無題 Name 名無し 15/09/22(火)18:54:05  No.399114
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 太平洋戦争? 大東亜戦争? 結局、なんで戦争に負けたのだろうか。
・最初から勝ち目はなかったのか
・もしかしたら勝てた、または講和にこぎつけたのか。
・新安保体制や将来に向けての教訓になることはあるのか。

大東亜戦争肯定論 (中公文庫)
林 房雄
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無題
Name 名無し 15/09/22(火)19:04:13  No.399116
こういうの定期的にスレ立つから結論を先に言っておくと
>・最初から勝ち目はなかったのか
日本は限定戦争を考えていたが、米国は最初から総力戦のつもりでいた
総力戦に移行した時点で日本の勝ち目は全くなくなった
>・もしかしたら勝てた、または講和にこぎつけたのか。
日本の勝利シナリオは、自国では米国との継戦は困難なため
ナチスドイツが勝利を続け、連合国側が米国のみになったところで継戦不可となる。そこで講和と考えていた
まるっきり他力本願

無題
Name 名無し 15/09/22(火)19:05:24  No.399117
>・新安保体制や将来に向けての教訓になることはあるのか。
勝てない戦争はしない、勝ちグループの中に絶対にいる事

無題
Name 名無し 15/09/22(火)19:28:18  No.399121
>勝てない戦争はしない、勝ちグループの中に絶対にいる事
明治の元勲はだから口酸っぱくイギリスから離れんなといってたんだけどね…

無題
Name 名無し 15/09/22(火)20:03:18  No.399128
>勝てない戦争はしない、勝ちグループの中に絶対にいる事
言うは易し、行うは難しのような感じがします。

無題
Name 名無し 15/09/22(火)19:40:09  No.399123 
昭和天皇が第2次世界大戦の敗因を述べられてる所を引用させて頂けば

「敗戦の原因は4つあると思ふ。
第一、兵法の研究が不十分であった事、即ち孫子の敵を知り
(略)百戦危からずといふ根本原理を体得してゐなかつたこと。
第二、余りに精神に重きを置きすぎて科学の力を軽視した事。
第三、陸海軍の不一致。
第四、常識ある主(ママ)脳者の存在しなかった事(略)政戦両略の不十分の点が多く、且軍の主脳者の多くは専門家であって部下等卒の力量に缼け、所謂下剋上の状態を招いた事。」

…そうなんですけれど、実際些末の事象を除けば大体の事柄はコレに当てはまると思うんですけどね
逆にじゃあこれらが全部逆だったら勝てたの?って疑問もあるかと思うんですが
それは寧ろそれだけ常に冷静かつ合理的な判断を下せる体制下なら
そもそも必敗の戦に踏み切らざるを得ないような事態になってないんじゃ?って事になる気がしますな…

無題
Name 名無し 15/09/22(火)19:44:04  No.399124
早い段階で満州利権をアメリカと分け合えばあるいは
遅い段階で独ソ戦後にドイツと袂を分かってソ連側についてドイツに宣戦布告すればあるいは

無題
Name 名無し 15/09/22(火)20:00:08  No.399127
よく言われることではあるけれど、日本になんらかの勝算がある状況ならば、米ももっと慎重に交渉を継続していたであろうから、そもそも戦争にまでは至らなかっただろう。
実際にはそういう甘い状況は期待できず、戦わずに屈するか、イチかバチか戦うか、で、後者を選んだ。
国家の行く末を左右するのにそれでいいのかともよく言われるが、実際、戦わずに引いて今よりマシな結果を得られたかどうかはあまりにも判断が難しい。
日本自体は開国前後や戦後復興などの実例に照らして、どうにかはなっただろう。しかしアジア諸国の独立はおそらく半世紀かそれ以上は遅れただろう。
日本が圧力に屈し、アジアの植民地状態も長引く。その世界で今より発展している日本というのはなかなか想像しがたい。

