136.2㎏だそうなので。
ありえません!
航空機塗装をやってましたがB747で200Kgと教わりましたよ。
無題 Name 名無し 16/10/27(木)21:50:32 No.1193733
>ありえません!
>航空機塗装をやってましたがB747で200Kgと教わりましたよ。
現代の塗料と同じものだと思って比較しているならちょっと落ち着こう
P-47は136.2㎏ってのは多すぎるように思うけど実際塗装に関わってるならもうちょっと論理的な意見が欲しい
無題 Name 名無し 16/10/28(金)14:48:15 No.1193787
>ありえません!
>航空機塗装をやってましたがB747で
>200Kgと教わりましたよ。
落ち着いて考えよう
もしかすると比べる状態が違うかもしれないよ
使用する塗料の重さと定着した塗料の重さが違うから要は溶剤の揮発で概ね1/3になる
ジャンボで600kgの塗料を使って定着分が200kg
もしP-47の数字が使用した塗料の重さだとしたら定着後は約40kgになるね
隼の数字も同じだとすると定着分は6kgしかない事になる
ちなみに俺も元航空機塗装屋
無題 Name 名無し 16/10/30(日)08:56:30 No.1194058
このへんが参考になるのかな
https://www.jal.co.jp/entertainment/knowledge/agora26.html
ジャンボ塗るのに600kgの塗料使って定着するのが200kg
航空機で未だ溶剤塗装なんだな
粉体やってるもんだと思ってたわ
まああんなデカブツ塗るからしゃあないか
無題 Name 名無し 16/10/30(日)11:49:20 No.1194082
>隼の数字も同じだとすると定着分は6kgしかない事になる
先にも書いたが
隼は鹵獲機体なんだから揮発前の重量と考えるのはおかしい。
だから定着分が18.2㎏なんだろう。
そうなると大型のP-47とは倍程度の開きなので日本機の塗装は特別薄かったわけではないことになる
無題 Name 名無し 16/10/20(木)08:20:36 No.1192765
アルミに塗装て今でもわり難しいので
ちゃんとした設備で塗らないとすぐに剥げる
前線で塗り直すのは難しかったろうな
無題 Name 名無し 16/10/20(木)08:45:15 No.1192766
今の航空機でも、プロペラの塗装は一部剥がれてもその部分は絶対再塗装しないそうな。
なんでも塗装が剥がれることで重量バランスが最適になるので、再塗装するとバランスが崩れてしまうからとか。
無題 Name 名無し 16/10/20(木)11:02:46 No.1192773
他国に比べて下塗りの質が悪かったそうで日本機は剥げやすかったそうだ
おまけに色は赤しか無かったので灰色とか淡色は重ね塗りになる
あと塗色はTPOがあって
地上駐機や低空飛行で見つかり難い濃緑色
相手以上の高空で発見し難い灰白色
進攻が予想以上で間に合わずか資材不足で無塗装銀色
とか調べると面白いよ
濃緑でも機体メーカーごとに青かったり、茶色っぽかったりするし
無題 Name 名無し 16/10/20(木)11:04:18 No.1192774
塗料の使用重量と溶剤揮発後に塗膜として定着する重量は違うで後者は3割くらいでしかない
無題 Name FMG 16/10/20(木)11:08:15 No.1192777
現代の塗料より伸びがないはずだから、1回塗りでドラム缶3本(5~600リットル)は使うんじゃないかな。
無題 Name 名無し 16/10/20(木)13:03:37 No.1192787
航空機の機体表面は整備士が平滑に磨き上げるんで塗料のストックが尽きるとあっという間に禿げだらけになると聞いたことがある。ソース不明のうろ覚えだが
無題 Name 名無し 16/10/20(木)22:21:03 No.1192828
>航空機の機体表面は整備士が平滑に磨き上げるんで
百式司令部偵察機は最高速度アップの為に磨きまくったので
一見禿げたように見えたらしいね。
(3~5kmhほどの効果があったらしい)
無題 Name 名無し 16/10/20(木)14:40:32 No.1192791
いかに少ない塗料で塗るか競ってたみたいな話を聞いたことがあるな
剥げやすいのは下地を省略しているからかもしれないね
無題 Name 名無し 16/10/20(木)14:42:48 No.1192792
B-29は重くなるの嫌って無塗装にしたんだっけ?
