無題 Name 名無し 15/11/07(土)22:53:23  No.404575

ドイツ戦闘機開発者の戦い―メッサーシュミットとハインケル、タンクの航跡 (光人社NF文庫)

第二次大戦当時、航続距離が2,000kmを超える単発戦闘機を開発した国は日本、米国、ソ連の3カ国だけだとと記憶しているが、もしドイツが長距離単発戦闘機を開発していたら、欧州の戦局は大きく変化したのではないだろうか?
ドイツほどの航空技術を持つ国なら、やろうと思えば開発できたと思うが、なぜ開発しなかったのだろうか。

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無題
Name 名無し 15/11/07(土)23:11:34  No.404579
いつもと同じに様な返しになるけど、長距離戦闘機ってのはドイツの誤算だらけ
ドイツは迎撃機にBf109、長距離侵攻用にBf110として戦闘機の用兵を考えていたけど
Bf110が当のドイツもびっくりするぐらい対戦闘機戦に使い物にならなくて、Bf109を長距離侵攻(バトルオブブリテン)にも使用せざるをえなかった、ってのが第一の誤算
使い物にならないと分かったけど、次のMe210がほぼ失敗に終わったのが第二の誤算
そうこうしてるうちに、米軍の長距離が出てきてもはや双発戦闘機に居場所がなくなったのが第三の誤算

無題
Name 名無し 15/11/08(日)00:50:56  No.404590
米国もP-47DやP-51Dが登場するのは戦争後半で、前半までは双発のP-38を使っていたが、ドイツも後半頃にはP-51D相当の戦闘機を配備できるだけの開発能力はあるはずなんだが、どうして長距離戦闘機=双発戦闘機という発想を切り替えることができなかったのかなぁ。
戦争終盤に開発していたDo335プファイルも串型双発の戦闘機だったしな。

無題
Name 名無し 15/11/08(日)07:40:22  No.404608
バトルオブブリテンに零戦隊を護衛に付けられればドイツ爆撃隊の被害を減らせただろうか?と言う架空戦記妄想は有った。
腐っても20ミリ砲積んでるしレーダーで待ち伏せされても格闘戦に付き合ってくれれば互角以上の戦いになると。
まあそんな余裕も人手も無いけどさ

無題
Name 名無し 15/11/08(日)09:09:37  No.404615
補足だけど
バトルオブブリテンは、もちろんBf109の航続距離にも苦しめられたけど、例の1機のロンドンへのハインケルさえなかったら勝っていたという見方は根強い
その後、Fw190の増槽モデルが航続距離1400kmを稼いでいたので一時期はドーバーの制空権をもぎ取った
なので、戦闘機の航続距離に関してはドイツではあまり問題にしなかったらしい

無題
Name 名無し /11/08(日)09:33:34  No.404618 
「バトルオブブリテン」当時RAF第602飛行中隊(スピットファイア)所属搭乗員だったパディ・バースロップ氏なんかに言わせれば

「(B℉109が長距離用増槽を)もし載せてれば、あっちが戦争に勝ったかもね。そうすりゃ、今頃は、こっちが繁栄して、あっちが貧乏になってるさ」

…だそうでw

ただWW2当時の防空戦の様相なんかみますと、相手がガチの邀撃戦力調えてる所への戦略爆撃行は例え援護戦闘機を擁してても双発爆撃機には荷が重い仕事でしたし
ドイツ空軍の戦力自体、エゲレス戦の前の対ポーランド戦、対仏戦で意外に消耗してまして
結局その縦深の無さが後々響いた、なんて話もありますから、ただ単に単発戦闘機の航続距離が伸びた、ぐらいだと案外影響は少ないような気もしますですな

無題
Name 名無し 15/11/08(日)10:38:55  No.404623
別にBOBに限らずともイギリスの生命線たる輸送船団を戦爆連合で潰していく事もできるわけで

無題
Name 名無し 15/11/08(日)10:55:35  No.404627 
船団襲撃のコンドルさんに援護戦闘機付けられたら確かに喜ばれそうですなw

でも戦闘機の作戦行動半径が拡がるとそれだけ飛行時間も伸びるわけでパイロットからしたら負担も増えるんですよね
充分なローテーションや休養取れるだけの予備戦力がないと結果的に酷使された戦闘機戦力の衰退につながりかねないわけですけど
当時のドイツでその辺は大丈夫なんでしょかね?