無題
Name 名無し 15/09/22(火)20:09:05  No.399129
付け加えると、有名な「総力戦研究所」の話で
軍・民間から優秀な若手エリートを選抜し総力戦研究所という研究所を作り日米戦のシミュレートさせたんですけど、結果は
「日本必敗」
その報告を心待ちにしていた近衛内閣に報告に行ったら結果を聞いた東條英機陸相には真っ青になり「あくまで机上演習だからな、このことは口外するなよ」といったそうで
但し結果はほぼそのシミュレート通りに推移したというオチ

無題
Name 名無し 15/09/22(火)20:14:55  No.399130
その敗戦の教訓があったからこそアメリカと同盟を組んで維持しているとも言える。

無題
Name 名無し 15/09/22(火)20:24:19  No.399131
それを歴史から読み解くには、なんで関東軍が天皇の意思に反してまで暴走したか、までは少なくとも遡る必要がある。
それに加えて南方資源が何にも増して必要な海軍。
南方から資源を輸送するシーレーン。
そして海上戦力比。
太平洋戦線に関して端的に言えば、想定通り戦って、想定通り敗れた。
中国戦線は石原莞爾の読み違い、というか、どう読んでもあの面子は信用できないのに、あの面子で手打ちにできると思ったのが間違い。

無題
Name 名無し 15/09/22(火)20:30:49  No.399132
勝つ要因は少なかったが負ける要因はえらいあったしな

無題
Name 名無し 15/09/22(火)21:40:39  No.399148
身の振り方をどう考えるにしろ、第一に政府機能が死んでるからなー
陸軍も海軍も外務省も政府とは違う意志で動いてるから、他の国からすれば何やってもペテンにしか見えない
かと言って重要な時に政府のトップが無能以前な近衛なんで、政府がそのままだと統制が取れててもロクな結果にならないだろうけど

無題
Name 名無し 15/09/22(火)21:50:26  No.399149
トラウトマン工作の継続を多田陸相が近衛内閣を潰す気で主張してればなんとかなったんでないのか?

無題
Name 名無し 15/09/22(火)22:19:26  No.399153
開戦時に軍令部総長だった永野修身元帥サンは、日米開戦に至った「本当の理由」として

「ここで戦争をしないで屈することは、日本に内乱が起こることを意味する。陸軍がクーデターを起こす。海軍にも勇ましいのがいたが(略)
そこで陸海軍が相撃つことになりとなり、陸軍が勝つだろう(略)
陸海軍相撃ってから戦争になったら、まことにだらしのない、歴史に残る戦争になる」

…からだったとしてまして、確かに戦わず屈することは日本(海軍)にとっては当時出来なかった判断である、と述べてるんですけれど、その理由はアメちゃんよりも寧ろ自国の陸軍を恐れての事だった、としてるんですな

無題
Name 名無し 15/09/22(火)22:21:09  No.399154 
一方じゃあ陸サンは実際例え海軍を倒してでも対米戦をやりたかったの?と言えば、開戦当時陸軍軍務課長だった佐藤賢了陸軍中将サンによれば

「海軍側は勇気に欠けズルかったという印象は(戦後の)今でも変わっておりません。(近衛内閣時代)東條陸相が及川海相と会談して、及川から『海軍は戦争に自信がない。永野軍令部総長の自信と言うのは緒戦だけのことで、2,3年後のことは更に検討を要する』と言う答えを得ました。だが及川海相は(近衛首相との)会談では戦争に自信なしと公的にははっきり述べておらず、一切を近衛首相に下駄を預けたわけです。これは『海軍が戦争に成算がないといったから戦争をやめたのだ、ということにしたくない』海軍側の面子に拘ったものと判断されます(略)海軍さんは表面的なきれいごとに囚われすぎて、泥をかぶるほどの覚悟に欠けていたように思われます」

…そうでして、むしろ海軍が戦争したくない、とはっきり言ってくれれば陸軍はそれに従ったと言わんばかりなんですな

無題
Name 名無し 15/09/22(火)22:25:03  No.399155 
海軍は陸軍がやるというからやらざるを得なかったと言い、逆に陸軍は海軍が出来ないと言ってくれればやらなくてもよかった、っていうなら、じゃああの戦争はホントにやらなくちゃいけなかったの?って話になっちゃいかねないわけなんですが、この場合寧ろ問題なのは陸海のどっちが悪かったのか、なんて些細な事じゃなくて、日本っていう国家そのものの存続を揺るがせかねない戦争に突入するかどうかの瀬戸際にあってなお、その戦争をすべきなのかって根本的な部分でさえ日本自身の中で実質的な意思統一がなされていなかった事だと思うんですよね