まぁ、銀翼連ねて南の前線♪ とか歌われるくらいだから、塗料はげて銀色出てても別段問題なかったんじゃない?
無題 Name 名無し 16/10/20(木)16:42:03 No.1192799
「灰色が手に入らなくて下面は塗ってません」
な機体もあったらしい
末期の日本軍戦闘機
無題 Name 名無し 16/10/20(木)20:46:47 No.1192816
>「灰色が手に入らなくて下面は塗ってません」
>な機体もあったらしい
>末期の日本軍戦闘機
海軍機の話になるが陸戦(局戦)・陸攻・陸爆ほか陸上機の下面は塗ってないというより無塗装が基本になる
無題 Name 名無し 16/10/20(木)18:29:59 No.1192805
古い記事だが
https://www.jal.co.jp/entertainment/knowledge/agora26.html
IRAN前のFー4もタッチアップだらけだし、JTAのジンベイJETも機首はハゲハゲ
飛んでるときにいろんなものが当たってるんだろう
恐いな、おい!
無題 Name 名無し 16/10/20(木)18:55:09 No.1192810
>飛んでるときにいろんなものが当たってるんだろう
旅客機だと雨でレインエロージョンが起こって先端の各部突起から剥がれてくるらしい
高空だと雨も氷の粒になってるしな
ジェット戦闘機だとIRAN前のF-15とか靴に布巻いて上がっても整備員の足跡で黒ずんでくるし
IRAN後の試飛行で音速突破したら衝撃波で剥がれ始めるとか
昔、過給器追加で民間機の高度記録狙った機は高空の寒さで
ピカピカの機体が割れせんべいのような悲惨な塗装で帰ってきたってのもあるな
無題 Name 名無し 16/10/20(木)22:20:48 No.1192827
>今の航空機でも、プロペラの塗装は一部剥がれても
>その部分は絶対再塗装しないそうな。
スケビのバックナンバーの零戦特集号で、イラストレーターの高荷義之さん・中西立太さん・横山宏さんらで「ゼロ戦を語る」なる対談が載ってまして
横山
「(当時の機体で)プロペラとか銀色でピカピカ光っているのはあれは、磨いただけですか?」
高荷
「プロペラはね、非常にデリケートだって当事者の誰かに聞いたことあるよ。ようするにあれ空気を切るものだから、きれいなほうがいいと思ってたんじゃないの、初めのねあの銀色ってのはね。それでプロペラの回転がちょっと違うとやっぱりこう、不都合なんだよ」
中西
「バランスが悪いとか」
高荷
「そう、バランスが悪い。で、裏っかわの赤茶色の所は整備兵が、そのときにねシュッとひと吹き(塗る)って言ってたね」
無題 Name 名無し 16/10/20(木)22:22:01 No.1192829
中「ひと吹きで2枚なり3枚なりのバランスをとると」
高「そういうように言ってたよ」
中「やっぱり重量バランスの問題?」
高「そう重量。」
横「塗料の重さでバランスの悪さを消せるんですね。それって微妙なバランスですね」
高「そういう話を聞いたことあるよ。だからあれは、裏はそうなんですよ。本当はだからあの、眩しさよけに塗っているんだろうけれども、彼らの実際の用途としては…」
(編集部)
――塗料を塗って重量バランスの微調整をこれで行うと。はあ、シュッとひと吹きですか。
全面無塗装だとそれこそ紙やすりで一皮しゅっとむくようなバランスの難しい世界でしょうね。
なるほど、塗装で各ブレードの重量バランスをとるというのは、理にかなっていますね、実用的で。