無題
Name 名無し 15/11/08(日)11:06:58  No.404629
>充分なローテーションや休養取れるだけの予備戦力がないと
ラバウルから片道2時間の空戦やってた後半の日本みたいになるな

無題
Name 名無し 15/11/08(日)11:24:55  No.404632
あれ?ソ連てそんな長距離飛べる単発戦闘機あったっけ?
まぁそれはさておき

>ドイツほどの航空技術を持つ国なら、やろうと思えば開発できたと思うが、なぜ開発しなかったのだろうか。
WW2前半(と言うか英国戦まで)はBf-110で十分と思われてたし、英国戦以後は、英国侵攻のような長距離戦闘機侵攻や戦略爆撃部隊がいなかったことにより、兵器開発の優先順位が最底辺に近いことが大きいかと

ドーバー海峡挟んでロンドン上空の制空権をとるならともかく、
東部戦線や地中海、アフリカ戦線は基本的に「航続距離が足りないのなら、基地を推進すればいいじゃない」で解決できたし、航続距離を増やそうとしたら機体重量などにしわ寄せが行ってどうしても他の性能が犠牲になる

ドイツ空軍が長距離侵攻する戦略空軍ではなく地上軍を援護する戦術空軍である以上、(そして日本のように広い海洋の少数の拠点で戦う必要性がない以上)航続距離が真っ先に犠牲になるのは当然でしょう

無題
Name 名無し 15/11/08(日)17:51:09  No.404662
>あれ?ソ連てそんな長距離飛べる単発戦闘機あったっけ?
Yak-9Dの航続性能をさらに伸ばし(フェリーで2500kmほど)、航法装置や通信機器を強化して、単座機でも長距離を飛行可能に改良されたYak-9DDというモデルがあるよ。
重量増加のため操縦性が低下し、武装も20mm機関砲が1門だけになっちゃったけど、1944年から配備されて400機ほどが生産された。
Bf109とほぼ同じサイズの戦闘機がこれほどの航続性能を実現できたというのはすごい。
しかもYak-9DDは軽合金の骨組みとデルタ木材の応力外皮を組み合わせた木金混合の機体。

無題
Name 名無し 15/11/08(日)20:56:21  No.404689 
>Yak-9Dの航続性能をさらに伸ばし(フェリーで2500kmほど)、航法装置や通信機器を強化して、単座機でも長距離を飛行可能に改良されたYak-9DDというモデルがあるよ。

http://vvs.hobbyvista.com/Research/Yakovlev/FuelGauges/

知らなかったわ。サンクス。


そして零戦ばりの翼内燃料タンクのでかさにワロタ
被弾したら凄いことになりそう
(或いは防弾措置で重量や機動性がやばくなりそう)

無題
Name 名無し 15/11/08(日)11:46:23  No.404633
そもそも仮に空戦で勝利しても海軍力に劣るドイツ軍が上陸するのは厳しい
更に上陸したとしてその後の補給線を海上で確保するのは不可能じゃないのかな

無題
Name 名無し 15/11/08(日)14:37:51  No.404642
まあ外野のドイツファンが期待する程には技術力はたいした事はなかったて事でしょ
戦車にしろ航空機にしろ

無題
Name 名無し 15/11/08(日)15:31:04  No.404651
>まあ外野のドイツファンが期待する程には技術力はたいした事はなかったて事でしょ
このスレで言ってる戦闘機論っていわゆるドクトリンの話だから科学技術のレベルの話にする意味はないのですよ
ただ連合国は最終的に、機体に1500リットルのガソリンを搭載して500km出せるエンジンや、高出力の液冷エンジンを作ったわけで、最終的にエンジンの開発力での差は大きかったと思う