こういうのも、昭和天皇の言う「陸海軍の不一致」に含まれるところだと思うんですけれど、それが単に戦場での戦術や作戦上の協力を欠いたなんて意味合い以上だった点では、やっぱりかなり重大な問題だったような気がするんですがねえ…

無題
Name 名無し 15/09/22(火)23:04:18  No.399161
>こういうのも、昭和天皇の言う「陸海軍の不一致」に含まれるところだと思うんですけれど、
別に陛下を貶めているわけではないが、当時の総帥権が機能してなかったってことだな
英国式の帝王学も影響はあったのかもしれないが、責任持つのは陛下だし、みたいな甘えた根性が戦前日本の一番の害悪だ
他力主義というか、そういうのは戦後よりもずっと酷かったんだろう
そんなゆとり以下のクズの集まりならそりゃ全面降伏もするわな

無題
Name 名無し 15/09/22(火)23:09:59  No.399166
ここいらへんは、なんか日本人の根底にあるところかなと思ってしまいますが
目的を決めたら、それが駄目な物でも突き進んでしまう
責任をとにかく分散したがる
まあ、現代でも大きなスポーツ大会で同じ様な事があったような気がしますね

無題
Name 名無し 15/09/23(水)01:28:17  No.399182
>むしろ海軍が戦争したくない、とはっきり言ってくれれば陸軍はそれに従ったと言わんばかり
陸さんもよく言うなとしか…
10月12日の荻窪会談で及川海相が和戦何れかという決定を総理に一任という態度に出たのは確かだが
であれば交渉継続と近衛首相がその意思を示したのに対し、そう結論付けるのは早計で交渉成立の可能性につき検討すべきとして反対したの東條陸相じゃないの。
その可能性について豊田外相が交渉における最難点は支那における駐兵問題であり、陸軍に譲歩の余地があるというのなら交渉成立の見込みがないとはいえないとしたのに対しても心臓論を陸軍の立場として展開しているわけですからな。
ただまあ実際この会談の時点で交渉成立の可能性が存在したかといえば、ハル国務長官の回顧録を読む限り無いと言ってもよいような状況でしたから東條陸相の問題提起がどのような意図から来たものかは別として、結果的には状況の把握として的外れなものではなかったとも言えそうですな。

無題
Name 名無し 15/09/23(水)21:57:03  No.399301
>その戦争をすべきなのかって根本的な部分でさえ日本自身の中で実質的な意思統一がなされていなかった事だと思うんですよね
もう戦争なんか止めて国内産業の充実
(米英伊独仏チェコで国民車産んでるか出来かけの時代なのに)
や国民自体の生活水準の向上とかに力注げば良かったのになんて思ってしまう、こういうのはときに戦時でも生かされるものなんだし・・・

無題
Name 名無し 15/09/23(水)22:03:49  No.399303
>水準の向上とかに力注げば良かったのになんて思ってしまう
孤立して経済制裁されてたからなあ
ドイツやイタリアは資源の供給という意味では役に立たん
そんで自国だけでやろうとして全部の資源の面倒見るために北支事変は拡大しインドシナには進駐し

無題
Name 名無し 15/09/23(水)03:08:40  No.399197
アメリカに勝ってあげますから軍事費を今の100倍用意してください。正規空母6隻体制の南雲機動部隊が後3セットは必要です。とか陸軍の全師団を機械化師団にしないと勝てませんとか、金で好戦的な意見言う連中を困らせろよ。

無題
Name 名無し 15/09/23(水)12:14:28  No.399231
近衛首相のブレーンだった尾崎秀実の存在が痛かったな
ただの新聞記者のくせに中国を武力で完璧に打倒殲滅しろとか、どこの口でほざいたんだろ