…なんてのが有りました
コレはコレで加減がすっごく難しそうですけど、後期型の全面塗装されたペラでもそういう微調整ってやってたんでしょかね
無題 Name 名無し 16/10/20(木)22:24:55 No.1192831
陸軍機は無塗装で配備されて部隊で迷彩塗装するのでそもそもプライマー無しですぐ剥がれる
海軍機は塩害対策で工場でプライマーの下塗りから全て行われるから剥がれにくい
末期は節約のために下面を無塗装にしている
南方配備の海軍機に塗装剥がれが多いのは離着陸で砂ぼこりが舞う滑走路じゃ当たり前
米軍は滑走路に鉄板敷いて砂ぼこりが舞わないようにしてたから剥げにくい
無題 Name 名無し 16/10/20(木)22:44:36 No.1192836
>米軍は滑走路に鉄板敷いて砂ぼこりが舞わないようにしてたから剥げにくい
お、おう・・・
環境なんだろうけどF4Uは他の米軍機よりもハゲや退色が著しいイメージあるなぁ
>塗料の使用重量と溶剤揮発後に塗膜として定着する重量は違うで
>後者は3割くらいでしかない
鹵獲機の方は当然、揮発後の重量だろうから実際は
隼 18.2kg、P-47 40kg ということか?
P-47はデカいからこれでは特に米軍が大量に塗料を使うことにはならないなぁ
無題 Name 名無し 16/10/20(木)22:49:01 No.1192837
>南方配備の海軍機に塗装剥がれが多いのは離着陸で砂ぼこりが舞う滑走路じゃ当たり前
前線基地なら未舗装も解るが基幹基地は舗装してる
もっとも長期ならペラの後流で剥がれる簡易舗装で鉄板とかで抑えたらしいが
無題 Name 名無し 16/10/21(金)00:11:45 No.1192845
米機でも探せばきちゃないヤツはいる
物理的ダメージや水分や塩分が機体外板にまで及んだら困るだろうし
なるべくハイペースで塗り直すから記録写真にもきれいなの多いんだろうけど
戦場や戦況によってはそれがなかなかできないやつも出るわな
無題 Name 名無し 16/10/21(金)00:53:03 No.1192847
>>海軍機の話になるが無塗装が基本
学研の陸攻によると、そうなんだけど、17年度あたりには、無塗装の上に保護として、透明塗料かけてたらしい。
で、それが変するから、もっと良いもんくれと。
無題 Name 名無し 16/10/21(金)09:34:39 No.1192856
ペンキは今でも食用廃油を原料にして作っているらしいが、当時もそうだったの?
ならば石油系溶剤以外は入手困難でもないか?
無題 Name 名無し 16/10/21(金)16:56:30 No.1192877
>食料切符による主な配給品(東京市)
>食用油41年6月3カ月 2合(1人) / 3合(2,3人) / 5合(4~7人)
食用廃油なんて出るのか
無題 Name 名無し 16/10/21(金)17:01:58 No.1192878
揚げ物の後の酸化した油とかなのかしら
ふつうペンキはアルキド樹脂じゃないかと思うけれど
無題 Name 名無し 16/10/21(金)18:30:11 No.1192884
樹脂は塗料の塗膜分でしょう。溶剤は別に添加するから廃油が再利用されるのはそっちじゃ
無題 Name 名無し 16/10/21(金)22:00:07 No.1192909
>揚げ物の後の酸化した油とかなのかしら
天ぷら油などを回収してペンキ製造してたよ
乾性油仕上げなどはかなり昔からあるのでなんらかの処理をすれば固まりやすい油になるのかな?