無題
Name 名無し 15/11/08(日)15:21:21  No.404647 
ドイツ空軍が地上部隊を支援する戦術空軍だったから。
これに尽きる。

日本陸軍も同様だったので、隼みたいに異色な機体があれば、ドイツでもその機体が脚光を浴びていたかもしれんね

無題
Name 名無し 15/11/08(日)15:42:08  No.404653 
四発の戦略爆撃が無い時点で、仮に長距離単発機があっても結果は変わらない気がする。
この辺は日本
帝国陸海軍も同様だけど。

無題
Name 名無し 15/11/08(日)18:11:53  No.404664 
長距離単発戦闘機があれば爆撃機の護衛だけでなく、艦隊防空にも大いに貢献できたのではないだろうか。
ドイツ艦隊はもっと積極的に行動できただろうし、Sボート部隊もより活躍できただろう。

無題
Name 名無し 15/11/08(日)18:47:31  No.404669
他の方のレス内容とだいぶ重複しちゃいますけど
単純に長距離飛べる単発単座戦ってのが有ればいいって訳じゃなくて単独航法をこなせる訓練を受けたパイロットも一定数要りますし(後席が航法・無線を引き受けてくれる複座戦じゃなく、洋上飛行もするならなおさら)燃料消費を抑えて飛ぶノウハウ、地上管制等の支援体制まで含めればそれなりの事前準備が必要だと思うんですけれど

ヴェルサイユ条約廃棄後の再軍備で、まず近隣諸国との地上戦戦備を優先して航空もそれに合わせて急速整備にかかってた開戦前のドイツで対英作戦というか洋上航空作戦用の単座戦闘機隊にまで各種リソースを分割できてたか、って所がやっぱ問題なんじゃないでしょかね

無論長距離戦闘機を軽視してなかったからこそBf110も整備してたんでしょうけれど
それが対単発機戦では役に立たない、ってはっきり分かるのはBOB戦時の話ですから
開戦前に既にドイツ空軍が単発単座長距離戦まで整備してた、ってIFを想定するなら、そもそもドイツ全体の戦略思想から史実と異なってる前提にしないと成り立たないんじゃないでしょか

無題
Name 名無し 15/11/08(日)19:22:03  No.404672
そういや日米以外の設営能力の差ってあんまし話題にならないが独軍って爆撃機飛ばせる飛行場平均どのくらい作られたんだろう?まあ東部戦線ならソ連の飛行場修繕すれば十分な気がしなくもない(HOI並感

無題
Name 名無し 15/11/08(日)19:32:09  No.404674
ドイツはアウトバーンから飛行機飛ばせたんじゃなかったか
実際にやったかどうかとかは知らん

無題
Name 名無し 15/11/08(日)20:09:59  No.404678 
>東部戦線ならソ連の飛行場修繕すれば十分な気がしなくもない

レン・デイトン=サンのBOBの本だと飛行場設営能力については記述がなかったんですが
ドイツ空軍は自前で持ってるオバサンの大群で、地上軍が占領・確保した敵の飛行場に人員機材を送り込んですぐに味方機が運用できる体制を整えることが出来たのがBf109の行動半径の短さが問題にされなかった、あるいは実際問題にならなかった一因であるとしてまして

コレがどれだけ的を射た指摘なのかは判断は難しいんですけれど
ある意味ドイツ空軍の主戦場がどんなんだったか示すような話ではあるのかもですな

無題
Name 名無し 15/11/09(月)01:53:48  No.404699
>ヴェルサイユ条約廃棄後の再軍備で、まず近隣諸国との地上戦戦備を優先して航空もそれに合わせて急速整備にかかってた開戦前のドイツで対英作戦というか洋上航空作戦用の単座戦闘機隊にまで各種リソースを>分割できてたか、って所がやっぱ問題なんじゃないでしょかね
いくらドイツの科学力でも大戦開戦時までに単発単座の長距離戦闘機を実戦配備するのは無理だと思います。
30年代後半に長距離戦闘機を開発しようとしたら、当時は精々1000馬力程度のエンジンしかないわけですから、開発者にまともな常識があったら双発機にするのが普通でしょう。
世間で見たら零戦や一式戦を開発した日本の開発者たちの方が頭がおかしいわけです。
でも1500馬力エンジンが登場する頃には十分に高性能な単発単座の長距離戦闘機を実用化するのは可能になります。
実際に米国は液冷1500馬力エンジンを積んだ高性能な長距離戦闘機P-51Dを戦争後半に実戦配備しています。