1938年(昭和13年)1月16日の第一次近衛声明に影響を与えた。同年『改造』5月号で「長期抗戦の行方」を発表し、日本国民が与えられている唯一の道は戦いに勝つということだけ、他の方法は絶対に考えられない、日本が中国と始めたこの民族戦争の結末をつけるためには、軍事的能力を発揮して、敵指導部の中枢を殲滅するほかないと主張、また『中央公論』6月号で発表した「長期戦下の諸問題」でも中国との提携が絶対に必要だとの意見に反対し、敵対勢力が存在する限り、これを完全に打倒するしかない、と主張して、講和条約の締結に反対、長期戦もやむをえずとして徹底抗戦を説いた。

無題
Name 名無し 15/09/23(水)19:11:01  No.399281
NHKスペシャルによると海軍の働く場所がないから、対米国戦を積極的に働きかけたというのは本当かね

無題
Name 名無し 15/09/23(水)21:51:49  No.399299
>NHKスペシャルによると海軍の働く場所がないから

軍隊には雇用促進、社会福祉の側面もあるし、予算獲得の欲目もあるし、付いた予算消化も必要だから全くないとは言えないけれど、それが対米開戦理由の全てではないんじゃね?

無題
Name 名無し 15/09/23(水)22:49:53  No.399311
もしミッドウェー作戦に成功していたら戦局はいかに変わっただろう?
もし日本空母は無傷のまま米空母を3隻すべて撃沈した上で、ミッドウェイを攻略できたならば、戦局は大いに変化したように思うが。

無題
Name 名無し 15/09/23(水)22:56:47  No.399315
>もしミッドウェー作戦に成功していたら戦局はいかに変わっただろう?
>もし日本空母は無傷のまま米空母を3隻すべて撃沈した上で、ミッドウェイを攻略できたならば、戦局は大いに変化したように思うが。
島に関して言えば補給が続かずアッツ島のごとく玉砕or撤退
周辺海域をめぐって中~大規模海戦がおきて南太平洋海戦よろしく日本は熟練搭乗員の大半を失って向こう半年空母艦隊が動けなくなる

結局無駄なリソースばっかつかって敗北する以外ないと思うが、まぁソロモン方面の血みどろが幾分かかわるだけだろう

無題
Name 名無し 15/09/24(木)01:43:27  No.399334
>周辺海域をめぐって中~大規模海戦がおきて南太平洋海戦よろしく日本は熟練搭乗員の大半を失って向こう半年空母艦隊が動けなくなる

海戦が起きるといってもミッドウェーで3空母失ったら米空母は、サラトガ、ワスプ、レンジャーだけ(レンジャーは戦闘に使えない)
機動部隊の威力を身をもって味わった米海軍が空母の少ない状態で大規模海戦を起こそうとするとは思えないが・・・

史実にあった英空母を借りる話が現実になるだろうが、42年はおろか43年夏以降になるまでまともに戦力化もできない。
南太平洋海戦みたいなガチンコは43年中盤以降だろうな

44年以降は史実と変わらないけどな

無題
Name 名無し 15/09/23(水)23:04:58  No.399316
>アッツ島のごとく
アッツとキスカもだらだら占拠を続けて米軍の反攻くらってるし
もったいない精神が度を越してる

無題
Name 名無し 15/09/23(水)23:42:54  No.399321
ミッドウェイが勝てたところで
ミッドウェイ海戦で失った空母4隻の穴は結局最後まで埋める事が出来なかった帝国海軍に比べ
米海軍は帝国海軍に沈められた全ての空母の10倍以上の空母を建造している
まあ、それが全て

無題 Name 名無し 15/09/24(木)02:44:34  No.399338
ミッドウェーは占領しても維持出来ないって当時の軍部も言って反対してた。それなのに日本の戦艦で艦砲射撃すると滑走路が使えなくなるとか変なスケベ根性出して貴重な艦載機を100機以上無駄に出撃させてその後はご存知の通り誘爆祭り。作戦が既に支離滅裂でこんな指揮官じゃ勝てる訳ない。