と思った
無題 Name 名無し 16/10/21(金)22:10:24 No.1192910
顔料の原料輸入がほぼストップ状態なので
仕方なく国内で製造可能な染料を使用してたから弱くなったのでは
ゼロ戦レストア時の日の丸の赤い染料塗料が浮き出てきた話は有名ですよね
無題 Name 名無し 16/10/21(金)22:23:54 No.1192912
日本機の場合、ただでさえ外板ペラペラだから
温度や機動Gもろもろの応力受けすぎってのもあるかと
ベコベコベコベコ ペリッ
無題 Name 名無し 16/10/22(土)09:07:57 No.1192933
>日本機の場合、ただでさえ外板ペラペラだから
後期の日本機は新開発なら板厚十分な場合が多いぞ
零戦の改良型だって板厚は上げてきたし
無題 Name 名無し 16/10/23(日)15:59:32 No.1193241
>零戦の改良型だって板厚は上げてきたし
少々の突っ込みでもシワ寄りにくくしましたっていう程度だよ
コンマミリのオーダーだけどね
身近なもので例えると1本30円ぐらいの安売り炭酸飲料(350ml)缶が日本コカ・コーラの缶になったぐらいのレベル
それからするとグラマン機なんかは本気のアルミ板
現在の旅客機でも飛行中は主翼激しくたわむ(アスペクト比の関係もあるけど)
ましてや戦闘機動中の主翼とかぐにゃぐにゃ動きまくり
スレ画の1式とか顕著だけど主翼の主桁まわりが動きの違いに塗料がついていけずにはがれてる
無題 Name 名無し 16/10/23(日)22:39:19 No.1193315
>それからするとグラマン機なんかは本気のアルミ板
そ、そ、補助翼まで金属張り
スピットがフォッケに横転速度がかなわないからなんでだろ?
って調べたら羽布張りじゃ補助翼の後縁角が痩せて重くなってたんで金属張りに変えて横転速度で負けないくらいになってる
布じゃペンキで固めても膨らんだり痩せたりするんだねー
無題 Name 名無し 16/10/22(土)14:06:14 No.1192966
暑い南方の基地では高空飛んで帰ってきた零戦の外板が、カップヤキソバのお湯捨てた流しみたいに『ベコッ』と音を立てたというのは本当だろうか?
無題 Name 名無し 16/10/22(土)14:32:44 No.1192970
リベット留だし熱源が気温ならゆっくり温度があがるからないでしょ
無題 Name 名無し 16/10/22(土)14:55:30 No.1192971
てか金属板そのままの台所シンクならともかく桁にリベットで細かく固定されてる航空機の外板がベコベコ言うわけないじゃん
無題 Name 名無し 16/10/22(土)15:10:10 No.1192975
中にはエンジンカウルみたいな大ぶりで固定の緩いのパーツもあるし
上空と地上の気温差が激しい地域じゃわからんぜ
ジュラルミンの熱変形も鉄なんかより大きい
ただカウルだとエンジン熱気で冷える余地がないかもしれんが
無題 Name 名無し 16/10/22(土)16:17:19 No.1192980
東南アジアは太陽光だけで一瞬で80度のお湯ぶっかけられたくらいの膨張を起こすくらい太陽強いんか?
無題 Name 名無し 16/10/22(土)16:24:31 No.1192981
一瞬じゃなかろうけど、素手では触れないくらいには熱くなったそうな。
まぁ、日本の夏の鉄板もそれくらい行くけどな。
無題 Name 名無し 16/10/21(金)22:31:18 No.1192913
定吉七番「ゴールドういろう」では雷電に塗られた
「深緑色がすぐ小豆色になってしまう」当時の塗料を再現する話があったな
無題 Name 名無し 16/10/21(金)23:40:48 No.1192917
正直、塗装は後回しだったんじゃない?