無題
Name 名無し 15/11/09(月)01:55:24  No.404700
米国も戦争前半では長距離戦闘機は双発のP-38でしたが、双発戦闘機の限界を感じて戦争後半には単発のP-47D、P-51Dに切り替えて、枢軸国の航空戦力に止めを刺しました。
でもドイツはBOBなどで双発戦闘機の限界を感じていたはずなのに、Bf110の後継に同じ双発機のBf210の開発を始めました。
なぜここで米国のように発想の転換をして、長距離単発戦闘機を開発しなかったのかが疑問に思います。
これは技術やリソースよりも軍上層部の判斷の問題だと思います。

無題
Name 名無し 15/11/09(月)01:55:59  No.404701
勿論米国は多数の大型爆撃機を戦略爆撃に投入しており、その護衛のために高性能な長距離戦闘機を必要としたので、開発の優先順位が上になったというのも分かります。
それに対してドイツは戦略爆撃を途中で止めたので、長距離戦闘機の優先順位が下になったということもあるでしょう。
しかし長距離戦闘機は爆撃機護衛のためだけに必要なわけではありません。
例えば近海を航行中の艦船や海上を飛行する飛行機の安全を確保するのも役目です。
優秀な長距離戦闘機を欠いたことにより最も不利益を被った部隊は、もしかするとドイツ海軍なのではないかと思います。

無題
Name 名無し 15/11/09(月)02:13:47  No.404702
とすると逆に言えば最も不利益を被ったのが
最も連合軍に対して優位に持ち込め無さそうな海軍でよかったということだな
優秀な長距離戦闘機なんかあってもドイツ海軍が少し活躍できただけなら結局ほとんど意味が無い

無題
Name 名無し 15/11/09(月)09:50:58  No.404711
Bf-109とFw-190に絞って大量生産してもなお、ドイツ本土の制空権が失われたのに、そこに長距離単座戦闘機を無理やり生産ラインに割り込ませて総生産量が低下した状態で制空権が取れるわけ無いんだよなぁ

無題
Name 名無し 15/11/09(月)12:41:03  No.404720
>そこに長距離単座戦闘機を無理やり生産ラインに割り込ませて
スレの趣旨的にはBf-109に長距離飛行能力の付与って点じゃないかな
ただドイツ的には殆ど大陸で使う予定だったし洋上前提の日本やアメリカと設計思想が違うのはしょうがないと言うか

無題
Name 名無し 15/11/09(月)18:49:59  No.404736
>スレの趣旨的にはBf-109に長距離飛行能力の付与って点じゃないかな

Me109の艦上機型って航続距離が伸びてたような…
主翼も延長して高空性能も上がってるし
ただ生産数は少なくて数回の出撃で消耗したらしいが

無題
Name 名無し 15/11/09(月)20:04:36  No.404738
>スレの趣旨的にはBf-109に長距離飛行能力の付与って点じゃないかな
まあ問題になったのはバトルオブブリテンあたりまでで、戦争中盤以降は殆ど航続距離が問題にならなかったからでしょうね

上でどなたかが書いてましたがドイツ空軍自体が陸軍直協型の空軍で基地自体を前線に合わせて前方に展開させる方式(特に独ソ戦)を取ってましたので「(航続距離が)有るに越したことは無いが基地が前進してきてくれるから別に・・・」という感じでは無いでしょうかね

無題
Name 名無し 15/11/09(月)14:32:48  No.404723
バトルオブブリテンで苦戦したばかりに、ダメ戦闘機扱いされる110さんマヂ不憫。
終戦直前の45年まで生産続いて、対爆撃機迎撃から夜戦までこなした優秀機なのに。
本来高度とって一撃離脱する飛行機なのに、爆撃機のピッタリ随伴護衛なんてやらされたから苦戦しただけなのに。