無題
Name 名無し 15/09/24(木)06:54:23  No.399345
ミッドウェーは上陸占領なぞ考えず、最初から敵空母撃滅の一点に絞っておれば...
敵を誘い出すのが目的だから、アリューシャン作戦は中止。
アリューシャン用の空母2隻を護衛につけた戦艦部隊をミッドウェーまで押し出して、島を艦砲射撃。
島の将兵を見殺しにしたとあっては士気に関わるから、敵空母は戦艦部隊に攻撃を仕掛けてくるだろう。
それがこちらの狙い。

無題
Name 名無し 15/09/24(木)03:07:05  No.399339
勝敗は時の運
てのが最大限に理解できるのがミッドウェイ
アメリカ人も勝てるとは思ってなかった

無題
Name 名無し 15/09/24(木)21:35:44  No.399400
>勝敗は時の運

運以前に作戦が杜撰すぎるよな日本側は・・・

無題
Name 名無し 15/09/24(木)21:41:19  No.399401
勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし

無題
Name 名無し 15/09/24(木)07:58:13  No.399348
ミッドウェーは奇襲せず戦力揃えて正面から来たら、アメリカに勝ち目が無かったとニミッツが言ってましたな。

無題
Name 名無し 15/09/24(木)21:34:23  No.399398
海軍「陸軍が反乱起こすから勝てないとは言えないな」
陸軍「海軍が無理と言ってくれたら、戦争しなくて済むのにな」

こんな戦いに命を賭けた兵が哀れだわ。

無題
Name 名無し 15/09/25(金)11:17:29  No.399457
>陸軍「海軍が無理と言ってくれたら、戦争しなくて済むのにな」
海軍はずっと一貫して無理って言ってなかったか?
最終的に開戦する段になっても「1年は勝ってられるけどそれ以上は絶対負けるからな!1年でなんとか講話に持ち込めよ!」って言ってたし
ちゃんと1年はまあ優勢にやってたじゃん

>ミッドウェーは奇襲せず戦力揃えて正面から来たら、アメリカに勝ち目が無かったとニミッツが言ってましたな
龍驤隊がアリューシャン列島なんぞに行かずにミッドウェーに同行してたら米海軍が勝てる道理はなかったらしいな

無題
Name 名無し 15/09/25(金)23:02:13  No.399527
ミッドウェーの発端はドーリットル空襲のようですが
被害は軽微だったのに米軍はこの本土空襲で日本を利の無いミッドウェーに引き摺りだした
何人かはミッドウェーで日本が勝ってもおかしくないと話をしてるが維持出来ない島へ攻撃させるという無駄なリソースを使わせてるから米軍が負けても、日本も総合的には色々失った戦いとなったでしょう

逆に日本が本土攻撃に成功できれば、国力差とは別に何か違う動きが起ったかも知れませんね

無題
Name 名無し 15/09/25(金)23:50:46  No.399540 
ヘンリー・ルース=サンっていうアメリカ人が居りまして、この人は1898年に中国山東半島でプロテスタント教会の宣教師の息子として生まれて、以後1912年に14歳で米国に帰国するまで中国で育ったそうなんですな

んで当時の山東半島、青島及び膠州湾の周辺ってのはドイツの租借地になってたんですが、1914年にWW1が勃発しますと日英同盟に基いて参戦した日本とエゲレスの連合軍と、青島要塞に立て籠もるドイツ軍との間でここを巡って戦闘になるんですね
この時日本は参戦前にドイツに対して
「ドイツ政府は膠州湾租借地全部を中国に還付する目的を持って無償無条件で日本官憲に交付せよ」
…という期限付きの最後通牒を送付してまして、言わば中国のドイツ植民地「解放」を大義名分に掲げてたわけですけれど、これは言わば同盟国エゲレスや中国含む諸外国に向けての日本が山東半島への領土的野心を持たない、ってアピールでもあったんだそうで

無題
Name 名無し 15/09/25(金)23:52:26  No.399541 
ドイツは当然この最後通牒を拒否、山東半島に上陸した日英連合軍と戦端が開かれ数か月の戦闘の後、山東半島主要部はめでたく日本の占領下に置かれるんですな
ところがその後日本は膠州湾の旧ドイツ租借地の引き渡しを求める中国の要求には応じず、逆にドイツ権益の日本への継承承認を中国に要求するんですね