整備して修理しては、出撃の繰り返し。これでは塗装にこだわっている余裕がないかと。
損耗率が上がると部隊の再編とか転進とかしょっちゅうだし。
無題 Name 名無し 16/10/22(土)19:00:38 No.1193012
>整備して修理しては、出撃の繰り返し。これでは塗装にこだわっている余裕がないかと。
第204海軍航空隊編の「ラバウル空戦記」に当時の状況の描写があるんですけれど
「連日の出動、戦闘、爆撃による被害などで、飛行場には動けなくなった零戦がいっぱいあった。内地からの新機補充が間に合わないので、整備科ではこれらの機体のいい部分を寄せ集めては、完全な機体に仕上げていた」
「『きょうは7機仕上げた』と喜ぶ整備員(略)これらの飛行機も激しい戦闘でたちまち消耗し、しょせんは”サイの河原”のむなしい努力に過ぎなかったが、早く飛ばせて敵に一矢を報いてもらいたいと願う彼等の気持ちは、油で汚れた機体をボロ布でなめるように磨き上げる、若い整備員の姿に現れていた」
無題 Name 名無し 16/10/22(土)19:01:10 No.1193014
「『機体に油をつけっ放しにしておくと、ほこりが付いて抵抗が増え、いざ空戦の時スピードが落ち、搭乗員を死においやることにもなりかねない。お前たちがていねいにそれを拭くことにより、搭乗員と一緒に空戦に参加することになるのだ』そういって、常に戒めていた老分隊士の言葉を、彼らは忠実に守っていた」
…そうでして、当時の苦労の程が偲ばれるんですが、確かにこういう状況だと
ある意味限界まで使い回される機体の塗装の塗り直しにかかる手間は後回しでしょうし
逆に毎日熱心に磨きあげられてる分、上塗り塗料の消耗も激しくなっちゃうのかもですなあ
無題 Name 名無し 16/10/22(土)20:49:14 No.1193037
プロペラ機でも引き込み脚の単葉になってベーパーロックが問題になってる
太陽に温められた燃料のまま急上昇すると沸騰して気泡が入り込んでエンストとかのやつな
オイルクーラーみたいな燃料冷却器追加されて戦争には間に合ったが・・・
だから外板が「ベコン!」と音立てる程度の温度変化もあったんじゃないか?
車でも夏はエアコンかけてしばらくすると「パキ!」とか音するし
無題 Name 名無し 16/10/23(日)04:12:34 No.1193103
「ラバウル~」にも駐機中の零戦の主翼が太陽で熱せられて、翼内タンクで気化した燃料がペーパーロックを起こすのを防ぐために、貴重だった真水をトラックで運んで主翼に被せたコモに撒いて冷却したり、木の枝で直射日光を遮った話が載ってますですね
ただコレで外板そのものが変形したみたいな話は有りませんでしたケド
余談ですが海軍技術少佐だった野間口兼良さんによると、(金属製)航空機用の塗料は
「軽金属塗料は初めはラッカー、油性エナメル系の物が使用されたが、昭和三、四年頃から全金属機が出現してから愈々本格的な軽金属用防蝕塗料が必要になった。昭和四年、仲西他七氏が日本特殊塗料合資会社を設立、ベンジル・セルローズを自家製造して作ったが、後、独乙のI・Gにベンジル・セルローズの見本を送り、製造を慫慂して之から供給を受け塗料を製造した」
無題 Name 名無し 16/10/23(日)04:14:46 No.1193104
「戦争前頃から我が国でも旭電化工業株式会社、保土ヶ谷化学工業株式会社でも作られるようになり、又、軽金属塗料用の溶剤、可塑剤も国産できるようになり、昭和十七、八年頃には完全に自給できるようになつた」
…んだとか
因みに文中の「日本特殊塗料」社は、車・航空機の塗料・防音材メーカーとして現在も健在だそうで
http://www.nttoryo.co.jp/index.html
会社案内の歴史コーナーでも、会社創業時の製品として全金属性航空機塗料が紹介されてますけど
案外身近な所で日常お世話になってる会社さんだったりするんでしょか…w