109の方の航続力も、あの当時に増槽付けられればもう少しなんとかなっただろうにね。
実験はしてたのに、モルヒネデブが不採用にしちゃうもんだから。

無題
Name 名無し 15/11/09(月)20:58:06  No.404740 
>ドイツはBOBなどで双発戦闘機の限界を感じていたはずなのに、Bf110の後継に同じ双発機のBf210の開発を始めました

ドイツ空軍が現用駆逐機Bf110の後継機の競争試作を提示したのはまだWW2開幕前の1938年でして、これに応じたメッサ―シュミット社で製作されたMe210試作一号機が飛んだのはWW2開戦翌日の1939年9月2日なんだそうで
Me210の開発は実はそもそもBOBの始まる前の話だったりするんですな

因みにドイツ空軍のお偉方サンはメッサー社&Bf110の実績によほど惚れ込んだのか
(といってもまだ実戦経験はなかったはずですけど)試作機が完成する前に既に1000機もの量産発注を行ってたりするんですが、生憎完成したMe210は安定性不良の問題を抱えた欠陥機でして、配備先の部隊で事故が続発するに及んで遂に生産中止、メッサーシュミット社長が裁判にかけられる騒ぎにまでなったんだとかなんとか

無題
Name 名無し 15/11/09(月)21:00:04  No.404742 
じゃあBf110の後継機計画があったなら当然前作Bf109の後継機計画もあったの?って話になると思うんですが、これに相当するのがまさにBOB直後の1941年にドイツ空軍がメッサーシュミット社に試作発注したMe309なんですよね

最高出力1750馬力のDB603Aエンジンを搭載、当時部隊配備が進んでいた主力単座戦闘機のBf109Fに比較して、航続距離は85%、最高速度は25%上回ることを目指したこの機体、額面スペック的にはマーリンエンジン搭載型マスタングにも引けを取らない優秀な機体になる筈だったんですけど

1942年6月に完成した試作機でいざ試験を始めてみますとまたもや飛行中の安定性の不足、油圧系統の故障、エンジン加熱等の問題が続発しまして

11月に行われたBf109Gとの模擬格闘戦でも完敗する始末、翌年にはあえなく開発中止の憂き目を見ておりまして

つまりはまあ、ドイツでは109の後継機に当たる「高出力エンジンを積んで、航続距離を伸ばした単発単座戦闘機」は「造られなかった」のではなくて、「造ろうとしたけれど果たせなかった」とも言えるみたいなんですな(メッサーシュミット社は、かもですが)

無題
Name 名無し 15/11/09(月)21:05:50  No.404743 
仮に完成したMe309が欠陥機でなく、大型増槽の装備等で長距離作戦能力を獲得したとして、試作機が量産ラインに乗って配備が進み、操縦者や地上勤務員の教育や支援体制の整うのにおよそ1~2年はかかるのが当時の常ですから、実際に長距離仕様Me309が作戦行動取れるようになるのは1943年も半ばから、って事になっちゃうわけですけれど

この時期はもうドイツ水上艦艇が味方の航空支援有りとはいえ有効な作戦行動を取れる余地は彼我の戦力比やそれまでの損害から考えて無いですし、戦局全般もドイツに利有らずで東部戦線もソ連の物量を支えるのに精一杯、しかもそろそろエゲレスからの米英の昼夜分かたぬ戦略爆撃が本格化する頃ですから防空戦力の拡充も急務、とくればますます数少ないドイツ海軍艦艇を積極使用するために空軍のリソースを大幅に割く余地もなくなってしまうわけでして

後継機の開発失敗、って技術的要因を抜きにしても、BOBの「後」になってから、泥縄的に長距離戦闘機&洋上作戦戦術を採用しようとしても、実際に物になる頃にはすでに戦機を逃して有効な施策になりえないんじゃないでしょかね、やっぱし