実の所、日本としては最初から欧州大戦の勃発に乗じて
「ドイツ極東経営の命脈たる山東鉄道を占領し、一面支那における独国勢力を根本的に翻すと共に我が勢力をしてこれに代わらしむるは帝国発展のため極めて緊要」
(日本陸軍参謀本部編『秘大正3年日独戦史・1916年編』)

…って思惑が有りまして、実際には山東権益の中国への返還ってのはほんの建前だったみたいなんですな
ともあれ山東権益回復の思惑が外れた中国側は、戦後のヴェルサイユ講和会議で失地回復の為の協力者としてアメちゃんに泣きつくんですね

無題
Name 名無し 15/09/25(金)23:55:37  No.399543 
アメちゃんとしてもここで中国に恩を売っておけば今後なにかと有利、まして日本はそもそも自分で領土拡張の野心はない、と宣言してた身ですから他国と共同してその非を突けば楽勝じゃん!ってんで早速エゲレスやフランスに日本非難の共闘を呼び掛けるんですが、案に相違して両者の反応は極めて鈍く、寧ろ日本の擁護に回るものだったんだそうなんですな

というのは実はまだ米国参戦前の大戦中の1917年2月、日本はエゲレスの地中海への艦隊派遣要請の見返りとして英バルフォア外相より
「英政府は(戦後の)平和会議の際、山東における独の諸権益および赤道以北のドイツ領諸島の処分に関し、日本の要求を支持する」
…という確約を得ていまして、3月には仏・露・イタリアの保証も取りつけてたんですね

この時初めてこの秘密協定の存在を知った米側は愕然となったそうなんですが、ともあれ英仏の反対で米中の思惑はあえなく潰え、山東問題は日本の要求がそのまま通り、ある意味日英同盟って強固な基盤を元に、綿密な根回しを活かした日本外交の勝利ではあったんですが
反面では対中国、メリケンの新たな危機が芽生えたって事でもあるようなんですな

無題
Name 名無し 15/09/25(金)23:55:54  No.399544 
そこでヘンリー・ルース氏に話が戻るんですか、帰米した氏はイェール大学に進学、卒業後の1923年に学友らと共に、若干24歳でニュース週刊誌「TIME」を創刊して成功すると以後1930年に高級経営雑誌「FORTUNE」、1936年に写真週刊誌「LIFE」を次々に創刊するんですが
いずれも当時としては斬新な内容や編集方針で忽ち全米の読者を虜にして大ヒット、瞬く間に米国メディア界の大立者に上り詰めてまして、どうもこの方面に関しては並々ならぬ力量の持ち主だったそうなんですな
「LIFE」の今見ても非常に鮮明な写真とか、ミリ趣味者の皆さんにも結構お馴染みなのが多いと思うんですけれどw
そんな「LIFE」誌に日本が支那事変の最中の1938年春、ある一枚の写真が掲載されるんですね

無題
Name 名無し 15/09/25(金)23:59:13  No.399545
「日本軍の上海爆撃後、廃墟で泣き叫ぶ幼児」とされるこの写真、一説にはわざわざ廃墟の中に幼児を「置いて」撮影したヤラセ写真と言われてるんですが、その効果は強烈で、「LIFE」誌上のみならず新聞や雑誌、あるいはニュース映画等に繰り返し転載され、一説には1億人以上の米国人が見たっていうから中々洒落にならないんですが、この事例でも分かる通り実はルース=サン、筋金入りの反日・親中主義者だったみたいなんですね

彼にとって日本は、生まれ育った美しい山東の地の占領を皮切りに中国に勢力を伸ばしていく侵略者、というわけでして、その活動は自分の創設した各雑誌で強烈な反日・親中キャンペーンを張るだけに留まらず、米国を訪れる宋子文、宋美齢と言った国民党要人の活動支援からUCR(UnitedChinaRelief)・CDS(ChinaDefenseSupplies)と言った中国支援団体後援まで多岐に及び、米国人義勇航空隊「フライング・タイガース」の日本機撃墜賞金まで提供してたっていうんですから日本にとっては迷惑極まりないんですが、ともあれルース=サンの懸命の努力の甲斐もあって(?)やがて日米戦争自体は日本の敗北・解体で幕を下ろす訳でして