無題 Name 名無し 16/10/23(日)10:24:54 No.1193142
>主翼に被せたコモに撒いて冷却したり、木の枝で直射日光を遮った話が載ってますですね
機体のカモフラージュに限らず機体の保冷の役割もあったのかー
無題 Name 名無し 16/10/23(日)10:27:19 No.1193143
今は燃料がアレになるのはパーコレーションっていうよね
ベーパーロックとは違う現象なんだけど
昔はいっしょくたにされてたのか・・・
無題 Name 名無し 16/10/23(日)14:06:37 No.1193222
世界で一番車を磨くのは日本人だ!なんてジョークも有りますけどw
やはり海軍の整備員だった方の手記で、
「ジェラルミンの機体になってからは、この傷をつけないこと、傷を見つけることが大きな仕事になる。飛行機に上り下りするときは、軍靴でなく、整備靴が支給されるようになった。バスケットシューズのようなゴム裏の黄色の靴である。軍靴は、かかとに鋲をうってあるのが多いから、まかりならんというわけである」
「きずができるといっても、故意に傷付けるものはいないはずだから、石ころが当たったとか、何かがぶつかったとかが主な原因であろう。そして、それらはすぐ錆止め塗料を塗ってから、共色に仕上げる」
…なんてのも有りましたですな
無題 Name 名無し 16/10/23(日)14:08:53 No.1193223
逆にBOBの時のエゲレス空軍に「ブラック・ビューティ」なる愛称のスピットファイアが有りまして、機体を黒色のパーソナルカラーに塗ったエース仕様…ではなく、汚れに汚れたキチャナイスピットだったそうなんですが、なんでそこまで洗わせないのかというと、パイロットさん曰く
「運を洗い落とされちゃ困る!」
…という事だったんだとかw
所で零式三座水上偵察機の塗装工程表が現存しておるそうで、それによると
「下塗りに赤褐色(塗料)3層、上塗りは胴体が3層、翼が2層(ともに最上層は灰色)」
…と規定されてるそうで、恐らく他のIJN機でも同様にジェラルミンの地肌にプライマー、錆止め塗料、外面塗料を数層塗り重ねるのが出荷時の工程だったそうなんですな
(但し大戦後期は錆止め塗料の塗布は省略されたとか)
無題 Name 名無し 16/10/23(日)14:10:03 No.1193224
更にラバウル現地での零戦への追加迷彩塗装なんかは、現地の航空廠や派遣された工員さんの手で行われたそうなんですが、スプレーによる吹きつけがメーカーでのソレのように上手く
行かず、表面がざらざらな仕上げになってしまって、元204空の零戦搭乗員だった大原亮治さんによれば
「これでは空気抵抗が大きくなるんじゃないかというので、我々搭乗員も整備員と一緒になって暑い中、油のついたウェスで表面を一生懸命磨いたものです。それでも何となくザラザラしたままでしたが」
…との事だったそうな
D・I・Y!も中々難しいというか、今でも愛車の擦り傷をディーラー修理に出すとちょっとした傷でも意外にお高く付くのは、ぞれなりの理由があっての事だったんですね(違
無題 Name 名無し 16/10/23(日)14:46:33 No.1193226
機体や風防のオイル汚れをガソリンで洗い落としたなんて話が出てくるけど
そういうのは塗料の塗膜にも影響があったんだろうか
無題 Name 名無し 16/10/23(日)21:07:32 No.1193297
>そういうのは塗料の塗膜にも影響があったんだろうか
画像はアジ歴で見つけました「日本特殊塗料」社の自社塗料の試験報告なんですけれど
一応この手の塗料は、ちゃんとそういう航空燃料他への耐性試験もやってたみたいですね
また余談ですが空技廠材料部所属だった中野和雄中尉さんによると、昭和16年6月、海軍航空本部より航空機の迷彩研究を命じられたそうで
「内心大いに驚いた。私は迷彩のメの字も知らず、調べようにも本もなかった」