Name 名無し 15/11/10(火)09:02:38  No.404778
>戦争中盤以降は殆ど航続距離が問題にならなかったからでしょうね
109さんの航続距離が一番問題になったのは、中盤からの米英重爆迎撃戦の時なんじゃないの?
航続距離というよりも滞空時間という評価になるけど、素だと滞空時間二時間以下、E型なんかは一時間ちょいだから、離陸から高度とって編隊組むまでに30分かかる事を考えると、ちょっとタイミングずらされたらもう迎撃できなくなる。
ドイツ空軍が一番増槽多用した戦場は本土上空だし。
この辺、迎撃戦では軽くなるように燃料減らして離陸した日本機と対象的。

無題
Name 名無し 15/11/10(火)18:55:56  No.404800
日本より高性能で数も多かった迎撃機と高射砲を持っていながら日本に攻めてきた爆撃機より低性能な爆撃機を阻止しきれなかったドイツ

無題
Name 名無し 15/11/10(火)19:33:43  No.404805
>爆撃機より低性能な爆撃機を阻止しきれなかったドイツ

ブラッカムの爆撃機の時のパヤオさんの解説漫画に書いてあったけど
ドイツ爆撃で死んだイギリス軍爆撃機クルーの総数って5万人超えてたらしいよ……

無題
Name 名無し 15/11/10(火)20:43:06  No.404817
まあ、条件違いすぎるからね。
英独間の爆撃ならB17、24、ランカスターで事足りるし。
日本本土はB29じゃなかったら、ろくな量の爆弾も積めずに、確実に損害は増えていただろうし。

で、距離的な問題や初期故障なんかも含めてだが、結局機体の消耗率で見ると独本土爆撃も日本本土爆撃もあらかた2%を少し超えるぐらいで、大同小異だったり。

無題
Name 名無し 15/11/11(水)01:34:49  No.404842
>ドイツ爆撃で死んだイギリス軍爆撃機クルーの総数って5万人超えてたらしいよ……


ある資料によればドイツ爆撃でアメリカ、イギリスそれぞれ約8万人の戦死者を出したそうです。

投下した爆弾の量が両国あわせて160万トンで、これは日本に投下された量の10倍以上になります。

無題
Name 名無し 15/11/11(水)18:39:18  No.404915
ガチガチの戦術空軍だったイメージの赤色空軍が航続距離2,000km以上の戦闘機なんてどうするんだろうと思ったら、B-17の横断爆撃援護なんてしてたのか

無題
Name 名無し 15/11/11(水)21:20:48  No.404940 
有名な1943年10月14日の独シュヴァインフルトのボールベアリング工場への爆撃行ですと
出撃した米4発重爆はB-17が324機とB-24が60機の計384機、但し悪天候に災いされてそれぞれ62機と31機が引き返して結局護衛戦闘機なしでドイツ国内に侵攻したのが291機
対するドイツ戦闘機は各種計で300機以上
約2時間のドイツ本土上空での戦闘で乗員と共に失われた米爆撃機は82機に上り損害率は実に28.2%に達したんですが、多数の負傷者を乗せてエゲレスの基地にまで帰り着いた機体の内でも64機は再使用不能と判定される状況で喪失実数は実に146機にまで膨れ上がるそうなんですな

ドイツ戦闘機総監ガーランド少将によればドイツ邀撃機の延べ出撃機数は約800機で、平均すれば邀撃機1機につき2回以上出撃して、戦果も実数で見て2機で1機を撃墜or大破した訳で実に効率の良い戦闘だったんですが(対空砲火の戦果重複を無視してますが)
戦果の代償も戦闘機35機、11%前後に過ぎなかったんだとかなんとか

無題
Name 名無し 15/11/11(水)21:22:18  No.404942 
この約1年後の1944年11月2日、今度は燃料関連施設を狙って2群計975機の米4発重爆がドイツ国内に侵攻するんですが
この時ドイツ側が発進させた邀撃機は約500機、但し今度はドイツ側が悪天候に災いされ実際に接敵したのは結局先と同様の300機程度になったんだそうですが
この時尤も違ったのは、実は今回は米重爆隊1000機弱に対して600機以上のP-51と少数のP-38が護衛に付いてた事なんですな