無題
Name 名無し 15/09/26(土)00:00:13  No.399546 
ところがまあ皆さんご存知の通り、対日戦中ルース=サンがあれだけ必死に援助した蒋介石サン率いる国民党政権は、程なく共産党との内戦に敗れて台湾に追われ、勢いを駆った中国と言うか共産勢力が朝鮮半島まで飲み込みかねない勢いになっちゃうんですな

それでも国民党政権を見捨てきれない米国の親(国民党)中国派は共産中国の封じ込め政策を画策、ここで再びクローズアップされてくるのが日本の存在でして
共産中国を認めない以上、日本を西側陣営に取り込んで防共の一翼を担わせるのが急務となり結局米国支援の下での日本の経済復興、再軍備へと米戦略が転換するんですけれど
この一連の方策を大いに支援したのもまた皮肉と言いますか何といいますか、ルース=サンだったそうなんですな
勿論、米国の戦前~戦後の政策がルース氏一人の活動で決まった、ってわけでもないんですけれど
仮にルース氏が中国でなく日本にシンパシィを感じて育っていたら、或は戦後あっさり国民党から共産中国に乗り換えていたら、それだけでその後の歴史も全く違う流れになってたかもでして

ある意味歴史の危うさ、みたいなものを体現する人物なのかもですねえ

無題
Name 名無し 15/09/26(土)01:39:27  No.399553
統帥権が限定的過ぎた。あとは戦前期の大切な時期に政党が不毛な主導権争いに終始していた。むろん議会の発展や政党政治の醸成には時間がかかるのは当然で全くの無駄ではないにしても当時の世界情勢の緊迫化がそれを許さなかった。それに愛想をつかして軍が政治に進出したものの遅きに失した。
もっと早期に軍が政治を動かしていれば米国と直接戦争にはならなかったと思う。これは現代にも通じる。このままではまた我が国は自ら育てた敵と戦うはめになるだろう。

無題
Name 名無し 15/09/26(土)13:46:53  No.399632 
「太平洋戦争」は無謀な戦争だったのか (WAC BUNKO) 
これ、結構面白いよ。
特攻作戦効率良いから、もっとはじめから使えとかちょっとなー つーのはさておき、もう一年頑張れるよう最初から戦っていたら、講和の目があったのでは?という論。

無題
Name 名無し 15/09/26(土)13:55:43  No.399634
>もう一年頑張れるよう最初から戦っていたら、
何の考えもなしに大陸に足突っ込んだ成れの果てでああなったんだから計画だとか言われても無理だよね

無題
Name 名無し 15/09/26(土)15:39:29  No.399642
>何の考えもなしに大陸に足突っ込んだ成れの果てでああなったんだから計画だとか言われても無理だよね
日清戦争あたりに逆行して歴史改変しても厳しいと思う
鎌倉幕府ぐらいから北海道回りでアラスカ~北米へ入植して欧州より先に北米制圧して遷都するぐらいでないと無理だろ

無題
Name 名無し 15/09/26(土)17:12:39  No.399655
>もう一年頑張れるよう最初から戦っていたら、講和の目があったのでは?という論。

そのレベルでもの言ったら最初から戦争するなとしかいえない

無題
Name 名無し 15/09/26(土)14:01:25  No.399636
>特攻作戦効率良いから、もっとはじめから使えとかちょっとなー 

特攻って、44年に入って機体&パイロットの補充体制がある程拡充し、損失が出てもすぐに戦力が回復できる&だけど促成栽培過ぎて練度が足りず、戦争初期の練度抜群な海軍航空隊のように効率の良い通常攻撃ができないから初めて意味があったのに、十分な補充が不可能な大戦初期から通常攻撃で十分な戦果をあげられる高練度の海軍航空隊を特攻で消耗させるとか
なに考えてるのこの人・・・・

無題
Name 名無し 15/09/26(土)14:22:43  No.399638
>日下公人
まあこのおっさんの名前が帯にある時点でね
引用元: http://may.2chan.net/39/res/399114.htm

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