…という状態だったものの、とりあえず横空の飛行隊に赴いて実験用の戦闘機の借り出しを要請したそうなんですが、隊長サンは飛行機の貸し出しには応じてくれたものの
「当時余るほどあった人の手で、飛行機は鏡のように磨いてあった位で、ヌリグ(海軍では塗料をこういう)などふっかけられてはたまらない」
…とご機嫌斜めであったそうですw
無題 Name 名無し 16/10/23(日)21:08:29 No.1193298
そこで借り受けた6機の内、
「1機を比較機として無塗粧のままとし、5機に飴色、緑黒色、その斑、青灰色、淡緑色などを海軍のヌリグ見本より出して塗り」
飛行場の隅に並べて、上空(千~二千メートル)から観察する実験を開始したそうなんですが、結果としては緑黒色が一番目立たなかったものの、何色であれ機体の発見自体は容易で、特に快晴時には機体の影がくっきり地面に出る為、機体色による被発見性には差がないという結論に達したんだとか
無題 Name 名無し 16/10/23(日)21:11:11 No.1193301
次に実際の飛行時の迷彩効果についての実験に移りまして、まず飛行中の機体を上空から見た場合、
「緑黒色のヌリグのものが、充分に効果があった。ただ光ってはダメなので高度に艶消しの塗料が必要であった」
…そうで、逆に下方から見ると
「三~四千メートルの雲を背景にその下を飛んだ時など、地上から見ればどっちみち黒い機影となって(迷彩による)大した効果はなかった」
ものの、結局望ましい今後の迷彩形式は
「上面は緑黒色艶消、下面は淡青色ということで」
決まったんだそうな
無題 Name 名無し 16/10/23(日)21:12:50 No.1193303
この実験中、艶消しが望ましいなら下面もそれで行ったらどうか?、と中野氏らが提案したものの、航空隊側から異論が出まして対照実験を行うことになったそうでして、まず「銀ピカ」の97式艦攻で高度二千及び三千メートルにおける、一定の推力とプロペラ回転数で飛んだ際の速度を計測した後、ラッカー塗料で各種塗料を吹き付けた状態での飛行試験を行ったそうなんですが、その結果上面に関しては大きな影響はなかったものの
「下面に粗面塗料を吹き付けて飛ぶと、確実に数ノット、はっきり差があった。時速で4~6キロ(差)が計測されたので、下面の艶消しはいかんということになった」
…んだそうな
逆に言えば実用上機体上面の塗面はそれほど平滑でなくてもいい、って事でもあるわけですけれど
コレがその後案外塗装が剥離しても放置されてる根拠の一つになってたりは…しないですよね、やっぱりw
無題 Name 名無し 16/10/24(月)00:03:09 No.1193324
>下面に粗面塗料を吹き付けて飛ぶと、確実に数ノット、はっきり差があった。
夜戦なんかじゃ上下面とも濃緑色に塗られてたりするので
このぐらいの速度低下は許容されたんですねぇ
無題 Name 名無し 16/10/24(月)22:16:54 No.1193407
>陸軍機は無塗装で配備されて部隊で迷彩塗装するので
今、神戸で展示されてる飛燕が無塗装なのは
工場出荷時は無塗装っていうのも再現してるって事が。
いい事聞いたよ。
無題 Name 名無 16/10/26(水)16:12:59 No.1193591
かなり遅レスで申し訳ないが気になる記述があったので書き込みしますね
>「1機を比較機として無塗粧のままとし、5機に飴色、緑黒色、その斑、青灰色、淡緑色 などを海軍のヌリグ見本より出して塗り
の飴色についてだけど十数年前にゼロ戦の飴色論争があったのを思い出したんだけど本当にあったのですね
無題 Name 名無し 16/10/26(水)22:03:48 No.1193644
横レスだが零戦の飴色は「灰色の飴色がかりたる」だからそれとは違うと思うぞ。
無題 Name 名無し 16/10/27(木)13:28:23 No.1193703
>横レスだが零戦の飴色は「灰色の飴色がかりたる」だからそれとは違うと思うぞ。
うろ覚えだが灰色にニス?かけたんだっけ?