結果から言いますとこの日ドイツ上空で撃墜された米重爆は40機(約4.1%)
対するドイツ戦闘機の損害は実に120機(36%)に達し、まさに「ムスタング」の効果覿面、と言った所なんですが
ドイツ側では戦果を約80機と見做して、内30機は高射砲隊、残り50機を防空戦闘機隊の戦果としてちょび髭伍長さんに報告しているんですけれど、この時の伍長さんの反応が議事録に残っておるんだそうで

無題
Name 名無し 15/11/11(水)21:23:19  No.404943 
50機の内更に30機は2個突撃飛行中隊(装甲及び武装を強化した対重爆仕様FW190隊)
60機が30機の損害と引き換えに達成したものと聞かされた伍長サン、、

「(戦闘機による戦果の)残りは20機となる。(交戦独戦闘機総数の)300機からその(突撃機)60機を引けば、残りは240機」
「ということは240機出撃して90機を失い、それで全部で20機を落としたのだ」
「みっともない結果だ。240機を出して20機落としただけ。では2600機上げれば(やっと)200機落とす事になる。つまりこれ以上飛行機を作っても当てにはできん、ということだ…なのに工場からは鬼神の速さで(戦闘機が)吐き出されている。あんなものは労力と資源を食いつぶしているだけだ!」

無題
Name 名無し 15/11/11(水)21:24:47  No.404945 
…とまあ、自軍の戦闘機隊の不振っぷりにそれは激おこだったそうなんですけれど
じゃあ当時のドイツ戦闘機隊現場の実情はどうだったのん?ってのを今度は1944年12月5日、427機のB-17が護衛戦闘機と共にベルリン爆撃に襲来した日のあるドイツ防空戦闘機(JG26第Ⅰ飛行隊、FW190)を例に見てみますと、

この日の朝、JG26はドイツ国内に侵入した連合軍地上部隊との戦闘の対地支援に29機が出撃、数機のP-47と交戦するも損害なし、1042時に基地に着陸すると昼間戦闘機総監から飛行隊司令ボリス少佐へそれまでの戦功により騎士鉄十字章受章、その後直ちに来襲する米爆撃邀撃を命じられ
1315時に5機が離陸、1325時に受勲されたばかりのボリス少佐が「ボーイング」1機撃墜、1345着陸、
1432~1435時、9機が離陸、1505~1515時、約50機の「サンダーボルト」と交戦、損害なし
1601着陸、ブッシェッガー上級曹長が着陸時に墜落(戦死)

無題
Name 名無し 15/11/11(水)21:26:40  No.404946
…となっておりまして、一日に都合3度の出撃・空戦、しかも後半2回の邀撃戦闘ではいずれも飛び上がって10分から30分もしない内に敵機と遭遇、両戦闘の間隔も1時間程度と確かにこれじゃあ航続距離の短さも問題にならないんじゃ(棒)ってな感じなんですが
実はコレだけ奮戦して損害が事故死1人で済んだこの飛行隊はまだ幸運な方でして
結局この日、ドイツ側は約300機の邀撃機を出撃させるも内75機を失っておるそうです(米軍側損害実数は爆撃機12機とP-51が15機)

どう考えてもこなしきれないノルマ(大量の敵重爆)
強力なライバル業者の参入(護衛戦闘機)
次々「退職」していくベテラン社員、補充は未経験のバイト君ばかり(搭乗員)
悪化していく一方の業績と待遇、そんな実情を無視して無闇に部下を怒鳴りつけてばかりの社長いや総統

…このブラック企業、正直もう限界じゃないでしょうk(

無題
Name 名無し 15/11/11(水)23:51:38  No.404966 
1447253498181
でもそのブラック企業、一発逆転の新商品を隠してるんだな。

ビームライディング方式の地対空誘導ミサイルってなんぼほどオーパーツな代物作るんや・・

無題
Name 名無し 15/11/12(木)01:02:30  No.404969
ドイツの場合、昼間のアメリカ軍の爆撃が終わっても、夜になったら今度は1000機規模のイギリスの重爆がモスキートの護衛付きでやってくるわけで、泣きっ面に蜂というかなんというか
引用元: http://may.2chan.net/39/res/404575.htm

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