油分漏洩からの剥がれ防止だったと思う
だもんで上塗り部分は光沢があったとか
無題 Name 名無 16/10/27(木)21:11:41 No.1193730
>>横レスだが零戦の飴色は「灰色の飴色がかりたる」だからそれとは違うと思うぞ。
No.119359の者だけど確かにそうでしたね、ただ飴色という色自体が存在したことに驚いて言葉足らずになってしまいました。
>うろ覚えだが灰色にニス?かけたんだっけ?
それで初期型のゼロ戦の写真の胴体の前後の色合いが違っているのかな?現像ムラにしては色合い(又は艶?)の違う写真が多すぎるので。
無題 Name 名無し 16/10/27(木)21:45:00 No.1193732
http://cgi.2chan.net/f/src/1477572300319.jpg
>初期型のゼロ戦の写真の胴体の前後の色合い
あれはエンジンから色の異なるあたりまで日差し避けのキャンバスがかけられていたから
退色しただけって話だよ
引用元: http://cgi.2chan.net/f/res/1192732.htm
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コメント
単に翼面積デカけりゃ性能いいってもんじゃない
速度や加速低下、上昇率にも影響出るし
零戦だって翼端切って速度あげてるし
ロール率高けりゃ横転ダイブも早い、降下速度も早いから引き離しやすいとか
低翼面加重にもメリットあるけど、何を目指すか、飛行特性の違いをどう生かすかの違い
高回転するプロペラの塗装なんてコンマ数gでも大きな影響が出るのは当然だと思う
あとSR-71なんかだと機首先端部や主翼前縁、翼端は空気の摩擦熱が集中する部分で温度も他の部位より遥かに高いから金属の膨張率なんかの計算がすごい面倒なんだと
その上で塗装なんかは発火点にも注意した成分にしてたらしい
高空を飛ぶ航空機は直射日光(地上よりも強力な紫外線)を受け続けることもあり塗料にとってもかなり過酷な環境
反面色について黒は昔から航空機には適さないと言われてたんだけどスターフライヤーの色決める時に試験してみたら黒でも実は飛行性能や機体温度に影響無いことが分かったんだと
意外と塗料と航空機の関係って深い物があるもんだ
迷彩の研究、「結局よく見えた」だもんなw
これって、ドイツやアメリカの研究結果も知りたいねえ。
あと、ここで定吉七番の名を見るとは!
部隊に到着して整備員が塗装という感じでしょうか?
旧ドイツ軍の戦闘車両は、現地整備員がメインで、
東部戦線などの冬季(雪上)迷彩は、石灰を溶いた物を塗ったりもしてますね。
中島製零戦と三菱製零戦の見分け方って水平尾翼下の緑と明灰色の塗り分けラインが有名だから未塗装って訳じゃない。
ところでキスカで米軍の目撃例がある藤色の二式水戦って個人的には日の丸の赤と明灰色を混ぜたんじゃないかと思ってるんだがどうだろ? 昔、アメリカ映画で潜水艦がピンク色に塗ってしまうコメディ作品あったけど。
失恋しました
塗料の発火点の話なら
帝国軍でも初期は難燃性の塗料を都合したけど、
後期・末期は用意できなくてよく燃えるようになった
って話なかった?
塗装剥げは、補充された可燃性の高い塗料を嫌って
ってことはないですかね?
米のB-29も初期型はしっかりミリタリーグリーンに塗ってたそうなんだけと、途中からやめたそうだ
あーそこまで詳しい話は聞いたことないですが、塗料の所謂「薄め液」にも引火性の高い物と難燃性の物があり、難燃性の物が樹脂関係の都合で現在でもコストが高かったりしますね。
確かに物資不足に喘いでいた戦争後期・末期にはさもありなん・・といった感じがしますね!
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